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百三十一話 そうだ、王都へ行こう! 26 王都のラビコ様


「パンにサラダに、じゃがいもが数個浮いたスープに鶏肉を蒸したものか」



 お昼は街に出るのにまた七個の防壁をぐるぐる回るのが面倒だったので、お城の食堂でランチを取っている。



 いったいこのお城にはどれほどの人が働いているか分からないが、食堂が体育館ぐらいの広さあり人でごった返している。


 天井も高く、各窓が大きく取られていて、外の景色がよく見えるので開放感はすごいけど……混み過ぎ。



 甲冑の人もいれば、魔法使いっぽい人もいて異世界感が素晴らしい。


 お城の食堂でご飯とかゲームであったらたまらんイベントだぜ。しかも実際に食べれるんだぜ。出て来た料理は普通だけど……ね。



 てっきりお城のご飯っていうから豪華な物を想像したけど、結構質素。


 まぁ、そりゃそうか。ようするにここ、学食とか社食だもんな。俺が頼んだのはAセット五Gのもの。サラダは食べ放題だとさ。




「うーん、普通だなぁ……美味しいは美味しいが」



「ここは安くぱっと済ませるのが目的のところだからね~街で食べるよりは遥かに安いよ~街だったらこれで十~二十G以上取られるよ~」


 ラビコも同じものを食べながら言う。

 

 うっへ、内陸の事情ってやつか。王都だから物は豊富にあるが、ちょっと物価がソルートンの倍近い感覚だしなぁ。


 ロゼリィ、アプティも同じものを食べている。ハイラは報告書の作成で別行動。


 ベスには犬用セット。なんと王都には動物部隊というものもあるようで犬のメニューがちゃんとあり、食堂の端っこの特別席であれば一緒に食べられる。ありがてぇ。




「ラビコ様お久しぶりです」

「おお、ラビコ様だ」


 しかしちょい面倒なのは、みんなラビコに気づくと敬礼や挨拶をしていく。


 確かこの国の王と同じ権力を持っているんだっけか。ラビコに憧れて魔法使いを目指しました! とか、どこどこでの大規模戦闘ではお世話になりました! とかちょこちょこ寄ってくる。


 ラビコってみんなの憧れなんだなぁ。


 軽く手を振り、ラビコは声に答えている。






「すごいんだなラビコって」


「ええ、普段の自堕落な生活を知っている身としては、不思議な感覚ですけど」


 俺とロゼリィがボソボソ話す。


 アプティは紅茶がないことに無表情ながらも超不満そう。





「ははは~」


 笑顔で答えてはいるが、ラビコはちょっとつまんなそう。


 尊敬されるのってすごいことだと思うんだが、毎日そうだと疲れるのかね。


 ラビコはソルートンに来る前はこの王都にいたらしいが、この王都にいたほうがお金も、待遇もいいだろうに。


 まぁラビコって堅苦しいの苦手っぽいし、自由にのびのび出来るほうが性にあっているんだろう。


 だからいっとき王都を離れているのかね。



 以前ハイラが、ラビコは王都だと我儘で人の言うことも聞かない一匹狼のイメージがあると言っていた。


 ラビコと一緒にいると分かるが、ラビコが我が儘に振舞って見えたのは誰もラビコの考えとその強大な力についていけなかったからじゃないか。


 言うこと聞かないのも、自分の考えに対して一歩引いて遠慮して言う、とても納得出来るレベルの否定じゃなかったからじゃないか。


 一匹狼に見えたのも、位の高さからと、ラビコの強大な力に恐れを抱いていたから近づきにくかったんじゃないか。


 その上近づいて来るのはラビコの権力と強大な魔法とお金を目当ての欲を持った男ばかり、そりゃービンタして王都から離れたくもなるわ。




 ラビコはお姫様のように対等に話してくれる友達が欲しかったんだと思う。


 いや、必要だったんだと思う。


 同じ目線で、同じ方向を、一緒に歩いてくれる友達ってやつが。



 






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