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09.ちやほやされたい試行錯誤

 【錬金術の】色々試してみます!【可能性】


「こんばんミィ!昨日はすごいバタバタしたけど気を取り直して色々やっていきたいと思います。」

 こんばんミィも一度言ってしまえば慣れたものよ。恥ずかしがって変えたと思われる方がやだ。


 〈こんばんミィwww〉

 〈よかったまた配信してくれるんだね〉

 〈で今日は何をやらかすんだ?〉


 昨日の人かどうかは分からないけど今日も人は来てくれた。相変わらず失礼な奴もいるけど。

「今日は雑談しながらMP回復アイテムをなんとか作ろうと思います。ぶっちゃけちやほやはされたいけど悪目立ちしたくないからさっさと流通させたいのです。」


 〈その心意気やよし〉

 〈ちやほやされたいとか承認欲求隠す気ねぇなこいつ〉

 〈ありがたいけど錬金術と薬師じゃ制作方法かなり変わりそう〉


「昨日ちょっと調べたんだけど薬師って薬草をすり潰したり刻んだりして水に薬効のみを溶かす感じでアイテム作成するんだよね?私も現状煮る事しかしてないから多分基本は一緒だと思うんだよね。」


 〈なんか賢そうな事言ってる〉

 〈メスガキみたいなのってバカなイメージあったけど結構賢いんやな〉

 〈とりあえず知り合いの薬師呼んでくるわ〉


「誰がメスガキだ!」

 なんか同接が一気に100人くらい増えた気がする。

 メスガキ呼ばわりした奴は心の中で殺しておく。


 さて……コメントに付き合ってたら日が暮れるから作業に移ろう。

 まずいつものように浄化水を、そして今回は吸魔草を入れて……と。


 〈呼ばれてきた薬師だけど吸魔草は私達も使ってるんだよ。ただ草自体の魔素とやらの量が均一じゃないから水に薬効成分が溶けないんだよね〉

 〈名前からして魔力に関係ありそうだもんな。そりゃ試してるわな〉


 いい事を聞いた。含まれる魔素が少ないと安定しないのか。

「なら吸魔草自体にMPを流し込んで使ってみれば良いんじゃないかな?」

 調べた感じ薬師は作成にMPを使わない。ポーションの作り方も最初から知らされているらしいから似たような手順でやってるのかもしれない。


 〈もちろんそこらも試してるんだけど上手くいかないのよね〉

 〈多分やれることは試してると思うんだよね〉


 当然試してるみたいだ。やってないかもしれないなんて口に出さなくてよかった。

「じゃあひとまず草を見てみますか。」

 吸魔草を一つ手に取り見てみる。

「確かに微量だけど魔力が流れてる……。じゃあここに魔力を流して……と。」


 MP 275/275

 MP 263/275


 なんかMPの最大値増えてない?

 そういえば昨日ログアウトしたタイミングでなんか称号とやらを貰ってたからそれの影響なのかな?

