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死ぬ前に後悔しないために

「どうしてそんなに好きでもないのに付き合うんですか」


「それは……周りの友だちもみんな彼氏がいたから、なんとなく?」


「なんとなくって……」南斗君が深いため息をついた。


「それにこの年代の男性って、どうしても性欲が前に来るじゃない。それがちょっと面倒くさかったというか」


「ひどいですね」彼がまた整った顔で笑った。「男性が性欲にあふれているのは、本人のせいじゃなく神様のせいなんじゃないですかね」


「うん、それは分かってるよ。人間も子孫を残していくという生き物である以上はね。でも今は、絵海さんのことが気になってしょうがなくて。こんなに誰かを愛おしく思ったのは初めての気がするんだよね」


「先輩って今二十五歳ですよね。今になって初めて本気で誰かを好きになった、と」南斗君がやや呆れた様子で言った。


「うん。実は私、今まで本当に恋をしたこともない処女以下の存在だったのかもね……」

私が小さな声で言った。カラン、と返事をするようにレモンティーの氷がガラスのコップにぶつかり音を立てた。


「今まで特に欲しくもないのに手に入れてきたものは一体なんだったんだろうと思う」


「まあとにかく、今になって本物の体験をできてよかったじゃないですか。仕事を辞めた先輩は今のままだともうその彼女と会うことはなくなっちゃうんですから、メールして、一緒に出かけたり、会う機会を自ら作っていくしかないですね」


「うん。でも、うまくいくと思う?」


「そんなの、わかりませんけど。でもこのまま何もしないで忘れるんですか? きっと死ぬ前に後悔しますよ」


「うん、そうだね……。ていうか、南斗君は今、その……男の人と付き合ってるの?」


私がついに聞きたかったことを聞いた。本当は3年前に聞きたかったことだったが、今なら聞いても良い気がした。


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