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百五十七話 ソルートンよ私は帰ってきた様


「えーと、覚えているだけでこんなもんだが……どうだ?」




 銀行にて手続きを済ませ、ラビコに今までの一日一万G以外の借金を支払う。




「さ~覚えてないや~本当に返すとは思っていなかったし~あっはは~いい意味で裏切られたよ~」


 ラビコが笑いながらお金を受け取る。


 正直俺もこんなに早く返せるとは思っていなかったしな。後はお世話になっている宿屋ジゼリィ=アゼリィに投資かな。


 ロゼリィが言った、王都にカフェジゼリィ=アゼリィの話を今度考えてみてもいいな。


 それには向こうで料理人探さないと、か。また王都行って、場所探しと人員確保と結構時間と手間がかかるか。とりあえずオーナーのローエンさんに話だけでも今度してみようか。





「ね~ね~社長~せっかく二人きりなんだから~デートしようよ~」



 ラビコが右腕に絡んでくる。ベスもいるから二人きりではないだろ。


「デートっても……何すりゃいいのか分からないぞ」


 そんなのほぼ経験が無い。


 ロゼリィやアプティと買い物に行ったことはあるが、あれはデートだったのか? 俺の経験値としてカウントしていいのかね。


「あっはは~ただ二人で歩くでいいのさ~ゆっくり時間を過ごそうよ」

 

「分かった」


 ベスの散歩の続きもあるし、ゆっくり歩くか。


 ソルートンの中心部に銀行があり、ここは街でも値段の高い物が売っているお店の多い地区。この辺はほぼ用事がないため来たことなかったが、王都で見たような高級品が結構売っていた。そう言われればソルートンの全部はまだ把握していないな。銀行だって初めてきたし、自分の住んでいる街なのにまだまだ知らないところが多いな。




 高級商店街を抜け、ふと裏道に目をやると何やら懐かしい既視感が俺を襲う。


「あれ、ううーん。なんかこの辺見覚えが……」



 この薄暗い道、なんか覚えがあるんだが。俺は気になってラビコと共にその裏道へと入る。


「どうしたんだい~ここはあんまり雰囲気のいいところじゃないけど~?」


 ラビコが不思議そうに俺を見てくる。



 待ってくれ、何か思い出しそうなんだ。


 なんだろうこの胸の高鳴りは……ドキドキと心臓が強く鼓動し始め、手が震えてくる。


 なんだこの体の反応は……俺の体が何かに反応している……?




 裏道の先の薄暗い場所に一つの小さな扉が見える。


 そこには何の表示もなく、建物の窓はカーテンがあり中が見えず余計に暗い雰囲気を出している。


 しかし、この俺の胸の高鳴りは……そして感じる親近感と安心感。


 俺はこの場所に、この建物の中に入らねばいけないような気がするんだ。ふらふらと吸い寄せられるようにその扉に近づくと、ラビコが呆れたように言い放った。




「ここ以前社長が入ろうとしたエロ本屋だけど~デートで来るって~そういうプレイかい?」



 俺の記憶が全て繋がり、全てを思い出した。


 そして吹き出る冷や汗。


 さぁ、ここからどうやって切り抜けるか勇者の腕の見せどころか。


 



 見て欲しい、この俺の綺麗な土下座を。


 ああ、このおでこにつく土の感じ……ソルートンに帰ってきたんだなぁ。













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