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それぞれの道

「姉さん僕行かないよ。このまま冒険者になるつもり」

「だから心配しなくて良いんだよ?」

「姉さん大事なことを忘れてるよ。僕の滅茶苦茶な呪文は多分物議を醸すよ。姉さんが一番それについて分かってるはずじゃない…。僕ら二人の間の肉親としての関係じゃないんだよ。ちゃんと言葉で説明し無いと駄目な場所なんだよ。そうか姉さんは多分分かって無いんだな。僕はわざとあの不細工な魔法を使って誤魔化してるんだよ。そのごまかしも高等教育機関じゃ通用するのか?疑わしいよ」

「あなたそんな事考えていたの?」

「うん、ジョンを怒らせたかったわけじゃなくて、ああいったソロ用の魔法格闘術って多分パーティー以外でも使えるし、今のパーティーじゃなくても柔軟に対応できるから。将来的に冒険者として確立するためにずっと考えていた」

「そっか大きなお世話だったかもしれないわね。ただね姉さん別にあなたのために結婚するわけじゃないからね?何故今なのか?は間違いなくそれが理由になるけど」

「ただ姉さん有難う。実はね僕研究者になりたかったんだ。お金だけの事なら感謝してたと思う。僕はさそんな事より僕が姉さんを嫁にするんだって思ってたんだよーー」

「はいはいリックは可愛いね」


 軽く流してくれたけど、結構僕本気で失恋だった。かなりショックだった。姉さんとずっと生きていくと思ってた世界が壊れてしまった。ただなんとなく僕が独り立ちするときそれは壊れてしまうのかも?は考えていた。すぐに姉さんは冒険者をやめるわけじゃないと話してた。ただ以前ほど危険な依頼は避けるつもりだと話してた。ジョンをリーダーとした僕らのパーティーはもう以前の様には見られて無い。僕はどこから相手されないから今のパーティーに居るわけじゃない。このパーティーが純粋に優れてるから移動したくないだけだった。


 卒業の日が近づいていた。ただ僕はこの学校に深い感慨の様なものはなかった。結局この学校出えたものは2人の親友だけだった。姉さんのいった事は分かる。ただ将来魔法使いと触れ合ったり書物を読めば多分簡単に吸収出来る事ばかりだった。特に酷いのは、他の学科だった。敢えて何かメリットを言うなら僕はこの世界の知識水準の恐ろしい低さだけ分かった。小学校の高学年で高い教育水準の生徒が生まれるわけだ…。


「シセル、ウィリアム、僕は高等教育機関には進まない。でも君たちの事は親友だと思ってる。僕はギルドで冒険者になるつもりだけど、魔法の事で分からない事があったら二人を訪ねて良いかい?」

「もちろん」

「当然よ」


 二人の約束を取り付けれたとはあまり思ってなかった。この先二人との知識差が深まるだろう。以前の様に僕を見てくれるか?僕はいざとなったら切り札を使うつもりでいた。実を言うと姉さんより二人の方が話が通じるかも?しれないと思う見込みが合った。ただそれにはまだ材料が足りない。様々な経験をしてそれを補っていければ良いと思う。そして僕はあまり有意義だったと思えない魔法初等教育を終了した。


 1年ぐらいは今のパーティーのまま僕らは依頼を受けていた。ただこの期間重要な変化があった。ジョンがソロとして依頼をこなす事が多くなっていた。以前の彼とはまるで違っていた。ラッシュも同様に別のパーティーでの依頼が多くなっていた。しかも彼はまだ体が大きくなった。当たり前だろう。彼はまだ僕とであった当時今の僕に近い年齢だったんだから。後は僕だろう。僕は誰も10才の子供として扱ってなかった。名実共にギルド最強の魔法使いになっていた。ただちょっと謙遜するならこのギルド魔法使いのレベルが低い。魔法使いは人気が無い。優秀な人は大体研究機関に行ってしまう。それは魔法が多岐に渡って使えるもので、決定的に使えないのが回復などの治癒の領域だった。例えば魔法を使う事で力仕事などの効率を上げることも可能で、空を飛ぶ魔法もあり彼らの移動速度はこの世界の通信としては最速で誰もが魔法使いなしには郵便通信の業務を行うことが出来なかった。国家機関だけの特別な組織だった。ただ彼らを育てるために高いレベルの教育機関が必要だったし、日進月歩で進む魔法の技術の開発に高いレベルの研究機関が必要だった。


 剣と魔法の戦闘重視の魔法使いは実はあまり高く見られて無い。ただ一つの例外を除いては。国家間の戦争レベルでは高いレベルの戦闘系の魔法使いは重宝された。ただそれらも高等教育機関を経たもので冒険者からその地位に出世した人はまずいなかった。何故ギルドで魔法使いの地位が低いのか?はそういうことだった。優秀な魔法使いは皆冒険者をやらないからだ。冒険者と言うのは逆に言えば子供の魔法使いの見習い期間だとも言える。じゃ何故僕があまり重視されなかった?でいくらなんでも幼すぎたから。ギルドで優秀な魔法使いは例外なく、子供メンバーがそのまま仕事になってしまい高等教育機関でオチこぼれて辞めてしまった魔法使いと相場が決まっている。


 理由あり最強魔法使いの誕生と言うわけだった。多分僕は世界最強だと思ってる。それはこれ反則だよってぐらいとんでもないクラスの魔法が初期に較べるとどんどんリスト化されていったから。パーティーでは使ったことが無いがこっそり使ったことがある。100人ぐらいの人間なら一瞬で消滅させられると思う。なんでこんな事になってしまったんだ?僕は自分が怖いぐらいだった。謙遜したのは、僕はギルドに知れ渡ってる力量ははっきり言って僕の水準から言えば大人と赤ん坊ぐらいレベルが低いから。その程度でギルド最強だから。


 その気になればドラゴンクラスを一人で倒せると思う。ただ僕はこつこつと別パーティーでの依頼をこなしていた。実力を見せたくないからわざとパーティーに入っていた。


(日本語最強だよね…)


 桁外れの自分の強さを見せられない面倒くささを感じて、やや自虐的にそんな風につぶやいていた。

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