第29話 社長からの性暴力
帰国してから僕達は、今まで以上に忙しい毎日を送っていた。人気が無くなって、売れなくなったら仕事なんて直ぐに無くなるわよ?と扈マネージャーに言われ、忙しいうちが花だと思う事にした。
だけど、それにしてもキツい。1日の睡眠時間は2時間以下で、お風呂にも入れずにシャワーは5分以内の制限で、ブラック企業以下のハードスケジュールだった。
「貴女達はまだ、移動で眠れるから良いでしょう?」
確かにマネージャー達もほとんど寝ていないのだから、文句や愚痴も言い難い。
今日僕達3人は、結城修さんの番組に番宣でゲスト出演する事になった。ロスから帰国する時に、同じ飛行機に乗っていた彼だ。その時に僕達を見かけたらしく、彼の方から事務所へ出演のオファーがあったらしい。
彼の番組は常に高視聴率で、お笑い界の重鎮の1人として業界に君臨し、絶大な力を有していた。その彼からのオファーである為に事務所は断るはずも無く、彼自身には裏の顔で出演女性タレントを食い物にしており、事務所でも彼に何人も女性タレントを枕営業させていた。
「良いか?オファーされたと言う事は、そう言う事だ。君達の誰かが、彼の目に止まったと言う事だ。良いか、誘いを受けたら絶対に断るなよ?」
「それって僕達に抱かれて来いって事ですか!?」
「そう言ってるんだが?何か文句が言える立場か!?」
「嫌です!絶対に枕なんてやりません!」
「ふざけるな!」
襟首を掴まれて壁に叩き付けられた。社長から殺意にも似た感情が流れ込み、恐怖で身動き出来なくなった。
「お前、まだ処女だったな?処女のまま枕したく無いんなら、今ここで俺が犯してやろうか!?」
社長に胸を鷲掴みにされて、「止めて!」と叫ぶと顔を叩かれた。
「どうした?アイドルだから顔は殴られないとでも思ったか?抵抗したら、次は顔の形が変わるまでグーで殴るぞ!」
服を引き裂かれ下着を剥ぎ取られて、直接胸を揉まれながら吸われた。片方の手が、パンツを下ろそうとしたので泣き叫んで抵抗すると、本当に2、3発顔を殴られて鼻血を流して口の中も切った。
「う、う、う…本当に止めて下さい。お願いします…お願いします」
お構いなくパンツを下ろされて足を広げられ、顔を埋めて秘部を舐められた。
「ああん。嫌だ、止めて!止めて、お願い止めて下さい。お願い…」
カチャカチャとズボンのベルトを外し、そそり勃つモノを取り出して挿入しようと押し当てられた。
「うわぁーん!絶対ダメ!止めて!止めて!お願いだから止めてー!」
グーで5発ほど執拗に顔を殴られ、僕は泣きじゃくって抵抗を諦めた。
「ふー、じゃあ挿入れるぞ?」
「待って!待って下さい。瑞稀は、瑞稀は止めてあげて下さい。お願いします。代わりに私が抱かれますから…」
春美が服を脱ぎ捨てて全裸になり、土下座をして社長に頼んだ。社長は春美の顎を掴んで顔を上げ、顔にアレを近づけた。
口を開けて受け入れるのを見て、僕の為に春美が泣きながらしていると思うと、涙が止まらず目を逸らした。
「目を逸らすな!良く見てろ!お前の為に、RINKAが身体を張ってる姿を目に焼き付けろ!HAL、お前もだ。分かってるな?」
「はい…」
美春もその場で脱ぎ出した。
「ごめんね瑞稀、事務所に入った頃、私がセンターだったのは社長に抱かれていたからなの。今も時々、抱かれていたわ」
「…(嘘)」
僕は顔が腫れて口の中も切っているので、痛くて声が出なかった。
「ああ、良い。最高の締まり具合だ。成長したなRINKA。お前を抱いてみたいと思っていたんだ。お前達は皆んな俺の大切な娘であり、俺の女だ。生涯、愛し続ける。例え、お前達が結婚してもお前達は俺の物だ」
獣の様に春美と美春を犯している社長を見て絶望した。
「Mizuki、今日は諦めるが必ずお前も抱くぞ?くっ…イク…」
社長は躊躇う事も無く、春美の膣内に射精した。
