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百十九話 そうだ、王都へ行こう! 14 勝利と魔女との戦い(胸)様


「続く者はその輝きを受け継ぐ……! 消え去れ……! ファウアステル!!」




 ハイラは飛龍の目の前まで迷うことなく突き進み、その大きな口に溜められた蒸気の塊ごと剣で切り裂いた。


 飛龍は頭から蒸気を噴き出し、力なく吼え、蒸気となり消えていく。




「やった! やったぞハイラ!」


「やりました……! 私初めて蒸気モンスターを倒しました……あなたのおかげです!」



 アプティに列車の屋根に着地してもらい、ベスをねぎらう。



 ハイラが車輪を横付けし、俺に飛びついてきた。


 抱きつかれ驚いたが、ハイラは震えながら泣き嗚咽を漏らす。


 初めて倒した、と言っていたか。相当緊張していたのだろう、よくやった、頑張ったなハイラ。俺は優しく頭を撫でる。




「──無事でなにより。行こうとしたら、アプティが先に出たから……ね」


 見ると、ラビコが覚醒状態で紫の光を放ち仁王立ちしていた。


 顔に笑顔は無い。



「……う……」


 アプティが胸を押さえ、しゃがみ込む。


「アプティ、どうした! ケガを負ったのか!?」


 俺が手を掴むと、アプティは気を失ってしまった。




「車内に戻ろうか。話はそれからだ」


 ラビコがコートを翻し、ハイラに車輪を使って俺達を運ぶように指示を出す。


 車内に戻ると、ロゼリィが泣きながら抱きついてくる。


 悪い、心配かけた。



 

 ロゼリィが連絡役をしてくれたおかげで、車内は物に掴まるように案内を出せ、けが人はいなかった。列車の屋根の破損も、今のところ走行に支障はないが、次の駅で緊急補修するとのこと。





 アプティを背負う俺の横でラビコがロゼリィとハイラに指示を出す。


「ロゼリィ、お湯を頼めるかい。ハイラは部屋の前で待機。誰も部屋に近づけさせないように」


 二人は返事し、行動する。




 借りている個室に入り、アプティをベッドに寝かせる。


「ラビコ、アプティはどうしたんだろう……苦しそうにしている……」


 アプティは冷や汗を流し、眉をひそめている。



 ラビコが杖をアプティに突きつけ睨む。


「な、何をするんだラビコ!」


「何をだと? 私は敵に容赦はしない。だが、私の男の命を救ってくれた恩はある。特例として、ここはパーティーのリーダーの指示に従おう」



 蒸気モンスター。


 口から蒸気を吐き、人々を襲う。今までに多くの命が奪われたと聞く。



 街を守る戦いでも多く被害を出し、銀の妖狐というラビコですら敵わない化け物も現れた。


 先ほどの行動、アプティは口から蒸気を出し、力を発揮していた。


 だが、アプティは今まで人を襲っていない。むしろ俺を助けてくれた。




「…………アプティは俺の指示ではなく俺を助けてくれた、その行動を……信じたい」


「ふん、甘いな。こりゃー今後お子様のお前の側からは離れられないな。あとさっきの行動だがな、覚悟はご立派だが、簡単に死を選ぶな。命の数は天秤には掛からない、お前を想う者の気持ちも考えろ。お前がいなくなったらベスはどうなる、ロゼリィはどうなる、そして私はどうなる。お前はこのパーティーのリーダーなんだぞ。将がいなくなれば隊は全滅となる。お前はどんなときも生き残り、隊の将として立たねばならない。お前は王の力の持ち主としての自覚を持て」


 はは、その通りだ……俺は甘いな。


 考えも、行動も。



「俺が立派な大人になれるまで側にいてくれ、ラビコ。俺は君からもっともっと教わりたい。だめかな……」


 そう俺が言うとラビコは杖を降ろし、俺に近づいて来る。


「告白か? それは私への愛の言葉と受け取るが……。子供を卒業したいと言うのなら今すぐにでも協力しようじゃないか」


 ラビコがニヤニヤしながら俺に体を密着させ絡みついてくる。ひぃっ。




「はは、冗談だ。今はアプティの対処が先だ、ホラよ取ってみろ」



 水着の左胸が妙に膨らんでいる。片方だけパット入れたのか?


「蒸気モンスターは魔力を求めている。彼等はどうやら力を使うと魔力を激しく消耗し、限界まで使うと動けなくなるらしい」


 それはいわゆるMP切れ、か? 


「ようするに腹が減って動けない状況に近いのじゃないかと思う。それでは腹を満たすようにご飯を与えればいい、そういうことだ」


 ふむ、でもそれとラビコの胸と何が関係あるんだ? 分からんぞ。


「ここに魔晶石を挟めた、それもとびきり高級な奴をな。これを与えればアプティは元気になるだろう。敵へ施しをしたくない私の抵抗を突破し勝ち取ってみろ……はは!」


 ラビコはニヤニヤしながら自分の胸を突き出してきた。


 左胸の膨らみはそういうことか。


 ぬ、ぬぬ、俺はやってやるぞ……アプティを助けるんだ。


 そう、人助けなのだから、これは仕方が無い。仕方が無いんだ!



 俺は右手を構え、狙いを定める。緊張からくる震えと汗が止まらん。


 やってやる……俺はやってやる!



「どうした? 女の胸に自ら触れるのは初めてか? ホラ、早く水着の下に手を入れて生であれこれしてみろよ、あはは!」


 くっ……バカにしやがって! みてろよ。


「早く……ん?」


 俺はラビコの背中に左手を回し、水着のホックを一気に外す。


 ネットでこういうブラの外し方的な知識は豊富に仕入れてあるのさ! 参ったか!



「わわっ!」


 ラビコの胸を包んでいた水着が地面に落ち、一緒に綺麗な紫の魔晶石が落ちてくる。


 俺はあらわになった胸を見ないように石をキャッチ。



「てめぇ……慣れてやがんな! 誰だ! 誰で慣れた! 言え!」


 ラビコが胸を隠すことなく俺に詰め寄ってくる。



 か、勘弁してくれ……。






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