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百三十五話 ウェントスリッターへの道 2 コース下調べ様


「こちらがスタート地点になります」



 メラノスの飛車輪に乗り、スタート地点の場所に連れて行ってもらう。



 スタート地点は背の高い建物のすぐ横で、見るとその建物の巨大なバルコニーで騎士達がせっせと何か準備をしている。



「社長~そこが私が当日座る場所さ~。開会式がここで行われるからね~」


 ほう、なるほど。


 下の大きな広場では観客席が多量に作られ、イベントステージやらの設置が急ピッチで進められている。ラビコは貴賓室っぽい、この建物のバルコニーでスタートを見るのか。



 しかし飛車輪って便利だな。空中を自由に飛べて滞空出来るとか、確かにこれが多量にあるこのペルセフォス王国の戦力は高そうだ。


 飛行機などの乗り物が無いと思われる異世界において、地形を無視出来る飛行能力を持った騎士が多量にいるとか半端ないだろ。


 ……こういうチートを俺にくれ。




 スタートから少し進むと、真っ直ぐ一列に並ぶ巨大な煙突が五本見えてきた。何かの工場の煙突っぽい。


「ここが最初のポイントさ~ジグザグに飛んで五本の煙突を抜ける細かな方向転換技術が試されるんだ~」


 ふむ、なるほど。これはハイラだといきなり出遅れそうだな。


 メラノスは三人乗っているのにも関わらず、揺れることもなく綺麗なコース取りで煙突五本ジグザグを抜ける。さすがに一番人気の実力の持ち主だ。




「そしてそこで左に直角に曲がるのさ~」


 五本煙突を越えるとそこには巨大な木が見えてきた。



「ここはペルセフォスの観光スポットであの大木の樹齢は二千年もいっているとか~。木のパワーを貰えるとか、願いが叶うとか、いろいろ言われているね~。その木の向こう側をぐるっと回るのさ~」


 木に近づく。うわ、これはでかい木だな。


 二千年ってかい、確かに何か感じるものがあるな。



 想い……荒れた土地に翼の生えた巨大な影……輝く剣……う、何か映像が頭に入ってくるが……この木が見た何かか? 俺は頭を振り、コースの確認に集中する。





「曲がったら真っ直ぐ飛んで~また左に曲がるのさ~」


 木を大回りに飛び、左へ。そこからしばらく真っ直ぐ飛び、大きな商業施設の壁にある巨大な看板が見えてきた。


 看板を左に曲がり、真っ直ぐ飛ぶ。背の高い建物の間を、王国の旗が空中に紐で吊るされているところを軽く避けながら飛び、さらに真っ直ぐ飛ぶ。



「そしてここからがラストへの最大の難所~狭い幅を超え、直角で二回曲がるレース最大の見せどころさ~」


 見えてきた背の高い建物群。繁華街らしく、建物が密集している。


 L字状になっている建物の壁を道なりに右へ曲がり、すぐに現れるL字の道を左へ。これ、今はゆっくり飛んでいるからなんとも思わないが、スピード出ていたらかなりの技術が必要だぞ。



 直角カーブを抜けたらそこから真っ直ぐ飛べば、先ほどスタートしたポイントへ着く。


 スタートとゴールは同じ場所か。


 なるほど、よく分かったぞ。


 ありがとうラビコ、実際に飛んでみて地図上では分からない色んな物が見えた。


 あとメラノスの技術の高さもしっかり分かった。カーブはアウトインアウトで綺麗に曲がるのな。なるほど、それがレースでは普通だしロスも少ないもんな。




「さすがだね~メラノス~安心して乗っていられたよ~これは今回優勝かな~?」


 ラビコがメラノスに笑顔を向ける。


「ハッ! ありがとうございます! これぐらいは飛車輪乗りには当たり前の技術です、これが出来ない者は資格が無いと思っております。倍率は低いですが私に賭けていただければ、確実に掛け金プラス二割をお約束いたします」


 ああ、ハイラに対する当てつけか。


 うん、あいつここ飛ぶと絶対カーブで大きくタイムロスして、例え直線で追いついてもまたカーブで引き離されるだろうな。


 メラノスが一.二倍、ハイラが一万倍、か。今のままならその倍率には納得かな。




 実際に飛んでみて突破口は見えた。




 最後のL字直角カーブの連続、あそこがハイラの実力の見せ所になるだろうと思う。







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