「うっ、う、う…ごめんなさい…チャック…」
春美は彼氏が出来たばかりなのに、僕を守る為に代わりに社長に抱かれた。申し訳なさで一杯になった。
「あん、あん、あんっ…」
美春は社長を満足させる為に、激しく腰を振って応えていた。
「ふー、ふーっ、ふぅ。2人とも最高だった。RINKA、初めて抱いたから新鮮で良かったぞ」
そう言うと、再び泣いている春美を犯し始めた。この時、マネージャーがいたら社長を止められたのだろうか?いや、クビを恐れて止められなかったに違いない。
社長の秘書は、犯される僕達を黙って見ていた。僕は挿入されない代わりに、何度も口淫をさせられた。
「そうだ、もっと丁寧に舐めろ!結城修に求められたら、今の様にちゃんとご奉仕しろよ?」
わざと喉の奥まで突いてその速度が次第に早くなり、ブルブルと痙攣する様に震えると口の中に射精した。
「ごめんな。殴って痛かっただろう?俺は殴る度に心が痛んだよ。結城修はな、この業界内では神なんだよ。絶対的な影響力を持つんだ。その彼に目をつけられたって事は、お前達には成功しかない。成功しかないんだよ。反対に怒らせて見ろ。お前達だけじゃなく、この事務所も俺も終わりだ」
暴力で恐怖を与え、脅しの後に泣き落とす。そしてまた脅す。社長の常套手段だ。
「良いか?今日の事は胸に秘めておくんだ。この社長室は防犯カメラがある。意味が分かるな?お前達が俺に犯されてる一部始終が映っているんだよ。HALが自ら俺に跨って腰を振っている様子がな?」
社長は僕の髪の毛を掴んで、目線を合わせた。
「この中では、お前が1番タレ込む可能性があるからな?念を押しているんだ。もし警察などに相談すれば、HALの醜態を世間に晒す事になる。分かるな?」
僕は泣きながら黙って頷いた。
「それから、これからは毎晩お前らは俺の所に来い。たっぷりと可愛がってやる。今夜の様にな?」
僕達3人は、全裸のまま部屋から追い出されたので、胸と秘部を手で隠しながら階下の寮の部屋まで走った。
誰にも見られなかった事に安堵すると、3人とも抱き合って泣いた。それから一緒にお風呂に入って身体を擦り続けた。
美春と春美は膣内に出されたので、足を広げて指で掻き出していた。お風呂から上がると、避妊薬を2人とも飲んだ。
「ごめん。僕の為に…」
「瑞稀のせいじゃないよ。社長があんな人だったなんて…」
「私達の先輩の水野忍さんが自殺したのは、社長の子供を孕っていたからって言う噂、今なら信じるわ」
「嘘でしょう?」
「私達、どうなるの?」
「社長の愛人、もしくは性奴隷ね」
「毎晩来いって、おかしくなって死にたくなるかも…」
僕達はファン達に愛され、華やかなスポットライトを浴びる舞台下では、自分達の社長から性奴隷の様に扱われていた。
こんな事は、彼氏にも家族にも言えるはずが無い。ただ黙って受け入れるしか無く、僕達の心はすり減って行った。
とりわけ僕は殴られて顔が腫れた為、病気を理由に番組を欠席させられた。社長は、2人が出演しているテレビを見ながら僕に口淫をさせていた。
「うっ!ふぅ、ふぅ、ふぅーっ…。こんなものでは、俺が満足しない事は知ってるだろう?頑張らないと、2人がいない間にお前の初めてを奪っちまうぞ?」
僕は、抵抗するよりも従順さを装った方が苦しみが少ないと考え、社長に甘えて見せた。すると僕の顔の腫れを気遣う様になり、口淫するのも顔が痛いだろうと免除された。しかし身体を好きに舐めたり触られ、手でしてあげて満足はさせられた。
僕がヤらせない一方で、代わりに秘書との性行為を見せつけられた。それから、所属タレントの先輩達が日替りで社長の相手をする様になった。それを見て、こんな事は日常茶飯事で行われていたんだと理解した。
「こんな事をしているのなら、枕(営業)も平気になるはずよね…」
僕は事務所を辞めようと考えつつも、10月からの中国ドラマには出演したいと思い悩んでいた。




