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百五十三話 そうだ、王都を見よう! 5 帰り支度トラブル様


「では明日、ソルートンに帰ろうと思います。お城のお部屋を長く占拠しているわけにもいきませんし」




 俺は書類の束をサーズ姫様に渡しながら言った。



 サーズ姫様は少し驚いたような顔をし、書類をまとめる。


「そうか、実に楽しい日々だったので残念だ。出来れば王都に残って欲しいが……そうはいかないのか?」


 王都は大変綺麗で、設備もよく、つい長居したくはなるが、やはり俺の心はソルートンにあるようで宿の自分の部屋で寝たい気持ちが強い。


「はい。王都にはいつでも来れますし、ソルートンの宿屋のことが心配なので」


「……分かった。君にとってソルートンの宿は家みたいなものなんだろうな」


 サーズ姫様が優しく微笑んでくれた。うーん、この笑顔で落ちない男はいないだろうな。






「なんだい社長~もう帰るのかい~?」



 お城の部屋に戻り、帰宅の準備を始める。


 たいした物は持って来ていないので、荷物は軽い。せいぜいお土産がかさばるぐらいか。


 ラビコも杖に小さなカバンぐらいで、今すぐにでも出れそうな勢い。


「ああ、やっぱり俺にはソルートンの宿で過ごすほうが性にあってる。なんか急にジゼリィさん、ローエンさん、イケメンボイス兄さん、バイト五人組に会いたくなってきたし」


「ふふ、あなたのお家はあの宿で間違いないですよ。私と二人でこれからも頑張っていきましょうね」


 ロゼリィがすすっと左腕に抱きついて来て、ラビコに不敵な笑みを向ける。


「あ、ラビコは残っていいんですよ? ほらあなたは王都で大事な人みたいですし、ふふ」


「ふふ~ん、バカいっちゃいけないね~私はソルートン出身なんだ。ソルートンに帰るさ~だいたいここに残ったって、あの変態性癖ピンククマにいいように使われるだけだし~」


 ラビコも定位置の俺の右腕を掴む。



「マスター……早く帰りましょう……ここには嫌なものが眠っています……」


 アプティがまた俺の尻を掴みながら言う。なんで最近尻を掴むんだ……。



 ラビコがアプティにチラリときつめの視線を向け、すぐに俺に笑顔を向けてきた。


「社長のいるところが私の居場所なのさ~帰ろう帰ろう~あっはは」






 その日の夜、部屋に皆が尋ねてきてくれた。



「もうお帰りになられるのですか? もっとお話がしたかったです」



 なんと国王の立場であられるフォウティア様がリーガルを引きつれて来てくれ、俺の手を軽く握る。ううーん、この一族美人過ぎだろ……。



「なんだ、私のときと態度が違うじゃないか。なんだそのほうけた顔は」


 サーズ姫様がブランネルジュ隊と共に部屋に入って来た。


 王族二人とか俺が一緒にいていい空間じゃないだろ、ここ。



「せっかくだから弟も連れて来たぞ。リュウル=ペルセフォスと言う。将来、国王になる男だ。まだ子供だがな、はは」


 サーズ姫様の足に絡みつく小さな少年。歳はまだ八、九だろうか? かわいらいい顔立ちの少年。


「こんばんわ、今度は僕とも遊んでくださいね」


 とことこと歩いて俺に握手を求めてきた。将来の国王様ってかい。


 リュウル様としっかり握手をしていると、ドタドタと足音が部屋の外から聞こえ出し、大きな荷物がドスンと部屋の入り口に置かれた。




「はー……はー……もう先生……いきなり帰るとか言わないでくださいー」



 荷物の持ち主はハイラ。慌てて用意しましたという雰囲気。


 皆が何事かと見ていると、ハイラがにっこり笑う。




「私、騎士辞めます。先生について行きますから」




 唐突なハイラの発言に部屋にいる全員が口をぽかんと開け、言葉を失った。







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