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冒険者へ

 段々姉さんの言いたい事が分かってきた。


「なるほど、神のお告げ?どうやってより効果的になるように変えれば良いか?が分かってしまう。だって僕天才なんでしょ?」


 天才で片付けてしまえと開き直った…。


「ちなみにこれ間違って無いよ…。魔法を学んだ人は皆そうなるから。リックが矛盾してるよりも、私が間違ってるか?のように言ったように感じてそれは絶対にありえないから」

「多分ね僕の方が効果的だし正しいんじゃないかな…。実はねもっと前に姉さんと僕の呪文違うのに気がついて、姉さんの正確な呪文も唱えてみたんだよ。そしたら明らかに魔法の効果が落ちてしまったんだよ。ごめん姉さんが学校で間違って覚えてしまったんじゃないか?と考えてしまいました」

「性格的にはちょっとそれ何か言いたい事がある…。最近リックって妙に大人びた性格と思考になってきたよね?そりゃ成長するもんだからそういうものかと思ってた。でも今の聞いたら何かリックおかしな成長をしてるんじゃないかと…」

「ごめんよー姉さん。本当に霊感天啓のようなものでピンと来てこっちだと変えてしまえるんだ」

「リックは本当に天才なのかもしれない。実はリックには難しいと思って言わなかったけど、呪文の言葉が違ったり発音がちょっとおかしかったりすると魔法って微妙に変化するんだよ。些細なことだからそれほど重視することじゃなくて、人間個人差もあるし、そんな完璧じゃないからそういうものだとしてあんまり取り上げられないことなんだよね。それを直感的に分かってしまうんだね」


 姉さんは僕の真似をしてみたけどどうも僕の様に上手く行かない。しかも姉さんは姉さんが覚えた一般的なものの方がよっぽど高い効果をはっきりする事が分かって僕だけの独自の呪文になってしまった。姉さんとそれは不味いのかも?と考えていろいろと試してみたけど、すべてにおいて僕の呪文の方が効果的でその正しさを認めざる得なかった。ただ僕はこの経験で状況に応じて一般的な呪文も覚えておいたほう良いと思ってそれである程度姉さんと妥協した形でこの話は終わってしまった。


 ただ僕の天才性を姉さんが強く認識する事になるのはもっと違う出来事だからだった。


「猛々しく荒れ狂う紅蓮の炎よ嵐となりてそのすべてを燃やし尽くせ、ファイヤーストーム」


 そう述べると姉さんが見た事が無い高位のかなり強い炎の魔法を僕は使って見せた。何が一番姉さんを驚かせたかと言うとこれは姉さんが知らない魔法だった。低位の魔法はファイヤーとかそんな感じで単語単位で放つだけで片付いた。しかし高位の魔法はそうじゃない。魔法名だけじゃ発動できない。


「これ何?」


 いやー僕の方こそまいった…。実はウインドウに使ったことが無い魔法が合ったので唱えてみた。それ言え無いよな…。


「姉さん僕はね頭の中で呪文が浮かぶというより、まるで呪文がそらに浮かぶように自然と見えてしまう」


 嘘は言ってなかった…。ウインドウってそういうものだから。


「何もかもが私と違う。まだ魔法学校には早いから私と一緒に冒険者としてパーティーに入る?」


 姉は冒険者の仕事が危険なことは分かっていた。しかし、この子の才能は絶対に伸ばさなくてはいけないと使命感の様なものを感じてしまった。何より私よりこの子の方がレベルが何倍も高い…。元々姉は魔法使いでは無い。回復系の魔法を得意として系統が違う。だからファイヤー系の魔法は初歩レベルしか使えない。それでもリックが桁違いの魔法使いであるのはすぐに分かった。桁違いの魔法使いになる素質じゃない。すでに冒険者レベルなら桁違いの領域に来ている。確かに最高の魔法使いとかそんな話では無い。呪文の事は分からなかったけど、自分の所属する冒険者ギルドでこんなすごい魔法を使う魔法使いを見た事が無いからだった。子供だからと資格が無いならギルドのメンバーすべてに資格が無い。


 両親が居ない僕は姉が仕事の間近所の人や近くの親戚に預けられることが多くて寂しい思いをする事が多かった。意地悪な人達だったとかじゃない。両親が死んだことで、まだ幼い僕と大人とはまだ呼べない姉の二人暮らしになってしまった僕ら姉弟を不憫に思って親切にしてくれる人に囲まれていた。ただそれでも僕の中で姉さんは特別だった。その姉さんと居る時間が増えるというのが嬉しかった。


「うん、僕も冒険者になりたい」

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