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チフル村

 情報収集のために酒場などにも良く立ち寄った。そろそろ僕も酒場に来てはいけないお子様じゃなくなっていた。


「マスター情報が欲しい。まおうさまの図書館って聞いたことが無いだろうか?」


 マスターが金額を口にするとすぐに僕は支払った。知らなければそんなお金は要求しない。酷い店だと嘘を情報量として騙し取るけど、正直僕はこの情報に関しては偽者をつかまされても怒る気がなかった。それほどまおうさまの図書館は秘密の場所だった。うわさだけはどこへ行っても聞けるのだけど。


「ここからかなり遠いけどチフルってあまり知られて無い辺境の村がある。まおうさまの図書館はどうやらそこにあるらしいというのを聞いたことがある」

「マスターちょっと質問して良いかな?」


 また金額を要求された。普段なら払わない悪質な詐欺のやり方と良く似てるからだ。サービスで2,3なら答えてくれるのがこの手の常識だった。じゃ何故?こんな具体的だったのは初めてで、どうして見つからないのか?って疑問にすっきりした返答だったから。おそらくその場所は情報が漏れるのを防ぐ場所にあるとあたりをつけていた。なおかつそれは管理されてるわけじゃない。情報が拡散しない理由があるはずだと見ていた。人の行き来が少ない場所だと底から結論付けていた。まさにその条件にふさわしかったから。


「マスター、やけに具体的だが何故なのか?僕がこれまで得た情報ではまおうさまの図書館関係は、大半が雲をつかむような曖昧な話ばかりだった」


「まおうさまの図書館の情報をいくつか聞いてきてその中でこれだけやけに異質だと思ってたからだよ」

「じゃ他にもあるのかい?」


 マスターはまた金を…。この程度でもかよと思ったけど、それでも質問したのは手ごたえがあったからだった。後遠い場所だから確実な情報だって確信が欲しかった。


「他のは重要じゃないと感じて忘れてしまったんだよ」


 シンプルだった。でもそれで良かった。いい加減にも聞こえるが、自分と感覚が似てた。そうなんだ今回突っ込んで聞いたのはいつもと違ったからだ。マスターのそのカンに賭けて見たくなった。


「マスター貴重な情報を有難う。何かの話のネタになるかもしれないから名前を話しておくよ。竜殺しの魔法使いリック・グラハムが探してたと覚えておいて損は無いと思う」

「あの竜殺しがまおうさまを探してたのか、覚えておくよ。情報料は必要かい?」

「いや良いよ」


 正直言えばちょっと恥ずかしかったが、あの2つ名自分が何者か証明する時には、すごく使えることに後から気がついた。姉さんへの失恋でやけになった思い出だからあれ恥ずかしいんだよな…。竜殺しは子供だと言う話がついてまわるのが大きかった。ただ今の僕はもう子供と言える年齢じゃない。それでも若いのは確かだと思う。多分若い冒険者で僕の偽者居るんだろうな…。


 道行く先々でチフル村の情報を集めたけど、様々な手段使っても最速で1週間は掛かるらしい。ただドキドキしながらも不安になったのは、チフル村にまおうさまの図書館があるって情報はマスターの話だけだった。ただマスターの話を疑ったわけじゃない。そもそもチフル村ってどこにあるか?とかどのぐらいとかかなり曖昧な情報しかなくて、逆に情報の少なさがマスターの話しの価値を高めていた。情報が漏れないって条件を満たしていたから。


 恥ずかしい話だが、行く先々で魔物退治とかして何か感謝されてしまった。おかげで食費や宿には寂れた場所ばかり行ってたのにとめてもらって食わせてもらって寝てたので全く苦労しなかった。なんでこんな寄り道してたのかと後から考えてみると多分期待半分もう半分は期待してなかった。急いで先を焦るなんて気持ちがさっぱりなかった。ここまでじっくり待ったんだ。これからものんびり探せば良いやって気持ちになっていた。初めてまおうさまの図書館を知ってからもう何年もたつなって考えると焦る気持ちが消えうせていた。もう自分の中でライフワークの中に組み込まれていた。


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