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王妃ナヤミナと聖女アティシア

読んでもらえたら、とても嬉しいです。

「何故なの。どうしてなの。どう考えても変でしょう。婚約破棄がこんなにも続いているなんて、絶対にあり得ないでしょう。もしかして我が国は呪われているの」

妾はトパーズ王国の王妃ナヤミナ。

婚約破棄が続いているので、王妃は苦悩していました。

「私はシッソ嬢との婚約破棄を宣言する。そしてワルナ嬢との婚約を新たに結ぶ」

今も王家主宰の夜会で愚か者が婚約破棄騒動を起こしていました。

今月に入ってから、これで九人目です。

本当に懲りない愚かな連中です。

いい加減にして欲しいと心の底から思いました。

事の始まりは第一王子スカスカの婚約破棄でした。


【回想開始】

「私はケンヤク嬢との婚約を破棄する」

妾の誕生日パーティーでスカスカが唐突に婚約者のケンヤク嬢に婚約破棄を突き付けました。

「理由は真実の愛に目覚めたからだ」

理由は真実の愛とかいう、馬鹿馬鹿しい内容でした。

「そしてアホナ嬢と新たに婚約を結ぶ」

更にアホナ嬢と新たに婚約を結ぶという、戯言を言い出しました。

王妃はスカスカを完全に見限る決心をしました。

「分かりました。スカスカとケンヤク嬢との婚約破棄を認めます。但しスカスカの有責とします」

王妃が婚約破棄の承諾とスカスカの有責とする事を宣言した。

「・・・・母上、何を言っているのです」

スカスカが文句を言い出しました。

「お黙りなさい。妾達はそなたの教育を間違えました。卒業後は厳しい王太子教育が控えていると考えて、学院で自由にさせ過ぎました。そなたは廃嫡とします。そして黒の部屋に隔離します」

「く、黒の部屋!嫌です。黒の部屋だけは絶対に嫌です。母上、赦して下さい。お願いします」

「スカスカ、甘えるな。そなたに王族の誇りが残っているなら、きちんと責任を取れ」

国王陛下も王妃に賛同してくれました。

「・・・・父上までも」

ようやく現在の状況に気付いたらしく、スカスカの顔色が真っ青になりました。

スカスカは廃嫡となり、黒の部屋に隔離されました。

近いうちに病死と発表されるでしょう。

新たな王太子は第三王子スクスクと決まりました。

ちなみに黒の部屋とは罪を犯した王族専用の隔離部屋の事だ。

部屋の中は真っ暗闇で防音設備が施されていて、何も見えないし、何も聞こえない、地下牢などとは比較にならない孤独の魔牢だ。

【回想終了】


「またしても婚約破棄をする愚か者が現れたわよ」

「同じ貴族として恥ずかしい」

周囲の令嬢や令息が愚か者を小声で非難しています。

しかし愚か者は周囲の状況に気付いていません。

「何の騒ぎだ。静まれ」

王太子が会場入りして、騒ぎを納めました。

元凶の愚か者は貴族籍を剥奪されて、平民となりました。


「はぁ~」

王妃は思わず溜め息を付きました。

どうして婚約破棄をする愚か者が多いのでしょう。

我が国の行く末が心配になってきました。


「王妃様、提案があります」

聖女アティシアが王妃の執務室を訪れて、提案があると告げました。

「私の相棒になって下さい。そして理不尽な婚約破棄をする愚か者を断罪しましょう」

それは物凄い内容の提案でした。

詳しく話を聞くと、王妃は提案に乗る気になりました。

王妃は国王陛下以外はたとえ王族でも断罪が出来る権限があります。

アティシアは記憶を再生させて、映像化するスキルを有しています。

王妃の権限とラティシアのスキルを使用して、婚約破棄をする愚か者を断罪する事を決心しました。


「私はサイショク嬢との婚約を破棄して、クズカ嬢と婚約する。その理由はサイショク嬢がクズカ嬢を虐げたからだ」

四人目の愚か者が現れて、婚約破棄と理由を告げました。

「お言葉ですが、クズカ嬢を虐げた覚えはありません」

婚約破棄を告げられたサイショク嬢が虐げた覚えは無いと否定しました。

「嘘を付かないで下さい」

「クズカ嬢の言う通りだ。複数の証言があるんだ」

「その通りです。私はサイショク嬢がクズカ嬢を虐げている現場を目撃しました」

「私も目撃しました」

二人の令息が目撃したと証言しました。

「お待ちなさい」

「私達がこの婚約破棄騒動を審議します」

王妃とアティシアが乱入して、審議をすると告げました。


「「「「「王妃様、聖女アティシア」」」」」

二人の突然の乱入に五人は驚愕しました。

【記憶再生】

アティシアは記憶再生を発動させて、映像化した。

「お前達はサイショク嬢がクズカ嬢を虐げている現場を目撃したと証言しろ」

「分かりました」

「お任せ下さい」

「これで私が貴方の婚約者になれるのですね」

四人の密談の映像が映し出されました。

「「「「・・・・」」」」

四人の顔色が真っ青になり、身体が硬直しました。

「貴様達の冤罪の企ては露見した」

「貴方達の罪は明白です。私は聖女として断罪します」

王妃とアティシアは四人に断罪を告げました。


婚約破棄をした愚か者と取り巻き達は貴族籍を剥奪されて、鉱山での強制労働の処罰を受けました。

クズカ嬢は戒律の厳しい修道院送りとなりました。


こうして今回の冤罪による婚約破棄騒動は解決しました。

しかし婚約破棄は一向に減りませんでした。

王妃の苦悩はまだまだ続きそうです。

感想を待っています。

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