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06.ちやほやされたい私に迫る影

 ――ログアウトしました。


 脳内に声が響きVRゴーグルが上がっていく。


 下げるのは手動なのに上がるのは自動なのか……。なんてくだらないことを考えてると視界がはっきりしてくる。


 気づいたら3時間も経っていた。楽しいけどしっかりアラーム機能使ってやらないとマズいねこれ。


「めっちゃ楽しかった!……けど私これやっちゃってるヤツですよね?」

 胃が痛くなってきた。

「そういえばチュミッターに切り抜き上がってるってコメントあったよね?……一応見てみようかな。」


 スマホを手に取りアプリを起動し、ROM専のアカウントでミィをエゴサする。


 【緊急速報】MP回復アイテム発見される


 そんな感じのチュミートと共に私の動画が流れてる。……泣きながら鍋かき回してる私。


「いや、なんでここなんだよ!」


 仕方ないけどさ!直前にはじめてのポーション作成に成功してボロ泣きだったから仕方ないけどさ!

 それでももうちょっと配慮とかあって然るべきでしょ!

 少し落ち着いたのでぶら下がってるリプライを見てみる。


 〈めっちゃ可愛いやん〉

 〈うちのギルドに勧誘したい〉

 〈この子キルすればアイテム落とすかな?〉

 〈俺だけのためにポーション作らせたい〉


 気持ち悪すぎて鳥肌が立ってきた。


 まぁ実際今日始めたばかりの木端ユーザーなんだからそこまで血眼になって探さないでしょ。

 自分にそう言い聞かせて部屋を出る。

「お母さーんお腹すいたー!今日の晩御飯なーにー?」


 ――――――――――――――――――――


 ――某匿名掲示板


 【Freedom World Online】総合スレ Part.246


 〈あの動画見た?〉

 〈あの動画ってマナポのやつ?〉

 〈このタイミングだろそれしかないだろjk〉

 〈jkといえばあのポーション作った子可愛かったよね〉

 〈通報しますた〉

 〈実際このゲームアバターの外見リアル準拠でそこまで大きく変えられないからあんな感じの美少女がいるってことになるんだよなぁ〉

 〈実際可愛いおっぱいがもっと大きかったら最高だった〉

 〈いやあの強気な感じのメスガキは貧乳こそ正義やろ失敗続きでベソかいてるのめっちゃ可愛かったし〉

 〈反応がリアルすぎてきもいから自重汁〉

 〈あんなポーション作っちゃってあんだけ可愛いってなると実際心配だよな。動画でも今日始めたばかりとか言ってたし〉

 〈そういや浄化水もあの子持ってたよね〉

 〈見た見たウチ薬師だからホント羨ましい。あれ買うと500Gするんだよね。それで作れるポーション5本だから店売りよりちょっと安いくらいにしかならない〉

 〈あれに関しては名前がヒントになってるでしょ〉

 〈俺ドワーフでやってて鉱石探査スキル持ってるけど水を浄化する石なんざ見たことねぇぞ〉

 〈って事は錬金術師の探査ってそこら辺全部見つけられってこと?〉

 〈まぁそうなるやろ〉

 〈もしかして錬金術師って不遇じゃない?〉

 〈動画のコメントでも流れてたけどあの子のステが分からん限りはなんとも言えないでしょ〉

 〈INTとDEXは絶対なんかしらの条件に関わってるだろうからね。検証のために垢新しく作れないってのもこのゲームのもどかしいところだよね〉

 〈でもこの動画流れたら少なからずメイン錬金術師取るやつ出てくるやろ〉

 〈ここ見て始めようと思ってる奴いるか分からんけど錬金術師だけはやめとけよー。なんにせよ謎が多すぎるし取ってダメだった時に嬢ちゃんに八つ当たりなんてみっともない事する奴とかも出る可能性あるからなー〉

 〈禿同〉

 〈禿同〉

 〈誰がハゲやねん〉

 〈でも惜しむらくはミィちゃんのサブ職だよな。モンスター素材とかも使うようになったとしても自力で狩れない拳闘士は辛すぎる〉

 〈錬金拳闘士とかなんかの冗談かと思うよな〉

 〈このスレからすればゴミオブゴミだもんな〉

 〈いや俺はあの嬢ちゃんなら拳闘士でも何かやってくれると信じてる(預言者面)〉

 〈草まぁ分からんでもないけど〉

 〈あー俺もマナポーション欲しいなぁー!ミィちゃん市場に流してくれねーかなー!〉

 〈実際市場に流れるとしたらいくらくらいになるんやろ?〉

 〈20%ポーションが130Gやろ30%にMP40なんて付いてたら普通に4000Gとかするやろ実際配信中にも1回の錬金で1本しか出来なかったとか言ってたし〉

 〈高ぇよ!でもボス戦の備えとしては優秀だからそんくらいしててもしょうがねぇって思えるのがヤバい〉

 〈MPだけ回復するやつとか作ってくれないかなぁ〉

 〈マナ促進剤ってテキストがあったからそれがMPだけ回復するアイテムなのかね?〉

 〈なんにせよ現状お嬢ちゃんしか作れないからなんともだなぁ〉

 〈とりあえずミィちゃんが嫌になって辞めたなんて事にならないよう祈っとくわ〉

 〈紳士現る〉

 〈楽しんでやって欲しいよなぁせっかくの神ゲーなんだから〉

 〈わかりみ〉

 ――――――――――――――――――――――


 ――パソコンの光りのみが光源の部屋。

 ――本スレを覗く怪しい影。


「ミィちゃんほんと可愛かったわぁ。あの虐めたくなるメスガキ感……ロールプレイだとしても滅多にお目にかかれないわよ!」


 本スレを閉じミィちゃんスクショと書かれたフォルダを開き画像を開く。

 奇跡としか思えない美少女を見つめ私はお酒を飲む。

 美少女とか見てるだけでツマミになりますわ。


「今度ログインしたら全力で探しましょ……。」


 そう誓うと私は次の画像を開いた。

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