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百一話 ジゼリィ=アゼリィ収穫祭 ロゼリィの暴走様

 

  異世界では一分はチラ、とは言わないらしい。



 一分なんて二、三秒だろ? 


 眺めているときは夢中だから、時の流れが外界とは変わる。


 人は誰でも時を操ることが出来るのだ。






「いやーラビコ姉さんと飲めるなんて夢のようだ! しかしずっと水着なんすか! いやーたまんねーっす!」


「あっはは~イケメンになったな~レセント~モテんだろ~?」


 ラビコとレセントがお酒を飲んでいる。


 姉さんと言っているが、シャムによるとレセントのほうがラビコより年上だそうだ。尊敬を込めた呼び方なんだと。


「全然っす! ほとんど漁船生活なんで出会いとかないっすよ! それに俺はラビコ姉さん一筋なんで!」


 レセントはかなりイケメンだぞ。


 太陽に焼けた肌、漁船の過酷な労働で鍛えられたたくましい筋肉。普通にモテそうだが。



 俺達は差し入れをくれた海賊兄妹をもてなすため、食堂の一席を囲んでいる。


 俺の左にロゼリィ、右にラビコ、アプティがロゼリィと俺の間に入ってこようとしたが、ロゼリィがアップルティを渡し平和的ワイロでロゼリィの左に座っている。向かいにレセントとシャム。



 ああ、海賊海賊と俺が言っているが、普通に漁師さんな。


 格好が海賊だから、つい海賊兄妹と言ってしまうが。


 シャムもまだ子供だから目立たないが、かなりの逸材。この子、五年後とかすごい美人さんになっていそう。



「うわ、うわ。熱い視線を感じる。服を着ているのに中を見られているような感じ、感じ」


「あ、それ~分かるな~社長の視線って~体の奥に来るんだよね~それが王の眼なのかな~」


 ラビコが俺の目を指してくる。王だのなんだの知らないが、普段の俺には全く恩恵がないんじゃ意味無いぞ。



 ロゼリィがむすっとマグロのお刺身を次々口に運ぶ。




「マスター……あーん……」



 アプティがマグロの切り身を箸で俺の口元に運んできた。


 ロゼリィを飛び越えて腕を伸ばすというアクロバティック。アプティはいつ帰るのかな……もう普通にここにいるけど。


「あ、ありがとうアプティ……うん、うまいよ」


「そう……」



 ロゼリィが引きつり笑顔。


 ガタンと立ち上がり、ラビコのところにあった紫の液体の入ったコップを一気に飲み干した。


 た、多分子供用ワインじゃないかな、あれ。そう、イケメンボイス兄さん特製子供用ワインに決まっている。


 テーブルについていた俺達が唖然とする中、ロゼリィは口の端から紫の液体を漏らしながら上着を脱ぎ始めた。


「うわっ! アプティ抑えろ!ラビコ! コート貸して……」


 俺が慌てて指示を出すが、間に合わずロゼリィが水着を着た上半身をさらす。


 水着……よかった……。


 しかしいつもの布多めではなく、かなりきわどい水着。ロゼリィは絶対着ないようなやつだぞ、これ。



「うふふふふふふふ……これ、買っちゃいました。どうでしょう、相手を一発でメロメロにする魔法がかかっているそうです……うふふふ……さぁ、さぁ!」


 ロゼリィがグイグイと俺の目の前までその水着を近づけて来る。


「ふふ……収穫祭が終わったあとの気分が高まった状態のときに一気に攻勢を仕掛ける予定でしたが、もはや許せません! さぁ……さぁ!」




 ほ、ほっぺに当たってます……! ロゼリィの様子が何か変だぞ。






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