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百三十七話 ウェントスリッターへの道 4 魔女VSお姫様


「あ、あのサーズ様、レースのことで質問があるのですが」 




「ん? なんだ、勝つコツなら教えられないぞ? レースは公平じゃないとな」



 海老食って誤魔化したし、せっかくお姫様がいるので聞いておきたいことがある。


 これは俺の作戦に影響するので、これがダメならアウトになる。



「建物や障害物にぶつかるのはアウトですか?」


「いや、別に違反では無いぞ。過去に何度も壁にぶつかった参加者がいるよ。私も一度あるな、最後のところで。あははは」


 ふむ、大丈夫か。


 そしてサーズ姫様ですらぶつかる難度のカーブなのか、あそこ。



「最後の直角カーブの連続のところが一番事故が多いな。なのであそこの下はレース当日は通路が封鎖されて、立ち入り禁止になる。過去に何度もあそこで事故が起きて、下にいた観客が危険な目にあったことがあってな」


 なるほど、余計都合がいい。


「例えばレース中、ぶつかって建物を破損させてしまった場合、その参加者にペナルティなどはあるんですか?」


「はは、なんだいさっきから。君は一体どんな作戦をうちのハイラインに授けようとしているんだ? 特にペナルティはないよ。破損については運営に補修義務がある。選手は好きにやってくれて構わない」


 そうか、なら何の気負いも無く存分にやらせてもらおう。



「な、なぁ君の作戦ってやつを聞いてもいいかな。すごく興味があるんだ、そこまで自信満々にハイラインが勝つと言う君の作戦が」


 サーズ姫様が我慢出来ない子供のように聞いてきた。



「いえ、ダメです。これに関しては例え相手が誰であろうと教えられません。そうですね、これは冗談ですがこの場で姫様のスリーサイズ情報と交換ならば……」


 さすがにこれは教えられない。ハイラの車輪乗りとしての将来すらかかっているんだ。


 例えこの国のお姫様だろうと情報は開示出来ない。絶対に無理なものとしてあなたのスリーサイズ……。


「いいだろう、八十八……」

「うわぁ! うわー!」


 サーズ姫様が何の躊躇も無く数字を言い出したので、俺は慌ててその口を塞ぐ。


 この人自分のサイズ普通に言ってきたぞ……。


「君の手は大きいな。しかし、教えてはくれないのか。分かった、当日を楽しみにしていよう。はは、これほどレースが楽しみな年は初めてだ」


 俺の手を軽く握りお姫様は笑う。綺麗な手だなぁ。



「おいコラ変態性癖女~私の男の手を楽しんでいるんじゃないよ~!」


 ラビコがダッシュで俺達の間に入ってきてサーズ姫様の手を払いのけ、俺の手を握る。


「うん? 婚約をしているわけではないと聞いたが……今はただ仲が良い友達なんだろう? なら私が彼の手を握って何の問題があると言うのだ?」


「あるね~ぽっと出のキャラにうちの社長は渡せないね~。せめてリングを貰えるぐらいに社長の信用を得るんだね~」


 そのリングってあれだろ、ロゼリィに感謝の意味を込めて贈ったら、それを見たラビコとアプティが俺を力で脅して無理やり買わせたろ。


 まぁ感謝は込めてあるが。



「ふむ、そうか。なら私も彼の仲間に入り信頼を得たい。彼は大変頭の回転が速い智将として尊敬している。出来たら私も彼から色々教わり、今後の国の戦力補強の指針を得たい。はっきり言って今回、彼から直接教えを請えるハイラインが羨ましいんだ。出来るのなら私の側にいて欲しいと思っている」


 周囲からどよめきが起こる。


 そりゃあそうだろう、国のお姫様が街の住民の仲間に加わりたいと宣言したのだから。


 俺とロゼリィも口をパクパクさせて驚く。



「あっはは……社長の力がちょ~っと広まってしまったなぁ。悪いけど私が独占させてもらうんだから手を出さないでもらいたいね~」


「それはよくないぞ、ラビィコール。彼の力は多くの人に享受すべきで、それはこの国の発展につながる大事なことだ。例え我が身を求められてとしても、彼の力が手に入るのなら喜んで差し出そう」

 


 ラビコとサーズ姫様がバチバチ火花を出しながら睨んでいるが、俺はそろそろこの場から逃げる準備を始めた。






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