 確認は後にするとしてアイテムを見てみよう。


 吸魔草[良] 空気中の魔素を吸い成長する草。薬効成分は高いが生息地域により含有魔素が異なるため品質が安定しない。丁寧に摘まれた為品質は良い。含有率100%。


「なんか含有率って表記が追加されてる!多分これがこの草の中に含まれてる魔素の量なのかな?」


 〈そうだと思われ〉

 〈このゲーム行動して初めて追加される情報とかあるから見えてるものだけじゃ判断できないところあるのよね〉

 〈それで調薬したら極めて薄い魔水とかいうのができたからよく分からないのよ〉


「薬師さんの情報ってすごい頼りになる!どっかのコメントと大違い!」


 〈あ?〉

 〈は?〉

 〈は?〉

 〈分からせるぞ〉


 やっぱり民度最低じゃん。

「まぁ君たちの民度の低さなんて昨日の時点で分かってるから気にして無いけどね。とりあえずダメって分かってるけどこれで錬金してみるわ。」

 昨日と同じように浄化水と一緒に入れて火にかける。


「あれ?錬金中のMP消費がない?素材によって魔力が込められるかどうか変わる感じなのかな。」

 これじゃただ煮てるだけだ。


 〈お料理じゃん〉

 〈錬金とは〉


「いちいちうるさいなぁ!」

 そんなこんな言っていると1分後に鍋が強く光り始めた。

「ここでのMP消費も……できないっと。」

 光が収まった鍋を覗いてみる。


 薄い魔水 ほんのりと魔力を帯びている水。人体に影響の無い量ため飲料水程度にしかならない。


「これ集めて煮詰めたらどうにかならない?」


 〈100本くらい煮詰めたけどダメだった〉


「空気中に魔素があるみたいだから蒸発してるのかな?」

 いい案だと思ったけどやっぱり先駆者はいるみたい。そりゃ当然か。

「でも含有率100%って出てるのにこの結果は納得いかないなぁ。」


 〈私もそう思う〉

 〈なんか頭いい話してる〉

 〈いつものおまえはもっとバカっぽいだろ〉

 〈解釈違いですミィちゃんを返してください〉


 こいつら何言ってんだ。つかいつものって昨日が初配信だぞ。

「訳分からん事言ってないで君らもなんか意見だしてよ!」


 〈って言われても俺戦闘職だし〉

 〈同じく〉

 〈もう草持って振り回せば空気中のを取り込むならこれでいっぱい取り込めるやん〉

 〈すげぇバカっぽくて草〉


「君らが手伝う気が無いってのわかっ…………ん?」

 あれ?もしかしたら私分かっちゃったかも。

 証明のためにインベントリから袋花を取り出す。


 〈でたキショい花〉

 〈まだ瓶買ってなかったんか?〉


「うるさいなぁ!ちょっと試したい事あるから待ってて!」

 でもこれをやろうとすると多分時間がかかる。

 そういえば昨日調べた生産職スキルの中に便利なのがあった気がする。

 獲得可能スキルを開き一覧の中からそれを見つける。


 【促進】 物の状態を早める。早める時間によって消費MPは増えていく。


 これだ。

 獲得に必要なスキルPtは2とちょっと重いけど背に腹はかえられない。


 スキルPt3→1


 〈なんか急に黙ったな〉

 〈放送事故やん〉

 〈おまえら黙っとれ〉


 コメントを無視して袋花に吸魔草を10本ほど入れて袋花の中に魔力を込めていく。

 

 MP 275/275

 MP 265/275

 MP 255/275


 どのくらい込めればいいのか分からないからとりあえず150ほど込めてみる。

「そんでもってここに【促進】!時間は……8時間くらいで。」


 MP 125/275

 MP 45/275


 消費MPは1時間10なのね。

 袋花の中から吸魔草を取り出し見てみる。


 吸魔草[良] 空気中の魔素を吸い成長する草。薬効成分は高いが生息地域により含有魔素が異なるため品質が安定しない。丁寧に摘まれた為品質は良い。含有率100%。


 〈何も変わらんやん〉

 〈一本一本やるのめんどくなったんか?〉

 〈あーそういう事か〉

 〈袋花なんて持ってないから気付かなかったわ〉


 何人かは気付いてるみたいだ。

「多分だけど吸魔草自体に魔力を流してもそれは薬効成分にならないのかなって思ったの。で振り回せばいいってふざけたコメントを見て吸魔草自身に吸わせた魔力じゃないと効果が無いんじゃないって思ったわけ。」


 〈なんだ俺らのおかげやん〉

 〈感謝しろよ〉


「調子に乗るな!」

 つけあがるんじゃないよまったく!

