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17話

 気を付けて! グロっちょいシーンが書かれてるよ! 苦手な人は気を付けてね!

 あ、でも文章が下手だからそんなにグロくないかも?

 少なくとも私の頭の中では真っ赤な花が咲き乱れています。

 「いや〜、死ぬかと思ったよ。本当に助かった、ありがとう」


 「ホントだよ、マジで死ぬかとおもったぜ……ありがとな!」


 上から順に、馬車を操っている男性のグリムとその息子であるアルムだ。


 「いやいや、たまたま通りかかっただけなので……。それに、実際に助けたのはソラですので」


 カタカタ……と馬車に揺られながら俺は答えた。


 「それでも助けてもらったことには変わりないさ。いつもなら冒険者を雇っているんだけど……そこまで長い距離を行くわけじゃなかったからお金をケチっちゃってね。いや〜参ったよ」


 ははは〜と愉快に笑いだすグリム。

 そんなグリムに対し、俺は苦笑いを浮かべる。


 「てかてか、ねーちゃんマジでつえーんだな!」


 ぽけーっと体育座りで馬車の後方から見える、過ぎていく光景を眺めているソラの前で立ち止まるってアルムは声を弾ませた。


 「……?」


 顔をアルムに向けるも、どうやらソラにはアルムが何を言っているのかわからないらしく、首を軽く傾げた。


 「こうやって……ズババー! って敵をやっつけちまうんだもん!」


 ふんすっ、と興奮気味に体を動かしてその凄さを表現するアルムであるが、その頑張りは虚しくもソラに伝わることはなかった。

 それでも目を輝かせながら熱く語るアルムの姿を見て俺は苦笑いを浮かべる。


 何故、このような状況になったのか。それは数十分前にさかのぼる。





数十分前 ┗(^o^ )┓ 三 現在





 「あ〜、やっと森から出られたぁ」


 そう口から漏らしながら腕を突き上げて体を伸ばす。

 森から出られた、と言うよりは森の中の舗装された道に出られた、と言うべきか。

 腕をおろして石畳で作られた道に視線を落とす。

 五日もの間、森の中を移動していたのだ。途中から「道に迷ったんじゃね?」なんて思ったものだ。


 さて、この道は左右一直線に伸びている。どちらに進もうかな? と迷っている時だ。


 「マスター、右側の方が騒がしいです」


 不意に背後で立っていたソラが右側の方に視線を向けながら口を開いた。


 「んん? 特に何も見えないし、聴こえないけどな……まぁ、行ってみるか」


 この五日間でわかった事がたくさんあった。その一つがソラの視力と聴力、それに嗅覚などの五感が優れている事だ。


 まぁ、犬だからな。


 しかし、優れているといっても表情がピクリとも変わらないのがとても気になるところであるが……。


 なんて思いながらソラに押されて進んでいると、俺の視界に馬車らしきものが現れる。

 それも、かなりの速度を出しているみたいでどんどん迫ってくる。


 何故、あんなに慌てているのか疑問に思っていると、森の中から片手剣を手にした二人の男と眼帯をしている男がニヤけた表情を浮かべながら現れた。


 「おいおい見ろよ、こんなところに女がいるぜ」


 「しかもどっちもなかなかレベルが高いじゃないか」


 「馬車に女二人……今日はついてんな!」


 台詞を吐きながら男たちは俺とソラを囲うように立ちまわる。


 俺は男なんだけどな……。


 なんて思いながら馬車を眺めていると、二本の矢が森の中から現れ、見事に馬の後ろ足と横腹に突き刺さった。


 痛みにより悲鳴を上げ、慣性を残しながら崩れる。


 「ソラ」


 「はい、マスター」


 一言。その一言を交わした瞬間、ソラは一瞬にしてその場から姿を消した。


 「な、あいつどこ行きやがった!」


 ソラが消えた事により、焦りを見せる男たち。

 その間に懐から、鋭い獣の爪を取り出して自分の左手の平を切り裂き、溢れる血を操り、野球ボール位の大きさの球体を作り出す。


