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2 異世界転生したら周りがすごい人なんだが

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百四十話 ウェントスリッターへの道 7 開会式と勇気のチケット様


 開始を告げる花火が上がり、飛車輪部隊が空を駆けるちょっとしたショーが始まった。



 あれはお姫様以外のブランネルジュ隊か。



 編隊を組んでの華麗な飛行に観客から歓声が上がる。


 うん、これは見ごたえがある。

 



 「皆様、おはようございます。それではこれより、レースを行いたいと思います。今年はあの大魔法使い、ラビィコールさんもお見えになっています」



 フォウティア様がよく通る声で、開会の宣言を始めた。


「今年もこのレースを開けることを嬉しく思います。皆様に楽しんでいただければ幸いです。それではブランネルジュ隊の後ろをご覧下さい。今年のレースの参加者達はいつも以上にレベルの高い者達となっていますよ。私も皆様と一緒に今年のウェントスリッターの称号を得る者を見届けようと思います」



 ブランネルジュ隊の後ろに現れた二十の飛車輪部隊。


 ゆっくり飛び、一定の間隔を開けて一列に並ぶ。


 例によってハイラが周りに微妙に合わせきれず、あたふたしているのが見える。



 それを見た観客から軽い野次が出る。


「おいおい、レベル高いな今年は! わははは!」

「さすが逆トップ、期待通り!」

「やはりメラノスがトップで安定だな」

「あははは」

 

 野次が聞こえたのかメラノスが手を上げ応える。


 ハイラは顔を手で覆い下を向いてしまった。こういう野次の対策は事前にしたが、大丈夫かなぁ。



 今年の参加者達がゆっくり飛び、司会の人から一人ずつ名前が読み上げられる。


 一番人気のメラノス、二番人気のイオーツの名前が呼ばれると、観客から大きな歓声が上がる。 




「――それでは最後の二十人目、なんと買われたチケットが一枚という最低記録を作り、歴史的倍率をブチ上げた奇跡の持ち主……ハイライン=ベクトール!」


「おおおお!」

「よ、待ってました!」

「わははははは!」


 他の参加者と違いハイラに向けられるのは、どよめきと笑い声。



 俺がさすがにイラっとしてガタンと椅子から立ち上がると、ラビコに止められた。


「ま~ま~社長。今はそういうトークショーだよ~これも楽しみの一つなのさ~我慢我慢~」


 飛車輪に乗った参加者達が国王の側までゆっくり飛び、止まる。




「皆さん、この名誉あるレースに勝ちその力を見せ付けてください。期待していますよ」




 参加者達が国王の言葉に敬礼をし、ゆっくりスタート地点に向かう。




 俺はポケットから司会の人が言ったその最低記録のチケットを出し、ハイラに見せる。



「ハイラ大丈夫だ、お前は一人じゃない。俺と二人でトップ取ろうぜ」


「せ、先生ー……うう、そうです私は一人じゃないんです……が、がんばります!」


 ハイラの顔に自信が戻った。



 さぁ、みんなを驚かせてやろうぜハイラ。





 誰もやったことのない、見たこともない飛車輪レースってやつをさ。













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