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43.ちやほやされたい連戦です

 魔力溜まりに足を踏み入れると周囲の雰囲気が変わった気がする。


「なんか嫌な感じがする。」

 肌寒いというかプレッシャーというか言葉にしづらいが違和感を感じる。


「最初はそうかもしれないですね。でも慣れればあまり気にならないですよ。」

 委員長は全然平気なようだ。まぁ慣れなんだろう。


「そんなもんなんだ。……っと敵が来たみたい。」

 慣れない違和感に多少の不快さは感じるが敵は待ってくれないみたいだ。


「まずはアースエレメントが5体ですね。」

 通常のエンカウントだと3以上は珍しいのだがいきなり5体。やっぱり2人で入ったのって間違いなんじゃないかな。


 そんな事を考えていると委員長が敵に向かって駆け出していった。

「ミィさんはそこで見ていてください。これくらいなら私だけで大丈夫ですので。」


「……すご。」

 先程までのフィールドでは手を抜いていたのだろう。委員長の動きは明らかに速く、力強くなっておりアースエレメントたちを次々と薙ぎ払っていった。


「おりゃりゃりゃりゃ!ミィさん見てますか!」

 こっちに話しかける余裕もあるみたいだしほんと戦闘に関しては凄まじいものがある。


「見てるよ。レインほんとすごいね。」

 あっという間に5体のアースエレメントが消えた。アイテムドロップは無いみたいだ。


「さぁ次来ますよ。」

 アースエレメントが消えると次にグラススネークが7匹現れた。


 グラススネーク 若草色の中型の蛇。毒は持たないが瞬時に生え変わる返しの付いた牙を用いて獲物を狩る。

 HP1200/MP5


 委員長を囲むように現れたヘビが一斉に飛びかかっていた。


「危ない!」

 流石に7方向からの攻撃は捌き切れないと判断し援護に向かう。


「よっと!」

 掛け声と共に委員長は剣を振り正面の2匹を倒しそのまま包囲を突破した。


「……危なくなかったね。」

 本人が大丈夫って言ってるうちは本当に大丈夫なのかもしれない。


 そうして7匹のヘビを斬り伏せる委員長。

 「まだまだ余裕ですね。さぁ次が来ますよ。」


 なんかカッコよく見えてきた。女子だけどイケメンって感じだ。

 そんな事を考えてると次の敵が現れた。


 岩を背負った大型のトカゲのようなモンスターが3体。

 フィールドでは現れなかった敵なのでアナライズをしてみる。


 アースリザード 岩のような甲殻を持つトカゲ。岩に擬態し獲物を捕食する。基本は大人しいが魔力に当てられると凶暴化する。

 HP1800/MP40


 魔力溜まりだと凶暴化する感じなのかな。

 というかHP多くない?


「うえっ!もうアースリザードが出てくるんですか……ミィさんちょっと手伝ってもらっていいですか?」

 委員長から救援要請が来た……という事はこいつは一筋縄ではいかないのであろう。


「任せて。何すればいい?」

 火力が無いので積極的には前には出れない都合上メイン火力の委員長の指示に従った方がいいと判断した。


「私が削るのでトドメを叩き込んでください!」

 いや私にそんな火力は無いよ!


「無理無理!私にそんな攻撃力無いよ!」


「称号バフが乗ってるはずなのでいけるはずです!私の後に続いてください!」

 そっか【大物喰らい(ジャイアントキリング)】と委員長が削ってくれるなら【加虐嗜好】も発動するのか。


「それなら……【練気】」

 さらに籠手に魔力を流し込み性能を底上げする。


「はぁっ!」

 委員長がアースリザードに突っ込み大剣を振るう。

 片刃の大剣の刃を背にし峰を力任せに振るう。


「【連撃】!」

 委員長がスキルを発動するとアースリザードの甲殻にヒビが入った。


「ミィさんお願いします!」

 委員長の掛け声で大きくジャンプをし右手を振り上げる。


「【重化】」

 体重を乗せ委員長が付けたヒビに向かって拳を振り下ろす。


「おりゃぁ!」

 【加虐嗜好】は発動しなかったがそれなりの攻撃力はあったのだろう甲殻が砕け散りアースリザードはスタン状態になった。


「レインさんやりました!」

 お膳立てしてもらったとは言え格上の相手に対しちゃんとしたダメージが与えられたのが嬉しくて思わずテンションが上がる。


「ナイスですミィさん!じゃあ次もお願いします。」

 私が攻撃を入れている間に委員長は次の敵にターゲットを変えて攻撃をしていた。


「フィジカルほんとすごいなぁ……っ!」

 感心していると少し離れたところのアースリザードに魔力が集まっているのを感じた。


「レイン!なんか来る!」

 嫌な予感がしたのでレインに注意を呼びかけるが少し遅かった。


「はい?……うあっ!」

 アースリザードの口から放たれた岩の礫がダイレクトヒットしレインは吹き飛んだ。


「レイン!」

 吹き飛んだレインに駆け寄る。


「来ないでください!まだ戦闘は続いています!」

 ポーションを飲みながら立ち上がるレインに止められる。


「……わかった。」

 先程までレインが攻撃していたアースリザードの甲殻にヒビが入っていたので先程の要領で攻撃をする。


 グガァァァ

 前の敵よりダメージが入っているようでアースリザードが消滅した。


「ナイスです!」

 ポーションを飲んだ委員長が素早く戦線に戻り残りのアースリザードに攻撃を仕掛ける。


「危なかったけどこうなったらもう消化試合だね。」

 横槍も入らないこの状況ならひとまず安心だろう。


「いつも通りならあと2回くらいで終わりますよ。ミィさん頑張っていきましょう。」

 少し危なかったけど同じ調子で後2回ならクリアできるかな。


「わかった。迷惑かけると思うけどよろしく。」

 そんな会話をしていると次のモンスターが現れた。


 アースエレメント5体

 グラススネーク10匹

 アースリザード2匹

 そして見たことない鳥型のモンスターが2匹


 シャープイーグル 草原を翔る鷲。素早さと飛行制御に特化した空の住人は空中より獲物をその鋭利な嘴で貫く。

 HP500/MP0


 HPが低いって事はそれ以外のステータスが高いのだろう。説明にも素早さと飛行制御って書いてあるし……私たちじゃ倒せなくない?


「え?いやなんで……シャープイーグルなんて今まで出た事なかったのに……。」

 委員長が焦ってる……もしかして本当にまずい?


「レイン。あれどうすればいいの?」

 ひとまず私は対処法を知らないので尋ねる。


「えっと……基本的に素早いから突進してくるところにカウンターを入れるんですけど……正直地上の敵が多すぎて捌ける気がしないです。」

 カウンターなら私の戦闘スタイルだしなんとかなるけど確かに地上のアレを気にしながら集中力のいるカウンターは厳しいかもしれない。


「普段こんな組み合わせって無いの?」

 あの反応だと珍しいのは分かっているが一応確認をする。


「全然無いですよ。そもそもシャープイーグルが出る事自体初めてですし、数だって普段は多くて7とかなんですよ。」

 今出現しているのは19……倍以上じゃない!


「もしかして絶体絶命?」


 デスペナルティも覚悟しておかないとなぁとか思いながら戦闘へと臨む私であった。

遅れてしまい申し訳ありません。


今週中に1〜2回は更新したいと思ってます。(願望)


感想は全て目を通させていただいております。

いただけると励みになりますので皆様よろしくお願いします。

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[一言] 大量発生ピンチ
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