表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/12

テレパス伯爵令嬢

「はぁ~」

王妃はまたしても溜め息を付いています。

どうして婚約破棄が減らないのかしら。

我が国は本当に呪われているのでしょうか。


「王妃様、新たな提案があります」

またしてもアティシアが王妃の執務室を訪れて、新たな提案があると告げました。

「婚約破棄を企てる連中を選別して、クロだと判明した愚か者を私達が婚約破棄の実行前に処罰しましょう」

それは画期的な内容の提案だった。

「しかしどうやって婚約破棄の企てをする連中を選別するのです」

「王妃様はテレパス伯爵令嬢の事を御存じですか」

「テレパス伯爵令嬢?確か落ちこぼれ令嬢と噂されている令嬢ですよね。彼女がどうしたのですか」

「テレパス伯爵令嬢は落ちこぼれではありません。彼女は念話という他人の思考を読み取る事が出来る素晴らしスキルを有しています」     

「なるほどテレパス伯爵令嬢のスキルを使用すれば、婚約破棄を企てる連中が簡単に選別出来ますね」

「具体的には影の者に婚約破棄しそうな連中を調査させます。そしてクロらしい連中の思考をテレパ伯爵令嬢に読み取ってもらうのです」

王妃は直ちに提案に乗った。


「そなたがテレパス伯爵令嬢ですね。妾は王妃のナヤミナです」

「王妃様、お目にかかれて光栄です」

何故かテレパスは王妃に謁見する事になった。

テレパスには謁見の理由が分からなかった。

「アティシアから報告は受けています。実家では不当な扱いをされていたそうですね」

「そのような事はありません」

「隠さずとも良いですよ」

王妃は全てお見通しのようです。


謁見を終えて、私は王妃の執務室に案内された。


「我が国で婚約破棄が流行っていて、国中が混乱しています。そこでテレパス伯爵令嬢に婚約破棄を企てる連中の選別を依頼したいのですが、引き受けてもらえますか」

「私には選別なんか無理です。荷が重すぎます」

「謙遜しなくても良いですよ。アティシアから聞いています。テレパス伯爵令嬢が念話で他人の思考を読み取る事が出来るのは分かっています。

「・・・・」

テレパス伯爵令嬢が真っ青な顔色になった。

誰にも話していない情報を掴んでいるなんて、聖女アティシアは恐ろしい人だと思い知りました。

「分かりました。お引き受け致します」

王妃とアティシアにゴリ押しされて、テレパス伯爵令嬢は依頼を引き受けた。


【念話】

テレパスは念話で、オチメという令息の思考を読み取った。

「あのオチメという令息はクロです。婚約破棄を企てています」


「「「「「王妃様、聖女アティシア、何か御用ですか」」」」」

オチメ達は王妃とアティシアの呼び出しに怯えている。


「そなた達はケンビ嬢に冤罪を着せて、婚約破棄をしようとしていますね」

「何の事でしょう」

「覚えがありません」

「知りません」

「言い掛かりです」

「証拠はあるのですか」

オチメ達はあくまでもシラを切るつもりのようです。

【記憶再生】

アティシアは記憶再生を発動させて、映像化しました。

「お前達はケンビ嬢がドジル嬢にイジメをした現場を目撃したと証言しろ」

「「「はい」」」

「これで私がオチメ様の婚約者になれるのですね。とても嬉しいです」

オチメ達の企ての映像が映し出されました。

「「「「「・・・・」」」」」

オチメ達の顔色が真っ青になり、身体が崩れ落ちました。

「そなた達の婚約破棄の企ては実行前に露見しました」

「貴方達五人の罪は明白です。私は聖女として断罪します」

王妃とアティシアはオチメ達に断罪を告げました。

婚約破棄を企てたオチメと取り巻き達は一般兵として辺境への強制赴任の処罰を受けました。

ドジル嬢は実家で厳格な再教育をされる事になりました。

こうして今回の冤罪による婚約破棄騒動は実行前に解決しました。


王妃とアティシアは次々と婚約破棄の実行前に愚か者たちを処罰しました。

その事が王宮で噂になり、婚約破棄は減少し始めました。

王妃の苦悩は近いうちに終息しそうです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