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練習

 冒険者といってもまだ小さな子供の僕には姉さんは選んだ雑用の様な依頼しかやらせなかった。最初はギルドでのやり取りを学ぶこと。ギルドでの護身術などの体術格闘術の訓練。最後に魔法を同じ魔法使いに教えてもらった。姉さんの狙いは早いうちから類稀な魔法の能力を伸ばすことにあった。しかしおそらくリックの高すぎる才能に見合った魔法使いにめぐり合えないと姉は考えていた。それゆえある程度伸ばしたら報酬の高い依頼での実践を想定していた。だからこそのその他の部分を学ぶ場所として最適として捕らえてた。


「リックって子供っぽくないわね…」


 姉は意外な一面をそこで知る事になる。リックはその他の部分も2桁いかない年齢の子供とは思えない対応力を持っていた。リック自身は姉の期待とは別にそりゃ知らない事だと言え数日したら大人だからある程度慣れると当たり前に受け止めていた。ただリックにも当たり前で無い発見が多々あった。様々な雑多な依頼で野山を姉と駆け回ることが多かったリックは植物や動物など日本との共通性がある事に気がついた。自然と日本語で名前が出てきて曖昧だった過去の記憶がどんどん広がりを持った世界として把握できるようになっていった。


 他にも発見があった。リックはウインドウを使って様々な格闘技を使いこなすことが出来た。ただ単純な動きが多くてそこをそういった型に嵌らない格闘になると相手に隙を突かれる事が多くその部分は自らの体で覚えて修正していくことが出来た。それでも彼の動きは子供の平均レベルを超えたいた。ウインドウは呪文リストだと思い込んでいたけど。実際はもっと幅広い様々なスキルのリストになっていた。当初考えていた魔法との関連についておかげで疑問が生じていた。


 しかし、時間の経過とともにそういったスキルもある意味魔法の一種だと分かってきた。自分の体をまるで魔法によって動かすという感じなのか?とリックは推測していた。明確にこうだと分かるものじゃないが体が何かの力で動かされてるという感じがどうしてもそういったスキルを使った場合感じてしまう。自らの体が覚えるというより、元あった魔法に微調整していくという感じがイメージと近いと思う。まるでそれは魔法の糸による操り人形のようであった。違和感を感じたリックは、スキルとそれらを使用しない素の体の訓練を分けてやっていた。そこで分かったことは素の体の訓練はどこにでもいる幼児が学んでいくのとさほど変わらなかった。これによりやはりスキルは魔法によるものじゃないか?との確信を得ていた。


 魔法に関してはすぐにギルドの中で一番魔法使いだと認められるほどになっていた。そもそもここに来る時点で自分のレベルはこのギルドの平均以上の魔法使いだった。はっきりとした形で成長したと感じたのは、ウインドウに新しい魔法が追加された。元々姉からすれば見た事も無いような高いレベルの魔法を使っていてそのどれもが同じ魔法でも効果が上だった。知らない事を様々知って、専門の魔法使いによる経験則を吸収して、このギルドでも誰も使った事無い魔法がウインドウにどんどん追加されていった。


 ただ自分としてはどうしても身体が基本の体術のレベルはスキルを使った場合は相当なハイレベルだったけど、そうじゃないとお子様レベルなので全く使い物にならなかった。ただ教えてもらった人は2つの違いを全く気がついてなかったけど。そもそも根本的に子供の体じゃたいした攻撃にならない。あくまで防御主体で魔法の隙が出来る接近戦に巻き込まれたら?程度の意味しかなかった。あくまで自分の最も重要な武器は桁違いの魔法によるものだった。


「リックがすごい子だとは分かってはいたつもりだった。それでも心配してるって分かってるかな?」

「どういう事?」

「うーん、私が勝手にあれこれ考えてるだけかもしれないけど、あまりに器用にこなすからもしかして退屈な事ばかりさせてると思われてるかな?って思って」

「ええ逆だよ。普通こんな小さな子を冒険者として使えるようにしようって考える姉さんって変わってるなと思ってたのに」

「ええー、リックって本当に子供らしくないー」

「怒られるとは思わなかった…」


 僕は姉さんが怒ってるとは思ってなかったけど、変な子に対してどうして良いか?良く分からないような声色を感じ取ってしまった。


「怒っては無いんだけど、リックって魔法を使い始めてから何か性格変わったと感じる。成長って言うんだと思うけど。前はもっと当たり前に子供だったんだけどな…」

「姉さんが天才天才っておだてるからだよ。冒険者の習い事のような事をしてて僕自身姉さんのいう事が分かってきたけどね。なんとなくそれで意識してしまってるのかもしれない。ただね姉さんだからって何でも出来るようになろうなんて無理して無いからね」

「そういう所が子供っぽくないのよー。もっと子供らしく舞い上がってくれて良いのに…」


 別に姉が不快に思ってるとかじゃないのは良く分かった。ただどう接して良いか?良く分からないって思ってる部分はあるのを感じてしまう。


「おそらく姉さん、僕に子供として無理させないように気を使ってるのが空回りしてるんじゃないかな…」

「ひどいよ、そこまで分かってたなんて」


 なるほど確かに姉さんが最初言おうとした事と繋がってる。


「いやいや今の会話の流れで分かっただけで、簡単すぎて嫌になるほど退屈な事させられてるななんてのは思って無いから」

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