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百二十四話 そうだ、王都へ行こう! 19 王都到着と権力者ラビコ様


「見えたよ~あれが王都さ~」



 ラビコが窓を指しニコニコと笑う。


 列車はあれから問題なく進み、車内で寝ること合計三回、やっと目的の王都へ着いた。



 一昨日はカードゲームで惨敗し、皆に全裸を見られるという屈辱の日だったが、もう忘れよう。



 あれ以降、女性陣の視線が俺の下へ向く。


 以前もこういうことがあったような気がするが二、三日もすれば普通の生活に戻った気がする。


 お願い、戻って。






「これが噂の王都かーやっと着いた。色んな物を見て見まくるぞ」


 この国で一番の都市。


 港街ソルートンでは見られないようなすごい物を期待してしまうが、すでに駅舎がオシャレで馬鹿でかい。ホームも何本あるんだ、これ。十以上はありそう。


 駅は大きな建物と繋がっていて、日本でよく見たショッピングモールと繋がっているものに似ている。


 駅だけでこの規模かよ……街のほうを見ると、高さのある建物がぼんぼんと建っていて空が見えないほどだ。


 街の中心部を見ると、小高い場所に何重もの大きく頑丈そうな壁に覆われた背の高い建物が見えた。どう見てもあれが王様のいるところっぽい、まさにお城のような建物。白を基調とした美しい形の建物。ここから見ても大きく感じるってことは、アレ相当の規模の建物だぞ。




 列車が止まり、駅へ降り立つ。



 ついに来たぞ、王都ペルセフォス。


 ホームは多くの人で溢れ、冒険者、商人、騎士、観光客でごった返している。ラビコ見失ったら迷子になんぞ、これ。俺は慌ててラビコの手を掴む。


「ほ~着いていきなり混雑に乗じて私をどこぞへ連れ込もうとしているのかい~例のピンクのお城みたいなホテルへゴーかい? あっはは~」


「違うわ! この混雑はヤバイ。ラビコとハイラ以外は地理分からんから、はぐれたら迷子になって危険だ。みんなラビコかハイラに掴まれ」


 とりあえずこの混雑を抜けよう、人の足で地面すら見えない状況だ。俺はベスの入っているカゴをしっかり持つ。


 ロゼリィがハイラに掴まり、アプティが俺に掴まる。アプティさん……なぜ俺、まぁ同じか。




 駅を楽しむ暇も無く、人を掻き分けホームを抜け、改札を抜け、大きな吹き抜けのロビーに出る。


 ここはすでに巨大な商業施設の中らしく、通路にそってお店がずらりと並んでいる。客層が少し変わって、地元の人っぽい家族連れが多く見られる。



「それにしても人多すぎじゃねーか? 王都っていつもこんななのか?」


 俺がキョロキョロ左右を見ながらラビコに聞く。


「う~ん、大体こんなだね~。この時期は観光客が多いかもね~レースがあるからさ~」


「レース? なんだ、なにかイベントでもあるのか?」


 そういやラビコ、王都に呼ばれているとかなんとか出発前に言っていたな。


 なんかラビコの脚をベロベロ舐めていた若かりし俺が思い出される。若さゆえの行動か。





「おお、ラビコ様だ。こんな間近でお目にかかれて光栄です」

「本物!? すごーい! サイン下さーい!」

「ラビコ様だ! いつもお美しい……」


 周りがラビコを見て騒ぎ始めた。なんだ、ラビコって王都じゃ有名人なんか。


「ラビコ様だぞー! 警備隊! 道を作れ!」


 背後から大きな声が聞こえたと思ったら、甲冑を着込んだ騎士がドカドカ走ってきてラビコ含む俺達を守るように壁を作ってくれた。な、何事。


「やぁやぁ、みんな。お騒がせして申し訳ないね~道を開けてもらうよ~」


 甲冑騎士達が混雑する通路に道を開き、剣を上に掲げる。


 周りにいた人達が数歩引き、拍手をし始めた。みな羨望の眼差しでラビコを見ている。




「ど、どうなっているんだ……」


 俺が驚いていると、ハイラがささっと寄って来て俺に耳打ちしてくる。


「あれ……ご存知かと思っていましたが……ラビコ様は世界でも名前が通じるほど有名で実力者なのですよ? 数々の大規模戦闘で名を成し、国の英雄になったあのルナリアの勇者の元パーティーメンバーですよ? 超がつくほどの有名人です」


 ルナリアの勇者、そういえば聞いたことあるな。


 ソルートン出身の勇者とか。ラビコがその一員だったってかい……確かに並外れた魔法の使い手だとは思っていたが、そんな大きな肩書きがあったのか。



「ちなみにラビコ様は我が国の王であられるフォウティア=ペルセフォス様と同等の権力をお持ちです。なので国の王が駅にいるぞーっていう騒ぎに近いです」


 マジかよ、ラビコって国王クラスの人なのかよ……。




 じゃあラビコの脚をベロベロ舐めたのって、もしかして自慢出来るのか!?



 しねーけど。











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