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百十四話 そうだ、王都へ行こう! 9 現実男祭りと想像温泉回様


「ふいー疲れが取れるなー」



 乗車まで時間があると聞き、ロゼリィがじゃあお風呂お風呂騒いだので近くのお風呂屋さんに来た。


 ここは本物の温泉か、こりゃーいいな。


 色は乳白色で綺麗だなぁ。




 周りを見渡すと丸太みたいな腕の男、一瞬熊かと思うような屈強な全身筋肉男、背中の筋肉が芸術作品のような男……え、こういう裸の男祭りの感想はないほうがいいのか。


 つっても他に無いぞ。


 女湯? 見えねーって、見てーけど。



 石鹸で頭を洗い、腕、胸、と泡をつける。俺の俺も丁寧に……だから俺の裸しかサービスはないって。見てくれ、最近筋トレで腕っ節も少しついたんだぞ?


 ……分かった、分かったよ。じゃあ想像な、想像してみよう。




「相変わらずでっかいな~ロゼリィは~なんで隠すんだい~見せ付けてやれば男なんてイチコロなのに~」


 ロゼリィの裸をニヤニヤと舐めるように見ながらラビコが言う。


「い、いやです。見せたい相手は一人ですから、普段から見せるような格好はしません」


 ラビコはロゼリィに抱きつき、あちこち触り始めた。


「あっはは~でっか! こりゃ~社長は満足出来そうだな~」


「ひい! やめなさいラビコ! あなたも十分大きいでしょう!」


 ラビコが自分の胸をロゼリィ、アプティ、ハイラと見比べる。


「ハイラには勝ったか~ならいいか~」



 ハイラは自分の胸を隠し、真っ赤な顔になる。


「うわわっ……お、大きさとか関係ないですよ! 心です! 心が大事なんですぅー!」


 騒ぐ三人を眺めながらアプティがボソっと言う。


「テクニック……それが全て……」




 想像はこんなじゃないか。


 さて現実の男祭りの再開だ。





「お待たせ~社長~ホラホラ~見て見て~私のしっとり肌~あっはは~」



 温泉施設のロビーでソファーに座って待っていたら、ラビコが体から湯気を出しながら俺に抱きついて来た。うっは、柔らかくていい香り……これはたまらんぞ。


「こら、ラビコ。公共の場だぞ、やめとけ」


「ふぅ~ん? じゃあ列車の個室に入ったら何やってもいいんだね~? 個室だし~」


 ラビコが俺に手足を絡ませながらニヤニヤ笑う。


 さすがにラビコも旅で普段よりテンション高いな。



「お茶買って来まし……何やっているんですかエロキャベツ!」


 ロゼリィこと強者のオーラを放つ鬼が爆誕。


 俺の左側に座り、ラビコの手を引き剥がそうと奮闘する。笑いながら抵抗するラビコ。


 挟まれた俺は山のようにどっしりと構え、愛犬ベスを膝の上で撫でる。




「うわわ……なんですかこの異空間は……」


 ハイラインさんが真っ赤な顔で俺達を見ている。


「……マスターの日常はこういうものです……」


 そう言ってアプティが後ろから俺の肩を揉んでくれる。



「支配者……支配者なんですね!? きっと怪しい薬を使って純真な乙女達を操って……ひっ!」




 ラビコの投げたタオルが顔面にヒットし、ハイラインさんはうずくまった。






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