41.ちやほやされたい共闘です
――始まりの森
「レインの武器は……大剣なのかな?」
軽装の装備だったので勝手に片手剣とかだと思っていたが身の丈ほどの大剣を装備していた。
「はい!素早く動きたいから装備は軽量なんですよ!」
すごい元気だ……クールな委員長は一体どこに……。
「その……できればもっと砕けた話し方をしてほしいと言うか……敬語やめてほしいって言うか……。」
いつも丁寧な話し方をしてる委員長だけど今日の委員長は熱が入りすぎてて同じ敬語でも違和感がすごい。
「あっ……すいません。ほんと私ミィさんの配信が好きで……見た目が可愛いのもそうだし、頑張る姿もすごい好きで……。」
好いてくれてるのは伝わってくるから邪険にはできない……こういうところは我ながら甘いと思う。
「とりあえずいつも学校で話してるようにしてよ。そういう話し方聞いてるのも疲れるし。」
それでも釘は何度でも刺しておく。
「わかりました。…………善処します。」
当分無理だろうなこれ。
「頼むよほんと……。」
呆れていると近くからモンスターの気配がした。
「……ミィさん、敵です。」
委員長も気付いたようだ。前衛としてはしっかりしているようでそれは安心できる。
グルルル……
現れたのはおなじみグリーンウルフ。
「任せてください!」
敵が戦闘体制に入る前に委員長がすっ飛んでいきグリーンウルフを一刀両断した。
「あー素材残らん奴だなこれ。」
案の定ドロップした素材には[不可]の文字が付いていた。
「大丈夫ですかミィさん!」
キラキラした目でこっちを見てくる委員長。
「大丈夫だけどそんなグリーンウルフくらいで大袈裟な。」
私だってグリーンウルフくらいなら狩れるし。
「だって初遭遇では泣いてましたし……複数相手でも泣いていたじゃないですか!」
痛いところを突いてくる……あれは私の中では黒歴史なんだから勘弁してほしい。
「あーそれは忘れてもらえるとありがたい……です。」
「いやあれは可愛かったので忘れるなんてできません!」
言い切られた。多分これは無理だろう。
「にしてもすごい威力ね。素材もぐちゃぐちゃになってるくらいだし。」
正直ここまでぐちゃぐちゃだと素材採集は諦めた方が良さそうだ。
「すいません。火力一辺倒なんで戦闘は自信があるんですけど……その素材採集は苦手でして。」
本人も気にしてるようだしあんまり触れないようにしよう。
「まぁグリーンウルフの素材くらいなら私でも採れるから気にしなくて良いよ。」
こんな事くらいならおいおい解決すればいいでしょ。……あれ?自覚なかったけど委員長と今後も遊ぶ気はあるのか私。
「ありがとうございます。やっぱりミィさんって優しいですね。」
やっぱりこの人は私を神聖視しすぎだと思う。こんなの優しさでもなんでもないよ。
「とりあえず次からは私も戦闘に参加するからよろしく。」
さっきみたいな感じで一撃で全部やられちゃうと姫プみたいで嫌だからそこははっきりと伝えておく。
「わかりました。でもあの程度だと私一撃なのでそんなに参加できないと思いますよ。」
どうやらこの火力お化けにとってこの森は適正レベルではないみたいだ。
「うーん私にとってはこの森でも良い感じの難易度なんだけどレインだとちょっと物足りない感じなのかな。」
パーティー内のレベル差って難しいよね。どっちに合わせてもどっちかが苦労するし。
「それなら私がいつも言ってる草原に行きましょうか?」
草原?森を抜けた先にあるのかな?
「いいよ。いつも行ってる場所なら大丈夫だと思うし。」
普段の狩場なら大丈夫でしょ……多分。
「じゃあ行きましょう!いやー楽しみだなー。」
委員長の足取りが軽くなりスキップ混じりになった。どんだけ楽しみなんだ。
――風の草原
森を抜けた先は涼しい風の吹く気持ちのいい草原だった。
「うわー気持ちいいー。」
見渡しがよく日差しが気持ちいい開けた草原はとても居心地が良いものだった。
ピクニックとかしたいな。
「ここのエリアは見通しが良くて不意打ちとか少ないから狩りをするにも良い場所なんですよ。」
たしかに草の背が低いから不意打ちとかは無さそうだ。
「不意打ちされないのは良いなぁ。私の射程距離短いからすごく助かる。」
拳で戦うスタイルだから本当に助かる。
「まぁ不意打ちされても私がいれば大丈夫ですけどね。ミィさんには指一本触れさせませんよ。」
すごい自信だ……ありがたいけど重いなぁ。
そんな雑談をしていると背後から草をかき分ける音が聞こえてきた。
「来ましたね。」
「本当にわかりやすいフィールドだね。」
2人で武器を構える。
飛び込んで来た黒い影に大剣の腹で応戦する委員長。
「おっと……。ミィさん大丈夫ですか?」
飛び込んで来た影を確認すると大きめの石の周りを小石が小型の竜巻のように浮かび回っている現実には居ないものだった。
「あれはアースエレメントって言います。石を飛ばしてくるのでそこは注意してください。」
委員長が説明してくれたが一応アナライズで確認してみる。
アースエレメント 空気中の魔力により生まれた精霊の一種。知能は低いが低級魔法は扱える。
HP 1000 MP80
「精霊なんだ……。」
さくらさんのアクセサリーに加護を与えてる精霊とは別物……だよね?
「私が牽制しますので隙を見て攻撃してください。」
委員長が指示を出してくるが全体的にふわっとしている……隙ってなんなの。
「でりゃぁぁぁぁ!」
雄叫びを上げながら委員長が突っ込んでいく。
「蛮族かな?」
大剣を軽々と振り回し攻撃を加える委員長は少し怖く感じた……まぁ味方としたらありがたいのかな?
「そっち行きました!」
委員長の猛攻から逃れたアースエレメントがこちらに向かってくる。
「あんだけ切られてたらそりゃ堪らないよね。」
アースエレメントの中心に位置する大きめの石は委員長の攻撃によりボロボロになっていた。
「あそこまで痛めつけられてると攻撃するのも憚れるけど……ごめんねっ!」
中心部の石にカウンター気味に拳を叩き込むとアースエレメントは砕け散り消滅した。
「ミィさん流石ですっ!」
委員長が褒めてくれたが【加虐嗜好】が発動していたので8割削っていたのは彼女だ。
「いや私よりレインのおかげだよ。1撃まで削れてたしほんと攻撃力高いんだね。」
委員長の戦闘は攻撃力の高い大剣を振り回し相手を圧倒するストロングスタイルだ。同じ前衛としては圧倒的な差があるので素直に感心する。
「初の共闘もうまくいきましたしこれからどんどん狩っていきましょう!」
共闘って言っていいのか分からないけど満足そうだしよしとしよう。
「まぁせっかくのパーティープレイだし私も楽しもうかな。」
こうして私たちは草原を進んでいった。
本当に大変お待たせして申し訳ありませんでした。
これからは週2更新を目指していきますのでよろしくお願いします。
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