表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化&コミカライズ!】異世界転生したら愛犬ベスのほうが強かったんだが ~職業街の人でも出来る宿屋経営と街の守り方~【WEB版】  作者: 影木とふ「ベスつよ」②巻発売中!
2 異世界転生したら周りがすごい人なんだが

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

147/697

百四十六話 ウェントスリッターへの道 13 俺の腹に厳しい流れ星様


『な、なんと最終コーナーでメラノス=サイスを抜き去りトップに躍り出たのはハイライン=ベクトール! 見て下さい、あの輝きを! その姿はまさに流星!』




 司会者の声と、一番で最終コーナーを回ってきたメラノスを抜き去ったハイラの姿に観客席から起こるどよめきと驚き。



 しかしハイラの放つ輝きを見た観客の声は次第に歓声に変わり、拍手が起こる。



「おお、すげぇぞハイライン! あのメラノスに勝ったのか!」

「最後はどうなったんだ!? くそっここからじゃ見えなかったぞ」



『さぁ今年のウェントスリッターが決まるぞ、皆様買ったチケットを……失礼。ハイライン=ベクトールのチケットを買った勇気あるお一人の方! おめでとうございます! そしておめでとうハイライン=ベクトール! 君の大逆転劇は王都のみんなが見ていたぞ!』


 ハイラがゴール地点を通過。


 沸き起こる大歓声と舞い散る多量のハズレチケット。




『優勝はハイライン=ベクトール! なんとなんと誰もが最下位を予想していた大穴がトップでゴール! しかしその輝きはまがい物ではなく本物であると我々は言える、そうだろうみんな! ここに新たなウェントスリッターの誕生だ!』



 ハイラに惜しみない歓声と拍手が贈られる。


 ゴールを通過し、慌てて大回りに旋回しゴール地点に戻って来て貴賓室のバルコニーを興奮しながらキョロキョロしているハイラ。


 何か察したラビコが上を指し、俺とお姫様が上空にいることに気付いたハイラがさっきの最高速度で飛車輪を操り突っ込んでくる。ちょっ、あぶね……。



「先生ーーー!! やりました……私やりました……!」


 ハイラが全速力で俺に抱きついて来た。


 ぐっふぅ……みぞおちぃ……が、我慢だ。サーズ姫様が慌てて飛車輪を操り、うまく衝撃を和らげてくれた。さすがっす。



「う、うううう……うわああぁぁ……先生……先生……怖かったです、怖かったです……」


 ハイラが泣き出してしまった。


 岩場で練習はしたが、実際のコースではぶっつけ本番だったしな。


 怖かったろうな、よくやったよ……ハイラ。俺はハイラの震える肩を軽く抱く。



「おめでとう、ハイラ。……ここまでよく泣かずに頑張ったな。もういいぞ、いくらでも泣け」


「ううううううう……! うわぁぁああああ……」


 ハイラが大声を上げ、子供のように泣き出してしまった。


 俺は頭を撫で、俺なんかの作戦を信じ怖い思いに最後まで耐えたハイラを強く抱きしめる。




「まるで親子だな。おめでとうハイライン、君のレースは見させてもらったぞ。自分の得意とする物を理解し、飛車輪の特性を理解し、よくぞ短期間でここまで成長した。素晴らしいの一言だ」

 

 サーズ姫様が優しい笑顔でハイラを労う。


「あびばぼうぼばいまぷぅ……うううう……」



 何言ってるか分からんがハイラが必死に返事をした。













評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