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百五十四話 そうだ、王都を見よう! 6 ハイラにはライバルが多い様


「な、何を……?」



 サーズお姫様もさすがに驚いたらしく、うまく言葉が出ていない。




「辞めます。もうお金の心配は無くなりましたし、私はずっと先生のお側にいると決めました」


 ハイラがいい笑顔で宣言をした。



「だ、だめだぞハイライン。ウェントスリッターとなった者は国が誇る飛車輪乗りの代表として、一年は在籍してもらわないと……」


 サーズ姫様が慌てて説得に入る。


 国を代表する騎士になったんだ、我が儘は通用しないだろうなぁ。



「ううう……じゃ、じゃあソルートンに派遣を……」


「だめだ。飛車輪は王都でメンテナンスが必要なマジックアイテムだ。王都に居てもらわないと困る」


 ことごとく否定され、ハイラが涙目になってきた。



「い、い、嫌です嫌ですー! 人間の恋愛行動範囲って目で見える距離って聞きましたし……じゃあ私は先生のすぐ側にいないとダメなんですー! ううううう」



 よく分からないことを言ってハイラが暴れはじめてしまった。


 同僚のブランネルジュ隊全員とサーズ姫様が必死に説得を続けるが、ハイラは耳をふさいで俺に突進してきた。


「先生ー! 助けてください……私はもっと先生のお側で学びたいんですー! そしてあわよくば先生と一夜を……」


 俺の腹に突進してきたハイラを受け止め、痛みを我慢しつつ頭を撫でる。



「い、いいかハイラ。お前は未熟だ、まだまだ俺の教えを理解出来る基本がなっていない。サーズ姫様の教えをきちんと聞き、基本を学べ。そして課題をクリアし、成長した姿を俺に見せてくれ。そうしたら俺だって君を認め、惚れるかもしれない。な、ハイラ……いい女になれ」


 ハイラは俺の胸にうずめていた顔を上げ、涙声で言う。


「先生が私に惚れる……それ、いいかもです。そうです……ただでさえライバルが多いのに、私がぐいぐい押してもダメかもしれない。なら……先生を私に惚れさせればいいんです……! なるほど……なるほど!」


 急に元気になったハイラがラビコ、ロゼリィ、アプティにキッと視線を送る。



「一年後……目にもの見せてあげます……! 例えラビコ様であろうと、この勝負は一歩も引きません!」


「あはは~いい顔だぞ~ハイラ~このラビコ様を脅かす女になってみろ~」


 ラビコがヘラヘラと余裕の笑みを浮かべ、手を振る。


 それを見たハイラが鼻息荒くサーズ姫様に詰め寄る。



「サーズ様……! 私に基本を教えてください! 先生が思わず惚れてしまうような技術を身につけたいんです!」


「お、おお、わ、分かった……」


 さすがのサーズ姫様もハイラの迫力に押され、しどろもどろに。


 俺がサーズ姫様に手を合わせ、お願いします……のポーズを取ると、サーズ姫様はウインクをしハイラを抱きしめる。


「少々動機は不純だが、ハイラインの決意が伝わってきたぞ。いいだろう、私が明日からみっちり基本を叩き込んでやる。誰もが見惚れる技術を手に入れ、彼のほうからハイラインに色目を使うぐらいの女にしてやる。あと、一応言っておくが私も君を狙っているからな。覚悟しておけ」


 最後サーズ姫様がニヤリと俺に笑い、ハイラが驚いた顔でお姫様を見て叫ぶ。



「うううう……! なんで先生の周りにはこんなにライバルが多いんですか!」







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