表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
81/140

23.スタンリーベルフォード、地獄へ



 赤く炎が渦巻いている空から落雷が落ち、黒く焼けただれた地面を吹き飛ばす。そこから真紅の血が吹き出し、辺りを赤く染めたかと思うと、トグロを巻いて炎が天に立ち昇り、轟音があたりに響き渡る。

 スタンの耳に自分の名が聞こえた。


――――スタンリー・ベルフォード……タンリー……ベルフォード……

スタンリー・ベルフォード……ベルフォード……タンリー・ベル……

スタンリー・ベルフォード……――――


 自らの名は遠く地獄の果てまで、目に見えるかのように広がっていく。スタンは手を伸ばしそれを引き戻し、押し隠したい衝動にかられた。しかし遅かった。

 彼の足首を何者かが掴んだ。恐怖に目を見開き足元を見た。地面に目玉があった。焼けただれ、皮膚がはぎ取られた腕が地面から突出し彼の足首を掴んでいる。その亡者の顔は頬が引きちぎられ奥歯から血が噴き出していた。

 その無残な亡者は血を吐き出しながら叫んだ。


――――ようこそ、地獄へ……スタンリィィィィィ・ベルフォォォォォド!!――――


 彼は叫び声をあげる寸前だった。

 肩が硬くいかり、喉が締め付けられた。


『ようこそ、地獄へ……スタンリー・ベルフォード……』


 ジャックの低く、唸るようなその声を聞き、スタンは目を見開いた。顔をあげると冷たい雨が頬に当たる。屋根に立ち、冷たい悪寒を感じながら、スタンはジャックに目を向けた。不敵な笑みを浮かべジャックはスタンを見つめていた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