 「とりあえずこいつを捕まえちまおうぜ!」


 そう言って、一人が俺に手を伸ばしてくる。

 俺は、その男の顔めがけて血の球体を投げつける。


 「ぐあっ! な、なんだこれ」


 あたった瞬間、固定してた血が破裂し、男の顔に広がる。


 「これは……血?」


 手の甲で頬を拭い、それが血だと理解したと同時に……。


 ズンッ……。


 そんな鈍い音と共に男の後頭部から複数の赤黒い棘が貫き、そして爆散させる。


 「う、うわあああああ!」


 爆散したことにより、飛び散る顔の部品が残り二人の男に襲いかかる。

 男たちは豪快に尻餅をついた。


 「て、てめぇ……なにしやがった!」


 グッ……と、片手剣を握り直した片方の男が立ち上がり、俺に斬りかかってくる。

 男の豪腕から繰り出された斬撃は、俺に届く前に赤黒い液体に防がれた。


 「クッソがァァァァァァァァ!」


 再度、片手剣を振りかぶり、勢いよく振るうが、その前に赤黒い液体が男の豪腕を切り飛ばした。

 驚愕に顔を染める男に、お返しとばかりに赤黒い液体が増幅し、腕のような形状に変化すると男を轢きずってそのまま側面に生えている木に叩きつけ、圧力をかける。


 「あっっがっぁっ……!」


 ギチギチと圧力がかけられ軋むような音と共に、呻き声を上げる男。


 「や、やめろぉぉぉぉ!」


 最後の一人の男が叫びながら右手を俺に向けてくると同時に、真っ赤な術式を展開した。

 俺は車椅子を少し傾け、術式を展開した男を見る。


 「【ファイアーボール】!」


 ボンッと術式からバスケットボール並の大きさの球体が火を纏いながら俺に迫ってくる……が、それを防いだのはやはり赤黒い液体、血液であった。


 「くそ! ファイアー───っ!?」


 俺は車椅子から飛び出し、眼帯の男が言い終わる前に男の喉を潰した。

 それと同時に、展開されていた真っ赤な術式が音を立てて砕ける。


 「……やっぱり、唱えないと術式は使えないんだ」


 喉を掴んでいる腕に力を込める。


 しかし、男はニヤリと表情を変えると、右目の眼帯を外した……その瞬間、男の右目を中心に、俺を飲み込むほどの大きな術式を展開したのだった。


 「なっ──!」


 すぐに飛び上がり、距離を置こうとしたが既に遅かったらしく、術式から放たれた光に俺は飲み込まれた。




 ∠( 'ω')/眼帯の男視点


 数秒後、魔力切れにより俺の右目から放たれた最上位炎術式の一つ、【イグニス・レイ】が消えた。

 それにより、右目に激痛が走る。

 これは“瞳術”と呼ばれるもので、目に特定の術式を刻む事により、本来ならば扱えないはずの術式を魔力を注ぐだけで扱えるようになる代物だ。

 もちろん、刻める術式は一つだけであり、魔力が足りなければ発動することもできない。更に、副作用として激痛に襲われたり、下手をすれば一生使い物にならなくなる可能性があるのだ。

 ただし、刻む術式によっては副作用無しで扱うこともできる。

 この瞳術は簡単に言うと、“人工魔眼”みたいなものだ。


 ……どうやら痛みが引いたみたいだ。

 魔力切れによって重く感じる体に鞭を打ってうごかそうとして─────。





 ∠( ゜д゜)/視点終了


 ι(`・-・´)/ついでに回想も終了




 ……と、いうことがあったんだ。

 結局、圧力をかけられた男は耐え切れずに穴という穴から色々と噴き出して……うん、旅立ってしまったよ。


 え? そんなことよりなんで生きているのかって? それはあなた……俺が天術式を使・・・って、あの光を転送したからに決まってるでしょうが。


 ……うん、いきなりそんなこと言われてもわからないよね。

 実はこれもあの五日間でわかった事の一つなんだ。


 契術式によって契約した対象の術式を・・・えるようになるみたいなんだよ。

 要するに、今の俺はソラの天術式と武術式の三つを扱うことができるのだ。

 ただし、術式が扱えると言ってもその扱える範囲はソラに依存するので注意が必要だ!


