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7話

見ろよ、上げよう上げようと思ってたらいつの間にか4ヶ月近く過ぎてましたよ


なにこれ? 4ヶ月も待たせといてこれだけしか書けなかった事実に私め、非常に泣きそうです


ごめんなしゃい(´;ω;`)

 「にーおそいね〜」


 パタパタと椅子に座ったまま、両足を忙しく動かしながら口を開いたティア。

 その視線はじぃっと、玄関を見つめるが時折、自分の足に目線を落としてみたり周りをつまらなそうに見渡したりしていた。


 「そうね……どこかで道草でもしてるのかもね」


 同じく、息子の帰りを待つシエルは膝の上に座って大人しくしているレイディンの頭を撫でたりしていた。


 「む〜……!」


 ついに我慢の限界に達してしまったティアはピョーンと椅子から飛び降りると玄関前に移動してしまった。


 「こらこら、ティア。ダメじゃないちゃんと椅子に座ってなきゃ」


 「やー! にーがかえってくるまでここにいるー!」


 「もう……」


 なんとも可愛らしい理由で反抗するティアに笑みをこぼす。

 そんなシエルの目の前のテーブルいっぱいには、それはとても豪華な食べ物が並べられていた。

 テーブルの真ん中には白色のホイップに塗られ、赤い果物が飾られた、いちごのショートケーキ。それを囲うように外側に広がる鳥の丸焼きやサラダといった、色とりどりの食べ物たち。

 ひと通り見渡したて作り忘れがないことを確認したシエルはくすりと笑った。


 今日は5年に一度の大切なお祝いの日。そう、リプルの誕生日なのだ。

 この世界の常識では、赤ん坊が生まれた日から5年毎に誕生会を開くのだ。それも大体は日没から夜中までの間にされるのが一般的なのだ。


 「…………」


 しかし、料理の確認をしてからシエルの顔は曇った。その理由は先程、一瞬であったものの感じたくなかった絶対なる力の象徴……聖剣の魔力である。それも二度もだ。


 「うー……おそいおそい! にーおそすぎるぅー!」


 床に寝転がると四肢をばたつかせて、器用にその場で1回、2回、3回……と回り出したのだ。


 ティアの奇行を目の当たりにし、目を見開いたかと思うと次の瞬間にはシエルの顔に浮かんでいたのは笑みであった。そして、いつの間にか自分の中から先程の不安が綺麗さっぱりとなくなっている事実に驚くシエル。


 「変わったわね……私」


 改めてあの頃から比べて自分自身が変化してきてることを実感した。


 それとほぼ同時に、玄関の扉が開かれたのだった。


☆゜+.☆゜+.☆゜+.☆゜+.☆゜+.☆゜+.☆



「これが、生き返る……と言う感覚か」


 意識が戻り、俺は右手を上げて動かしてみる。

 手を開いたり、閉じたり。Vサインやウィッシュ、きつねこんこん。さらには左手も加えて様々な手遊びをしてみる。


 「……うん。すごくだるい。まるで睡眠が一番深い時に起こされたみたいなだるさだ」


 要するに眠いのだ。

 両手を下ろして、横になったまま目を閉じる…………あれ、なんかおかしくね?

ガバッと体を起こして自分が今どのような状況にいるのか確かめる。

 先程まで体を横にしていたのは、木製のベッドだ。

 俺から見て右側には出窓がすぐ近くにあり、正面は壁。左側には机と椅子があり、その向こうに部屋の出入り口の扉が見える。

 部屋自体は狭くはない。

 大体5畳〜6畳ぐらいだろうか。


 出窓から見える風景は白一色の、雪に覆われた森。しかし、そんな風景とは逆にこの一室はとても暖かい。部屋のどこを見渡しても暖房のような暖める器具は見当たらない。


 「まぁ、異世界だし」


 少しの疑問は大体この言葉で片付いてしまう。…………いや、別に考えるのとか探るのが面倒くさいなんてこれっぽっちも思ってないよ、うん。

 それより、この出窓から見える風景からして、恐らくここはウォーカーに見せてもらったところで間違いはないだろう。

 気になることは山ほどあるが、その中で一番気になってることがある。

 それは、ウォーカーが言っていた“契術式”についてだ。


 正直言って契術式に関する知識は、召喚系しかない……という事以外は全くもってわからない。

 契術式のことをウォーカーは“血の力”と言っていたが……いったいどういう意味なのか?

 普通に、契約といえば血でしょ!みたいな感じで言ったのか。それとも、神を喰べるお仕事をしてる人達みたいな感じのド派手な使い方をするのか……いや、それはないか。

 系統は召喚系しかないから、多分前者だろうな。


 などと思いながらも俺は自分の親指の腹を噛み切る。

 血が滲むのを見ると、脳内で血が滴状で浮遊とこをイメージする。

 ダメもとで、描いたイメージを反映させようと、魔力を込めると……。


 「おぉ……!」


 ゆっくりとだが、確実に血は滴状で浮遊した。しかし、それはすぐに広げていた手のひらに落下して崩れた。

 まさか本当に浮かぶとは思わず、興奮してしまい集中力が切れてしまったからだと思う。

 どうやらこの血の力はスタイリッシュな方らしいぞ! やばい、妄想が捗りそうだぜ。

 よし、次は……と思ったところでいきなり目眩が起こり、俺はベッドに倒れた。


 「あー……」


 どうやら疲労がピークに達したみたいだ。先程の慣れない魔力の使用と、今まで溜まっていた疲れなどが一気に出て来たのだろう。

 今は休んだ方がいいな。こんな体じゃやりたいことも満足にできやしない。

 とりあえず、起きたら血を操る練習をしよう。そして最終的にはその血でジャグリングを出来るようにするんだ。

 手についた血を舐めとってから俺は目を閉じた。



誤字、感想、その他気になった点などありましたら気軽にコメントくだせぇ!

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