「そんなわけで密封状態にできる袋花に魔力を込めて吸魔草自身に吸わせたの。」


 〈ここまで自信満々に言ってダメだったら笑えるな〉


 考えないようにしてたのにコメントで現実に引き戻された。


「と……とにかくこれで錬金すれば魔水ができるはずなの!」

 論より証拠!さっきと同じ手順で錬金作業に入る。


 魔水 魔力を帯びている水。吸魔草に含まれる魔力が溶けだしてはいるが薬としての効果はない。


「あれ?」


 〈薬としての効果はないwww〉

 〈薬としての効果はないwww〉

 〈薬としての効果はないwww〉

 〈これは恥ずかしい〉


「ちっちがっ……あの、これは……そんなはずじゃなくて……」

 恥ずかしすぎて涙出てきた。


 〈おまえら泣かすなよ〉

 〈泣かないで〉

 〈次に繋げよう〉


「優しくするなぁ!なんか余計惨めになる!」

 間違っては無いはずなんだ……少し違うだけのはず……だって薬効成分はあるって吸魔草のテキストにも書いてあったし……。

「……もしかして。」


 〈こういう生意気な感じの子が泣いてるのとても良いよね〉

 〈悔しいけどわかる〉

 〈べそかきながら作業してる〉

 〈なんか喋ってクレメンス〉


 もう一度錬金をする。今度は火力最大で。


 魔薬水 魔力を帯びている水。吸魔草の成分が溶けだした触媒となる水。


「できた!」

 やっぱり火力だったんだ。前回は沸騰させるとダメだったけど今回は沸騰させないとダメなんだ。

 

「ここまでくれば!」

 昨日と同じ要領で下級薬草と魔薬水を錬金する。


 マナ促進剤 薬草の薬効が魔薬水により変質した薬。MP +100


「ったぁぁぁぁぁ!」


 〈できてるやん!〉

 〈僕は最初から信じてましたよ〉

 〈おめでとう〉

 〈これめっちゃ欲しいんだけど〉

 〈結局魔薬水とやらはどう作るんや?〉

 〈やるやん〉


「みんなありがとうー。でね今回のこの薬なんだけど最初に言った通り流通させたいから作り方教えますね!」

 そう今回は悪目立ちしたくないからさっさと流通させるという目的があるので隠す意味はない。

「えっとまずは吸魔草の扱いなんだけど――」


 こうして立てた仮説、火加減等の注意点を説明した。

 気づけば同接は1万人ほどにまで伸びていた。


「1万人もこれ見てるのってすごくない?もっと私の事ちやほやしてくれても良いんだよ!」


 〈ほんま承認欲求隠さんなこの子〉

 〈可愛いからって調子に乗るなよ〉

 〈やっぱり可愛いよなこの子〉

 〈ミィちゃんprpr〉


「もっと褒めてくれても良いんじゃないかなぁ!もぅ!あ、あと浄化水とか売りたいんだけどどこで買取してくれるのか教えてもらえると助かります。」

 私は作れるからいいけどNPCからしか流通してないみたいだから少しでもお手伝いして他にヘイトを向けたい。


 〈バザーで出品できるよ〉

 〈バザーの無人出品なら顔合わせずに取引できる〉

 〈あれ交渉できないから嫌いなんだよね〉

 〈自販機みたいなもんだししゃーない〉


 バザーなるものがあるらしい……夕飯食べたら見に行ってみようかな。


「なるほど!みんなありがとう!君らも役に立つじゃん!」


 〈は?〉

 〈は?〉

 〈まるでいつもは役に立ってないみたいだな〉

 〈ゆるさん〉

 〈このコメントは非表示にされました。〉


「え?え?何非表示って?」

 こいつら何書いたんだ?


 〈どストレートな表現は自動で非表示にされるんだよね〉

 〈まぁなんて書き込んだかは大体想像つくけど〉


「はえー。えっとじゃあなんか雰囲気怪しくなってきたから今日はここまで!みんなばいミィ!」


 ―――この放送は終了しました。

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