 まぁ、武術式に関しては俺以上の才能があったおかげで、矢を受けた馬を治すことができたからソラには感謝しなければ。


 そう思い、ソラの方に顔を向け、そして俺はその光景に目を見開いた。


 なんと、あの人形のようなソラが寝ているアルムを抱きかかえながら一緒に寝ているではないか。


 ソラの寝顔は見たことあるが、幼い子を抱きかかえながら寝ているところは初めて見るもので……そのですね……とても胸にきました。キュンってきました。

 表情がピクリともしないソラのとても貴重な寝顔ですからね。


 俺はつい嬉しくなり、クスッと笑みをこぼすとソラの横に移動し、そのまま寄り添って目を瞑った。


 なんか、いつもよりソラが温かいように感じました。




 (⊃ω‐`…zzz





 それから数時間が過ぎ、日が落ちて夜になった。

 ちょうど森の入り口付近で野宿する事になった。

 今は夜ご飯も食べ終わり、俺は森から出ようとしているところだ。


 「それにしても、さっきのソラはかわいかったな〜」


 「私……ですか?」


 カラカラ……と、車椅子を押しながらソラが尋ねてくる。


 「そそ! もうね、むっちゃかわいかったの!」


 先ほどのソラの寝顔を思い出す。

 恐らく、今の俺の顔はものすごく酷い顔をしているのだろう。それはもう、グヘヘと変態みたいな顔をしているに違いない。


 「……そうですか」


 相変わらずの単調な声。


 もう少し声と顔に感情を載せてほしいものだが……まだまだ先は長そうです。


 「お? 見えてきた見えてきた」


 視界の側面から木々が消えると、辺り一面に雲一つない星空に照らされた草原が広がっていた。

 石畳で舗装された道の先には小さく見える明るい光。あそこが明日着く予定の、“水の都アーティウス”なのだろう。


 さっき、食事の時にグリムさんから教えてもらったのだ。


 水の都か……ふむ、守り神なんていないよね? 人に化けて出てきたりしないよね? 出てくるとしても青と赤はダメだよ!


 とまぁ、冗談は置いといて……そのまま右の方にぐるりと顔を動かす。


 「お、おぉ……なんじゃこりゃあ」


 視界いっぱいに広がる光景に俺は息を呑んだ。


 まず最初に目に映るのは緑色の発光。中心は相当強く発光してるみたいで白く見える。変わりに外に行くに連れてどんどん弱くなっていき、本来の色の緑色が目立つようになると同時に、大きさの疎らな光の玉のようなものがふわふわと浮遊しているのが神秘さを引き立てている。

 次に目につくのが、発光の中に堂々とその姿を見せる大樹である。

 グンッと空の果てまで伸び、視界を埋め尽くすほどの樹体は圧巻……いや、そんな言葉で表現することすら烏滸おこがましく思えてしまうほどに、その樹体は神々しかった。


 「……なぁ、ソラ。あれはなんなんだ?」


 「あれは……とても大きな木です」


 「いやわかってるよそんな事は。そうゆうのが聞きたいんじゃなくて、名前が聞きたいの。わかる? 名称!」


 俺の言葉の後にソラは大樹の方に視線を向けた。


 「……あれは、“世界樹エディルクス” です」


 「エディルクス? エディルクスってこの世界のことなんじゃ……」


 「間違ってはいませんが、世界樹エディルクスに支えられた世界……と、言うのが正しいかと」


 世界樹に支えられた世界……。


 「……ソラ、俺はあの世界樹に行かないといけない気がするんだ」


 そう、初めに見たときから何故か誰かに呼ばれている気がするのだ。それも、あの世界樹の方向からだ。


 「私はマスターの為なら何処までも付いていきます」


 その言葉が強く、俺の心に響いた。


 「あぁ、よろしく頼むよ!」


 ニッと笑みを浮かべて、俺とソラはしばらくの間、目の前の光景を眺めていたのだった。





\( 'ω')/次の日\('ω' )/





 「ここまで連れてきてくださってありがとうございます」


 ペコリと、手づなを握っているグリムに頭を下げる。


 「いやいや、こちらこそ盗賊から助けてもらって感謝しているよ」


 「えー、ねーちゃんとリプルもう行っちまうのかよ」


 グリムの横に座りながらアルムは言葉を発した。


 「ハハハ……まぁ、しばらくはこの街にいると思うからその気になればすぐに会えるよ」


 「ん、そうなのか! んじゃ遊びにいくからな、ねーちゃん!」


 どうやら、アルムはかなりソラの事を慕っているみたいだ。

 アルムの言葉に、コクンと頷いて返すソラ。


 「それでは失礼しますね」


 「あ、リプルちゃん。最初に冒険者ギルドに行くことをオススメするよ。身分証明証を発行してくれるから。それと、この街には“歌姫”がいるみたいだから気が向いたら探してみてくれ。そして最後に……ほいっ!」


 最後に一通り助言をくれたグリムがなにやら重みのある小袋を投げてきた。

 それをキャッチした瞬間にジャラッと音がした。


 「それは私からの気持ちだ。少ないだろうけど受け取ってくれると嬉しい。それでは、また」


 「じゃあーなー、ねーちゃん! リプルー!」


 そう言うとグリムは馬車を走らせて行ってしまった。


 それを見送ってから受け取った小袋を開けてみると、中には銅色のコインが数十枚入っていた。


 「……行こうか、ソラ」


 「はい、マスター」


 小袋を懐にしまうと俺とソラは街の中に進んだのだった。















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