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百四十九話 そうだ、王都を見よう! 1 この世界こそ俺の居場所であることが決定した様


「なんか不思議な夢を見た気がするんだ」



「へぇ~」



 お城の食堂で朝ごはんをいただきながら、向かいの席のラビコに今朝方見た不思議な夢の話をした。


 少し興奮した様子のピンクのクマさんが、水色のクマさんである俺に迫ってくるというもの。体は全く動かず、金縛りにでもあっていたのだろうか。




「これって何か俺の願望なんだろうか、ストレスでもたまっているのかなぁ……」


「あっはは~違うね~それは水色のクマさんの願望じゃなくて、ピンクのクマさんの欲だよ~」


 ラビコが爆笑しながら紅茶を飲む。


 ふーむ、夢の中に出てきた相手にそういう行動を取らせたということか。


なんだ、俺って異性に迫られたい願望なんか。確かに俺からそういうアプローチかけるの苦手だしなぁ。


つーかしたことないわ。

 




「レースも終わったし、あとは目的であった王都観光したらソルートンに帰るのみだな。期日は決めていないが、せっかく来たんだしたっぷり楽しんでいこうぜ」


 ベスの散歩もさせたいし、リードつけて王都をのんびり歩くか。



「みんなホテルに行こうぜ」


 俺がそう言うとラビコとロゼリィが目を光らせた。


「う~わ、社長~ずいぶんザックリ言うねぇ。誘うにしても、もうちょっと時間帯とか~雰囲気を~」


「い、い、いいですよ! 私はもういつでもそういう準備は……」


 ん、なんだ? 時間と雰囲気? ロビーとかご飯とかなら宿泊客以外にも解放してんだろ。



「そうか、ロゼリィの目的は王都のホテルという施設の見学だったもんな。いつでも行く準備は出来てるのか、さすがに楽しみにしてたもんな」


 ホテルの施設のいいとこ吸収してソルートンに持ち帰らないとな。


「健全かい~……もうちょっと社長は強引に来てもいいと思うんだよね~。王都のホテル見ても~たいして参考にはならないと思うよ~施設が豪華で高いだけだし~」


 ラビコが肩を落とし、ロゼリィが顔を真っ赤にして手で覆った。


 ピンクのお城みたいなホテルってのも興味として見てみたいが、今朝方のピンクのクマさんの夢のせいで、ピンクは怖いものになったので行きたくはない。





「ああ、いたいた探したよ。やぁ、おはよう」



 背後から話しかけられたが、この声はサーズお姫様か。


 王族自ら探すとか、この人行動が庶民すぎないか。



「お~お~よくぞ顔を出せたもんだね~変態姫さん~」


「そっちこそよくも邪魔をしてくれたな。もうちょっとだったのに……」


 ラビコとサーズお姫様が睨み合う。この二人、本当に仲良いよな。



「ごほん、まぁいい。目的は君だ、昨日の続きはまた今度……でチケットの話なんだが。君が買ったハイラインのチケットの換金がちと膨大でな。すぐには用意出来ないので、しばらく王都に滞在してくれないか」


 チケット? ……あ、そういやハイラ優勝したから、あのチケット当たりになったのか。えーと、いくらだっけ。


「さすがに一千万Gはすぐには出せなくてな。重さも相当な物になるし、全部持って帰るにも大変だろうし王都の銀行に預けるかい?」


「い、いいいいっせん……! はふん……」


 サーズお姫様の膨大な金額の言葉にロゼリィが気を失った。


「うっは~やったね~社長~。私に余裕で借金返せるね~」



 い、いっせ……。えーと落ち着こう、俺。


 この異世界の金銭感覚は一Gが日本感覚で百円。ってことは、えーと一千万Gは……。


「じゅ、じゅ……十億……! うおおおおおお!」


 俺は吼え、心に誓う。



 俺は絶対に異世界から帰りたくない、帰らない。



 俺の居場所は一生この異世界です!







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