いつだって隣に君がいて
「あのさ!」
話し下手な君のその「あのさ!」からいつも何かが始まった
「あのさ!今度海に行こうよ!」
僕は上手く泳げないのに
「あのさ!星が見たいな!」
僕は望遠鏡なんか持ってないのに
「あのさ!スキーがしたいな!」
僕はスキー用品なんか持ってないのに
君と僕はいつも一緒にいたのに、君と僕は正反対だったよね
いつでも笑顔で、いつでも元気いっぱいで
僕はめんどうくさがりで、僕は何にも出来なくて
君は皆から愛されて、僕は皆から馬鹿にされて
僕はずっと、君が眩しかった
僕はずっと、君が好きだった
僕は弱くて卑怯だから、君は僕に気を遣っているものだと思っていた
僕は弱くて醜いから、知ったフリして君を遠ざけていた
僕が弱くて……、僕は君を殺してしまった
大好きだったのに、君を愛していたはずなのに
僕が自分から逃げ出したから、僕が君から逃げ出したから
君は逃げる僕を追いかけて、君は死んでしまったんだ
君に会いたいよ、君が大好きだと伝えたい
君に会いたいよ、君の笑顔が見たいんだ
君に会いたいよ、君に謝りたい
「私は君が大好きだったよ」
それが君の最期の言葉だった