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百二十八話 そうだ、王都へ行こう! 23 再会のお姫様

 

 ぐるぐると防壁のなかを巡り、迷子のネズミの気分をたっぷり味わったところで、ようやくお城に到着。




「うっはーものすごいでっかい扉だな……どうやって閉めるんだ」



 お城に入る扉は高さが五メートルは超えるもので、相当分厚い。かなりの重量になっていそうだ。


「人力だよ~人力~力自慢が大集結するのさ~」


 筋肉達が集まって押すのか。一度見てみたいな、その光景。




 お城の中に入ると吹き抜けのロビー。



 豪華な内装であちこちに高そうな美術品が飾ってある。あのでかい花瓶、いくらするんだろう……。


 吹き抜けの左右に階段があって、綺麗な赤い絨毯が敷き詰められている。階段の手すりすら豪華な装飾が施されているぞ、これはすごいな……本物のお城だよ、これ。



「す、すごい……! すごい! お城です、お城ー!」


 ロゼリィがやや壊れ気味。暴走はしないでくれよ。


「ああ……!こんなザ・宿屋の娘みたいな服じゃなくて、煌びやかなドレスとかであの階段を登ってみたいです!」


 ロゼリィ、落ち着け。それ言ったら俺のオレンジジャージはどうなるんだ。あとアプティのバニー。誰も正装なんてしてないぞ。


 そういえばお姫様に会うってのに、こんな格好でいいのだろうか。




「ラ、ラビコ……俺達こんな格好だけど、いいのかね……お姫様に会うわけだし、正装とか……」



 自分の服装に今さら気付いて不安になってきたぞ。


 周りには鎧で正装した騎士達がじろじろ俺達を見ているし……。



「あっはは~大丈夫大丈夫~あの女の部屋での普段着はクマさんのかんわい~着ぐるみ……」



「そこまでにしてもらおう、紫の魔女よ。クマさんはかわいいんだ」



 ラビコの言葉をさえぎったのは、豪華な階段をゆっくり降りてくる煌びやかなドレスを着た女性。


 サーズ姫様と言ったか。


 戦闘中に見ていたのとはまた違う、まさに王女といったオーラ。細かな仕草が美しく、普通に見とれてしまう。階段を降りているだけなのに美しい……。ロゼリィが大興奮でじたばたしている。


「出たよ~猫っかぶり~こら~社長! ぽけ~っと見ない!」


「猫などかぶらんさ。私がかぶるのはクマさんだ。いや、失礼したお連れの方々。長旅であっただろう、今晩はささやかではあるが、うちのシェフ自慢の料理をご堪能いただきたい」


 お姫様がニコリと笑う。


 うっわーこれはやばい、ゲームに出てくるザ・お姫様だこれ。リアルで見るとこういう感じなのか、ゲームではよくお姫様は見たことあるが……やっぱリアルはすげぇな。


 なんか自分のオレンジジャージが恥ずかしくなってきたぞ……。


 ラビコとロゼリィがちょっと不満そうな顔をして俺を見ている。


 ほけーっと見すぎたか。




「やぁ、オレンジの少年と犬のコンビは一度見たら忘れないな。ふふ……いや、すまない。なんとも不思議な縁があるのだな、と思ってな。ベルメシャーク戦で出会い、君は蒸気モンスターに臆することなく勇敢に戦い、見事撃破。そしてソルートンでの銀の妖狐との戦いでも、街の冒険者に指示を出し勇気を与えたと聞く。そしてあのルナリアの勇者のパーティーメンバーの先頭に立ち戦う姿は今でも忘れないぞ」


 お姫様が俺のこと覚えていてくれたのか、ちょっと嬉しい。


 銀の妖狐を素手で殴った甲斐があったってもんだ。



「助けに行っておきながら簡単に返り討ちにあってしまい、申し訳なかった。海の上で気を取り戻したのだが、車輪のダメージが大きくて動けずに、君の戦いを祈りながら見ているという情けないものだった。君の勇気ある行動を我々は見習わなければならないと反省したよ。街を守った君の功績に国を代表してお礼を言いたい。ありがとう、勇者というのは君のことを言うのだろうな」



 お姫様が俺の手を握り優しく微笑む。


 うっわ……間近で見るとやばいな、これ。お人形さんみたいな美人さんだぞ。あと褒められてくすぐったい……。












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