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暗殺者ヘンミ

「はぁ、聖女アティシアの暗殺ですか」

私は暗殺者ヘンミ。

私はどんな人物にでも変身出来るスキルを有している。

その為に暗殺に失敗した事が無い。

魔族が聖女アティシアの暗殺を私の所属する暗殺ギルドに依頼したらしい。

そして私が派遣される事になった。

確かアティシアには『魔族を撃退した不死身令嬢』の二つ名で呼ばれる子爵令嬢と近衛騎士団に所属する二人の女性騎士が護衛に付いている筈だ。

ハッキリ言って、私には荷が重い気がするし、嫌な予感がするし、先程から悪寒も感じている。

しかし依頼主は魔族だ。

拒否は出来ない。

結局は依頼を引き受けた。


暗殺ギルドに聖女アティシアの暗殺を依頼した。

暗殺に失敗した事が無い凄腕の暗殺者を派遣してくれるらしい。

本当は俺が殺害したかったが、手詰まり状態だったので、仕方ねえから依頼した。


「貴様、マンプク子爵令嬢ではないな。ひょっとしたら暗殺者か。アティシア様には指一本触れさせないわよ」

『魔族を撃退した不死身令嬢』に変身したのに、ガードリンという女性騎士にバレてしまい、捕縛されてしまった。

嫌な予感が的中してしまった。

どうして変身がバレたのか尋ねたら、マンプク子爵令嬢の体臭と違うという答えが返ってきた。

この女性騎士は匂いフェチの変態だった。

犬女、変質者、異常性癖者。


「この暗殺者のスキルは使えるわね。従属魔法で服従させて、影武者にしましょう」

【従属】

私の変身のスキルに興味を示したアティシアに従属魔法を掛けられて、影武者にされてしまった。

そして暗殺ギルドの情報を全て吐かされてしまった。

王宮騎士団の奇襲によって、暗殺ギルドは壊滅した。


「私に変身して、社交パーティーに出席しなさい。そして視線を逸らしたり、顔を背けたり、怯えた態度をする者を全て報告しなさい。それが貴女の基本的な任務です」

アティシアから基本的な任務の説明をされた。


アティシアに変身して、社交パーティー等に出席する為に王宮や神殿でのシキタリとマナーを徹底的に叩き込まれた。

ハッキリ言って、暗殺ギルドの訓練よりツラかった。

苦労してシキタリとマナーをマスターした。


暗殺者に聖女アティシアの暗殺を依頼したのに、失敗しやがった。

更に暗殺ギルドまで壊滅してしまった。

犯罪者は依頼を断るし、暗殺者は依頼に失敗するし、暗殺ギルドは壊滅する。

犯罪者も暗殺者も暗殺ギルドも役に立たねえ。

魅惑の種事件の失敗以降、何もかも上手くいかねえ。

完全に手詰まり状態に陥ったぜ。

全て王妃ナヤミナと聖女アティシアのせいだ。

「畜生、俺は世界で一番不幸な男だぁ~」

デビルモンは今までの失敗を思いだし、大声で叫んでしまった。

デビルモンは酒を大量に呑んで、酔っぱらってしまい、そのまま寝てしまった。

翌日は二日酔いで、頭が割れるように痛くなった。

 

「ヘンミ、私に変身して、書類の整理をしなさい」

アティシアはヘンミに自分に変身して、書類の整理をしろという理不尽な命令をしてきた。

「・・・・分かりました」

ヘンミは渋々アティシアに変身した。

「それじゃ後はヨロシク」

【転移】

アティシアは嬉々として、転移魔法で何処かに移動しやがった。


「畜生、私は世界で一番不幸な女だぁ~」

ヘンミは今までの自分の人生を振り返り、大声で叫んでしまった。

散策中に私のスキルに目を付けた暗殺ギルドの勧誘員に騙されてしまい、訓練所に放り込まれた。

訓練所では地獄の特訓を強いられた。

何とか死なずに訓練所を卒業した。

そして今に至る。


アティシアは自分がサボりたいので、私を代役にしやがった。

今頃は楽しく遊んでいるに違いない。

狡猾、腹黒、サディスト。

悔しい、妬ましい、羨ましい。

ヘンミは地団駄を踏んだ。


「これはお土産です。聖和堂のバターケーキですよ」

アティシアから王都で大人気の聖和堂のバターケーキをお土産に貰った。

槍でも降るかと疑ってしまう程に珍しい事だった。

何か嫌な予感と共に全身に悪寒が走った。


「この裏切り者」

「死ね」

「冗談じゃないわよ。殺されて堪りますか」

不幸にも嫌な予感は的中してしまい、王都を散策中に暗殺ギルドの残党に襲撃されてしまった。

何とか逃げおおせたが、気軽に散策も出来なくなってしまった。

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