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2 異世界転生したら周りがすごい人なんだが

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百二十三話 そうだ、王都へ行こう! 18 サンドイッチともう戻らない穢れの無い俺の体様

 

 補修の終えた列車も無事走り出し、太陽の光に照らされ輝く景色を俺は満足気に眺める。




「やっと景色を楽しむことが出来る」



 夜に乗ってすぐに飛龍に襲われ、撃退したら正座で朝を待つという余裕のなさだったので、こうして落ち着いて流れていく車窓の景色を楽しめるのは嬉しい。



 この世界はとても自然が美しい、ずっと見ていられそうだ。




「うわっはは~この手札、無敵じゃ~い」

「ラビコ様、さっきから引きがよすぎですーううう」



 今のは風車か、風光明媚だなぁ。


 自然と人工物が織り成す美しい景色。


 異世界に来て本当に良かった。


 おお、湖が見えるぞ。鳥達が太陽の光を受け、より鮮やかな色を放ち空を舞う。



「あっはは~バカめ! くらえ『2』のスリーカード~!」

「あああ……! そんな『A』の三枚だから勝てたかと思ったのに……」



 あの山の向こうにはどんな景色が広がっているのだろうか。


 見てみたいなぁ。


 俺のこの飢えた異世界欲を満たしてくれる、素晴らしいものがあるのではないだろうか。



「脱~げ! 脱~げ!」

「え、え、え……本当に脱ぐのですかラビコ様……」



「うるせぇ!! 人が健全に美しい風景を楽しんでいるってのに、お前等何やっとんじゃ!」



 振り返ると、女性四人がカードを持ち何やらゲームをしている。



 ロゼリィはスカートに上半身はブラのみのほぼ半裸。


 アプティは下着のみ、ラビコは水着一丁……これはいつもか。


 そしてハイラが下着のみから、ブラを外そうとしている。俺が外の景色を楽しんでいる間に何があったんだよ。



「あっはは~ゲームだよ、ゲーム~脱衣大富豪~」


 ラビコがニヤニヤ笑いながら答える。


 目の前に広がる画面の肌色の占めるパーセンテージを見てくれ。



「ううううううー……私みなさんと違ってスタイル良くないので恥ずかしいですー」


「ホラホラ~うちの社長が満足するような裸をバーンと見せてやれって~あっはは~」


 俺は普段見れないロゼリィの肌色をぼーっと見ていたら、ハイラが悲しそうな顔をした。


「そ、そんな……これから脱ごうとしているのに見てももらえないなんて……」


 ハイラ、それ脱いだら裸じゃないか。


 見てもいいのなら目に焼きつくほど見るぞ、いいのか。




 もうすぐ駅に着くな。



 この場から逃げる意味で昼ご飯買ってくるか……。



「ラビコ、昼買って来る。何がいい」


 俺はくるっと後ろを向き、肌色が見えないような視界を確保。



「ん~? あ~ここは何もないよ~パンとトマトぐらいしか売ってないと思うよ~。適当によろしく~」


 ラビコからお金を受け取り列車を降りる。


 停車時間内に駅の売店で昼飯買わないとな。





 売店に行くと、本当にパンとトマトがずらっと並んでいた。


 これは……内陸で何の産地でもないところはこういう感じなのか。


 お、レタスに鶏肉を焼いた物も売っているぞ。


「すいません、切る物ありますか?」





「うーい、お待たせ。簡易サンドイッチだ」



 売っていた長いパンを一人前サイズに切り、真ん中に切れ目を入れてそこにトマト、レタス、焼いた鶏肉を挟む。味付けはないが、シンプルサンドイッチの完成。



「お~さっすが社長。どんなとこでも才能を発揮するな~。王都で何件かこういうの売っているかな~」


 あり合わせだから見た目は勘弁な。


「アプティ、紅茶を頼めるか」


「はい……マスター」


 ハイラは恥ずかしそうに裸で胸を隠しもじもじしている。


 アプティはお尻が丸見え。


 ロゼリィはついにスカートを履いていない。



 ラビコは水着一丁……ラビコ負けなしかよ。




「はぁ……見ていたいが、ご飯にしよう」


 俺は全員にシーツをかぶせ、肌色画面を減らす。



「おいしいです、宿屋のご飯を思い出すなぁ」


「うん、おいしいね~さすが社長だ~」


「んん、おいしい……正直、王都以外でこういうご飯が食べられるとは思いませんでした……」


 味付けが物足りないが、こんなもんだろ。


 パンにトマトだけよりはよっぽどご飯っぽいだろ。



「ロゼリィの宿屋に来てもらえれば、もっと美味しい物が食えるぞハイラ」


「ロゼリィさんの宿屋ですか、いいなぁー私も行ってみたいです」


 こんなただパンに挟んだ物じゃなくて、イケメンボイス兄さんの手の込んだ美味い物をハイラにもご馳走したいな。





 ご飯後、俺もカードゲームに参加。



 ラビコの鬼のような引きの良さに勝ち目無く、俺は次々と脱がされ、あっというまにパンツ一丁に。


 ぐぐ……実力でみんなの裸を見ようとしたがラビコ強すぎだろ。



「はい、あがりです」


 ロゼリィがニコニコ全部のカードを出し切る。


 マジか……俺の負けかよ……。



「やった~はっだっか! はっだっか~! 社長が全裸だ~」


 ラビコが大はしゃぎで俺の最後の砦のパンツに手をかける。


 待て……! せめて自分のタイミングで……。


「さ、さぁ……さぁいつでもどうぞ、じっくり見させていただきます!」


 ロゼリィが変に気合が入っている。


「マスターのは……凶暴ですよ……」


 アプティには寝ている間に何度も着ている服を脱がされ、洗濯されているからなぁ。


 知らないうちにどれほど見られたのだろうか……。


「…………うう、こういう形で見てしまうのはなんですけど……き、興味はあります……」


 ハイラまでもが、俺の俺たる部分に熱い視線を向け始めた。





 この状況からどうやったら逃げ出すことが出来るか、緊急でご教示願いたい。




「あっはは~うりゃああ~~!」



 あ、手遅れゲームオーバーでした……。




 グッバイ、清廉潔白な俺の体。







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