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少しオトナな表現があります。
ブンガクの範疇だと認識していますが、
嫌な人はスルーしてくださいね。
愛ちゃんは目を閉じて、顔を少し上に向けた。
僕は少しだけ、ほんの少しだけ迷った。
愛ちゃんに対して
好意以上の気持ちを持っていたかと問われたら、
うなづくことはできない。
そこにあったのは、愛情ではなく、
性的興奮にすぎない事は、
自分が一番分かっていた。
僕は呼吸を整えながら、
愛ちゃんをしっかりと抱き寄せた。
愛ちゃんは、されるがままに、
僕にピッタリとくっつく。
その顔はほんの子どものようでも、
成熟した女のようでもあって、
僕の理性を失わせた。
僕は、愛ちゃんの淡いピンク色の唇に、
そっと自分の唇を重ねた。
愛ちゃんはいつの間にか目をつぶっている。
しっかりと結ばれていた唇は、
僕が舌先で軽くつつくと、
すっと受け入れてくれた。
それがあまりに自然だったので、
僕は少し驚いた。
初めてじゃないのかもしれない、
そう思ったのだ。
僕たちは唇を重ねたまま、
客席の長椅子にどさっと倒れこんだ。
しばらく僕と愛ちゃんは、
お互いの体温に、
ただ、戸惑っていた気がする。
愛ちゃんは、目をつぶったままで、
僕の次の行動を待っていた。
と、僕は勝手に解釈した。
僕は本当にすごく迷いながらも、
愛ちゃんの膝に手を伸ばした。
薄いブルーのフレアースカートは、
まるで僕の指を誘うように、
少し揺らめいた、そんな気がした。
僕の指はゆっくりと愛ちゃんの柔らかな太ももを
這い、僕の意志を無視するかのように、
いや、僕の意志どおりに、
愛ちゃんの核心に辿り着く。
愛ちゃんはずっと目を閉じたまま、
少しだけぴくりと身体をよじらせた。