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十五話 ペットレースで塩うめぇ様


「一日一万G……」




 冒険者センターの求人掲示板を眺めながら高給な仕事を探す。


 よくわからないが、会社を興してもいないのに俺は社長になり、優秀な社員が出来た。



 給料未払いは社長の名にキズがつくので、どうにかしないとならん……が。


「……無理無理。どうやったって一日一万G稼ぐのには、冒険者でも上位職の有名人でもなければ叶わない夢物語だ」


 下っ端冒険者の相場は大体半日~一日働いて百G、日本感覚一万円いけばいいほう。


 あとはその仕事の危険度で歩合制。



「つか俺、社長じゃねーし」


 俺の職業は街の人。武器もまともに扱えず、戦力はゼロ。


 愛犬ベスはなぜか白銀犬士とかいう上位職……ん?


「そういやベスは上位職なんだっけか。しかし愛犬をダシに使ってお金を稼ぐのは嫌だなぁ」





 俺は舌の根も乾かぬうちに『第十五回ソルートン名物ペットレース大会』とやらにベスを登録。


 ペットであればなんでも参加可とかういうゆるいルール。


 賞金は五千G。ヨダレが出る。


 ここは異世界、よく分からない羽の生えたトカゲとか巨大カンガルーみたいな化け物なんかがひしめき合う中、俺は純日本産柴犬で参加。


 単に目的地にいか早く着くかだけだから、危険度は無いだろうと参加した。



 レース開始、応援席で俺が狂喜の応援をしたら大会運営者に注意され、つまみ出されてしまった。


 それを見たベスがレースほっぽりだして大会運営者に吼えまくってルール違反で退場。




「変な下心を出した罰だな……」




 レースは羽の生えたトカゲが優勝したらしい。


 ……あれ多分ドラゴンだろ。


 一応参加賞は貰えた。塩一kg。





「塩うめぇ」


 塩を舐めながら帰還。


「おかえりなさい、レースどうでした?」


 お姉さん……ロゼリィがワクワクしながら結果を聞いてきたが、俺が袋に入った塩を舐めていたのを見て無言で宿屋の受付の仕事に戻っていった。



「塩うめぇ」




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