9話
プレース「それじゃ探しに行きますか」
陽は既に沈みきっていた。
―
プレース「見た感じだと…わからねぇ…どれがいい奴隷なんだ?」
品定めと思いきや、どんな奴隷がいいのかを考えてはいなかった。
プレース「こういう時は勘に頼るしかねぇな」
―2時間後―
プレース「クールラにホムーラな。よろしく」
『よろしくお願いします。ご主人様』
プレース「あー…ご主人様とかいいから。普通に接してくれた方が楽なのよ」
クールラ「いいんですか?」
ホムーラ「ラッキー!」
プレース「そんな感じ。年齢的にほとんどタメでしょ?」
『16です』
プレース「むしろ年上じゃん。だからかしこまらなくていいから」
クールラ「わかりました」
ホムーラ「わかったー」
プレース「クールラが氷、水、風の魔法が使えて、ホムーラが炎、風、土の魔法が使えるってことでいいな?」
クールラ「ええ。大丈夫です」
ホムーラ「まかせなさい」
プレース「3属性が使える魔法使いって珍しいから重宝されるって聞くし、2人とも綺麗だから売れ残っていた意味がわ
からないんだけど…」
ホムーラ「あー…それね」
クールラ「私たち2人いないと魔法が使えないんです」
プレース「2人別で売られていたのに…?」
ホムーラ「そう。だから売れ残ったの。可愛いから余計値段だけついちゃってね」
プレース「お陰様でほとんど金は残ってないけどね」
クールラ「すみません…」
ホムーラ「でも後悔はさせないわ」
クールラ「2人で居れば怖いものはありません」
プレース「まず宿に泊まれるお金が無いんだけど、どうしたらいいと思う?」
クールラ「野宿ですか…?」
ホムーラ「え…」
プレース「1人だけなら泊まれるんだけど、3人ってなっちゃうとね…」
『じゃんけんしましょう!』