抜け落ちた記憶
「クロマー!」
そう呼ばれ、我に戻った。
「…ミナ?」
ミナが向こうの方で、手を振っているのが見える。俺はなにをしていたんだ…?
「く、くろま…」
隣から声が聞こえ、横を向くと、少し離れてシノリがいた。
「シノリ、どうかしたか?」
「私たち、なにしてたっけ?」
え? あれ? …なにも思い出せない。少し前のことなのに。
「歩いてた…はずだ」
当てずっぽうだった。
なにか、重要なことを話していたような気もするし、黙々と歩いていただけのような気もする。
なんだ? なんなんだ…?
「クロマ、やっと会えたね!」
色々考えているうちにミナが近くまで来ていた。
「クロマ?」
「ミナ…」
この顔は…ユナか? あれ? どっちがどっちだったか。
それにしても頭が痛い。
「クロマ、大丈夫?」
「あ、ああ。なんとか」
「で、誰に会ったの?」
…誰かに会っただろうか。覚えていない。
「完全に忘れさせられてるね。あの人がいないことには人間側には勝利は見えないんだけど。いずれ仲間にできればいっか」
「ユナ…」
「クロマくん、大丈夫だから。私はクロマくんの味方だよ」
「あ、ああ」
「まあ、私は違うかもしれないけど」
「なに言って…?」
「ふふっ。クロマは素直だねえ。可愛い」
「なに言ってんだよ。なんだ…? 」
ペタペタ、ユナが…ああ、ミナが身体を触ってくる。
「いや、あの人が何かしてるかもしれないから」
「あの人?」
「気にしなくていいよ。いずれ知ることになるから」
もやもやとした気持ちがもどかしかったが、ミナに言及しても応えてくれないだろう。
「よし大丈夫。吸血鬼化も解けてるし」
「ほんとか?」
「うん。でもなんでだろう。あの人がこれを解いたなんて…。クロマ気に入られたんじゃない?」
「は? 何の話だよ」
ミナは微笑んで、何も答えてくれなかった。
「クロマ、先に行って他の人と合流してて。私はシノリを診てから行くから」
「わかった」
俺は何も思うことなくそれに従った。
そういえば、キャラ紹介が無かったので、この次に入れたいと思います。




