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Blood-stained vampire  作者: ココロ
第一章 鬼の襲撃と地下での出会い
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狙撃手と、仲間。

「おいシノリ!」

シノリのいる民家の屋根のところまで上がって、シノリを呼んだ。

「くっ! クロマも早く逃げて!」

「何言ってんだよ! シノリも逃げんだよ!」

「だめ! 私はここでこいつと」

「いいから来い! 俺はお前の我儘でお前を失いたくないんだ! だから、聞いてられないんだよ!」

「じゃあ! こいつどうするの! この正体不明をどう処理するの!」

「うるせえぇぇ! いいか、お前は俺の仲間だ。なんと言おうと俺はお前を連れて行く。分かったか」

「絶望を味わうくらいなら、分からない方がマシなの! あれに殺された方が楽だよ。きっと」

「…そうか、でもな! お前がここで死んだら、物語は終わっちまう。お前は王将だ。そして俺が玉将。偽物が本物に挑むための物語のはずだ。俺はお前に勝たなきゃいけないんだ」

「な、何言って…?」

「ここで、シノリに死なれると困るんだ!」

「知らないよ!」

「…じゃあ、教えてやるよ。アレと戦ったところで、成るのは吸血鬼だぜ?」

いや、分かんねえけど。兎に角、シノリを逃がさないと、そう思って口が勝手に言った。

「え…? でも、あれは…吸血鬼?」

「選べ!」

急に大きな声を出したからか、ビクッとシノリは全身を震わせる。

「あれにやられて俺らと戦うか、今逃げて吸血鬼と戦うか。二つに一つだ!」

「…逃げない。私は絶対に」

「…シノリ!」

「でも、一人じゃ、あれには勝てそうにない。だから、これは戦略的撤退。に、逃げるわけじゃないからね!」

かわいい。不覚にもこんな場所で、こんな事態にそんな事を俺は思ってしまった。

「じゃあ、遅れたが逃げるぞ!」

「戦略的撤退ー!」

「悪い悪い」

村を抜け、通路に入った。

「シノリ!」

「分かった。共鳴せよ。『白猫』」

「先輩たちはどっちだ?」

「んー、こっち!」

「よっし! 走るぞ!」

ふと、後ろを振り向くと、闇が来ていた。

「くそっ。シノリ急げ!」

「十分急いでるよ!」

その時だった。左右を上下を闇が覆った。

「逃げないで」

突如、闇から声がした。

出処を探していると、闇が一箇所に集まりはじめ、やがて人となった。

「やっと会えた。ミヤノリクロマ」

俺は見知らぬ女性から名前を呼ばれ酷く驚いたが、見ると、シノリも驚いた顔をしていた。

「おっと、自己紹介がまだだったね。私はハセガワミユウ。円卓の騎士の七番目の人間さ」

「円卓の騎士…?」

「あれ? ここに来たってことは知ってるのかと思ってたけど、案外当てずっぽうでここまで来たのかな?」

「吸血鬼追ってきてたらここに」

「あー、あのヤクザみたいなあの子らね」

「ヤクザって…」

「じゃあ、私を追って来たわけじゃないんだね?」

「そうてすね」

「ふーん。なら吸血鬼化、止めよっか」

そういうと、ミユウは闇から剣を作り出した。

「終われ。『月夜見(ツクヨミ)』。…ん、これで元通りのはずだよ」

その言葉に驚いて、表裏を抜くと、いつも通りの…って、正直、さっきとの違いが分からなかった。

「まあ、私にとって君たちは脅威じゃ無いし、話そうか? 色々と」

どうやら、そうだ。ミユウにとって、俺とシノリなんて、赤ん坊も当然なのだろう。小指一本ってか。

「いやいや、クロマ、そこまで行かないよ。そうだなあ、右手は使うよ。君たち二人と、奥にいる数人を含めて、ね」

「そう、ですか…」

読心術。それとも、武器の能力か?

「読心術で合ってるよ。まあ、学生の頃、少しかじったぐらいだけどね」

「それで、貴女は、何者なんですか?」

「私? 私は、ハセガワミユウ。人であり鬼である。少女であり母である。一であり全てである。有であり無である。主人公でありラスボスである。それが私さ」

「…?」

理解ができなかった。

「うーん。まあ、分かんなくていいよ。そのうち分かるさ」

「そのうち?」

「あ、そういえば、地上へ出るんだって?」

「はい」

「久しぶりに出てあげるかな…」

出てあげるって…。

「地上まで、連れてってあげるよ。私の身の上話でもしながらね」

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