依頼
フィリルが仲間に入って2か月が経った。
フィリルのランクもBになり、現在地は魔法都市とも呼ばれるキャロメインに移動している。
私達は、キャロメインの領主からとある依頼をされていた。
「偵察隊の騎士団と同行して欲しい、と。でも、何で僕達冒険者に?」
「近くの森に異常な魔力反応がありまして、騎士だけでは倒しきれない魔物がいるかもしれないので。他にも、3つから4つ程の冒険者パーティーに同行を頼んでいるんです。」
「なるほど。報酬は?」
「銀貨5枚と、同行中の衣食住提供でどうでしょう?」
「私、銀貨より魔導書がいいなー」
「ちょっとナーシャ…」
「では、それに好きな魔導書1つも追加で。どうですか?」
「すいません…じゃあ、それで」
「交渉成立ですね。明後日に出発だから、他のパーティーや騎士団への挨拶とかも済ませておいてください。」
応接室を出ると、領主に騎士団はあちらの中庭で鍛錬をしています、と促されたので大人しくそちらに向かっておく。
「……同行するパーティーの1つか?」
「そうだ。俺が魔剣士のシルバで、こいつが剣士のキルト。あっちが魔法使いのフィリルで、もう一人が僧侶のナーシャだ。」
「そうか。よろしく頼む。」
ここで、フィリルが騎士団を興味深そうに見ているのに気付いた。
「フィリルは騎士団を見るの、初めて?」
「うん。今の国になってからは。」
「そうなんだね。割と門番してたり、大きな街ではパレードがあったりするから、割と皆知ってて見たことあると思うし憧れの的でもあるけど…フィリルって本当に引きこもりだったんだね」
「まぁね」
「誇らしげにする所じゃないでしょ…っていうか前の王国の騎士団見てる人の方がレアでしょ。フィリルって王都の出身?」
「……まぁ、そこは追々」
時折感じるのだが、フィリルは自分の過去をあまり知られたくないようだった。出身も、思い出も、好きだった事も教えてくれない。嫌なら話さなくてもいいとは思うけど、やっぱり少しだけ悲しい。
「……取り敢えず、今回の依頼頑張ろう!」
「そうだね!ご飯なに出るかな?」
「多分フィリルが作ったほうが美味しいと思うけど…」
「えっ?そうかな?」
◇ ◇
「そう言えば今回の依頼、ギルドを通して無かったけど…これってなんで?」
依頼を受けた後のお昼ご飯中、フィリルがふと問いかけた。
「あぁ、あれか。ギルドは冒険者とはついてるけど、実際は戸籍登録の為の組織みたいな物で、冒険者とかそこら辺はおまけみたいなものなんだ。実際、Hランクは試験なしでも入れるけど、受けられる依頼は殆どないし。それに貴族とかからの依頼となると、特定のギルド支部と変な繋がりとかが生まれがちだから、本人から直接依頼って事が多いんだ。」
「なるほど……それにしても、ここのお店美味しいね。」
「話変わるなぁ…ま、そうだな。平和で豊かな街って証だ。」
「今回の依頼の件、領主は異常な魔力反応って言ってたけど…何が異常だったんだろう?何も大きな事が無ければ良いんだけどね……」
そうしてお昼ご飯を食べ終わり、解散した。
夕方5時まで自由行動で、集合は宿屋と言っていたキルトの言葉を思い出し、何をしようか考える。
魔導書とかを買いに行こうにも、無駄遣いするからとお小遣いは持たせてくれてないし、キルトは剣を研ぎに、シルバはギルドに小遣い稼ぎに行ってしまった。
しかし!横を見てみろ、そこには暇そうなフィリルがいるではないか!
私はこれ幸いと言わんばかりにフィリルに声をかけた。
すると、フィリルの指先に止まっていた小鳥が、ぱたぱたと飛び立った。
「あっ…ごめん」
「良いよ。多分また来るし。」
「また来るって?フィリル、寄せ餌体質だったの?」
「寄せ餌って…別に、あの子が私に懐いてるだけだし。それで、何かあったの?」
「そうだ!ちょっと暇だからさ、街ブラ付き合ってくれない?1人じゃ虚しくて…」
「いいよ。私、ちょっとならお金持ってるよ」
そうして2人で外に出る。少し冬に近づいた秋の空気は、ひんやりと冷たい。
―――そう言えば、あの小鳥を前に見たことがある気がする。ここら辺では珍しい、白に青い模様が入ったふわふわな小鳥。何処で見たんだっけ?
おまけ
Q&Aコーナー教えて!◯◯さん! キルト編
Q:キルトさんの好きな食べ物は何ですか?
A:揚げた芋とかカリカリに焼いた鶏皮とかが好きです。基本的にサクッとした食感の物が好きかな。
Q:キルトさんは何処で剣を学んだんですか?
A:孤児院にいた頃、通りがかりの冒険者や騎士団に教えてもらったり、独学で練習しました。
Q:キルトさんは幼少期の記憶はありますか?
A:はい。両親は優しかったし、兄も良くしてくれました。もういないけど。
インタビューありがとうございました!




