38.ちやほやされたい今後の話
「えっと……カリンって言います。よろしくお願いします。」
いきなり連れて来られたであろうカリンちゃんは少し困惑した感じで自己紹介をした。
「えーっといきなりごめんね。私は《Secret Garden》の店主のアリナです。こっちはもう1人の店主のミィ。」
アリナが紹介してくれたので軽く会釈をする。
「カリンは私たちの幼馴染なんです。働くにしても気の許せる知り合いが一緒の方がいいので出来ればカリンも雇って欲しいのですが……どうでしょうか?」
リリちゃんがカリンちゃんの事を説明してる。
労働というものをした事がない私からするとモチベーションに繋がるなら良いんじゃないかなと思うけどどうなんだろう。
「別に良いわよ。真面目そうな子だし働くからにはのびのび働いて貰いたいからね。」
アリナがそう言ってくれたので雇用も問題なさそうだ。
朝からバタバタしていてよく見れていなかったのでここで改めて3人を観察してみる。
まずはリリちゃん。ナナちゃんの双子のお姉ちゃんとの事だけど背はナナちゃんより低くお胸は大きい……いや目に付いただけでそういう趣味はありません。
少し暗めで長めの青い髪をそのまま垂らしていてとても清楚に見える。
そしてナナちゃん。リリちゃんより背が高くお胸の方は絶壁といってもいい程に無い。
明るめの赤い髪をポニーテールで結んでいて元気いっぱいな感じはリリちゃんとは対照的な印象だ。
最後にカリンちゃん。2人の中間くらいの背で2人の中間くらいのお胸。
綺麗な金髪をサイドテールで結んでいる良くも悪くも普通の女の子って感じだ。
「なにニヤニヤしてるの?ちょっと気持ち悪いわよ。」
アリナに突っ込まれてしまった。そんな気持ち悪い顔をしていたのだろうか?
「そんな顔してませんけど!」
「いやしてましたね。」
「ミィちゃんちょっとキモかった!」
「ごめんなさい……ちょっと気持ち悪いって思っちゃいました。」
あれ?おかしいな。みんながいじめてくるぞ?
「ま、まぁその話は置いておきましょう。で……シフトの話だよねアリナ!」
話題を早急に替えないと危険な気がしたのでアリナに話を振る。
「……そうね。とりあえずシフトに関しては水曜日以外の12時から21時を空けないようにしてくれればいいからそれは3人で相談してちょうだい。日給は500Gで売り上げによってボーナス出す感じにするわ。」
「ボーナス出るんですね。」
リリちゃんが少し驚いている。朝話した段階でボーナスの話はなかったので急遽決めた事なのだろう。
「予想以上に売り上げが凄かったからね。私とミィからボーナスは出させてもらうよ。」
アリナがこちらに目配せしてくる。断る理由は無いので軽く頷く。
「在庫の無い商品に関しては私とミィにメッセージを送ってくれればいいからそんなに気にしないでいいわ。」
NPCからもメッセージ来るのは知らなかった。
「わかりました。カリンもそれで良い?」
「うん。大丈夫だよリリちゃん。」
「じゃあカリンちゃんも一緒なんだね!」
わいわいしてる3人を見てると本当に仲がいいんだろうなって微笑ましく思える。
「じゃあ明日からもよろしくね。」
アリナが締めの挨拶をする。
「こちらこそよろしくお願いします。」
「えーっとよろしくお願いします。」
「よろしくね!」
みんながそれぞれ挨拶をする。同年齢くらいだけど正直可愛い。
「迷惑かけるけどよろしくお願いします。」
私も挨拶をして今日はお開きの雰囲気となった。
――――――
「あっそうだアリナちょっといい?」
在庫補充が一段落したのでアリナに声をかける。
「どうしたの?」
アリナも手を止めてくれる。
「えっと……これあげる。いつもありがと。」
インベントリからこの前のコラボ放送で作った指輪を取り出しアリナに渡す。
「これは?」
「いやいつも色々助けてもらってるからお礼の意味でプレゼント……迷惑かな?」
拒否されるとは思ってないので少し意地悪な言い方をする。
「いや!そんな事ないよ!いきなりだから驚いただけで嬉しいわ!」
すごく慌ててる。いつも冷静だから新鮮だし嬉しい。
「よかった。じゃあこれからもよろしくねアリナ。」
そう言って指輪を手渡す。なんかちょっと恥ずかしくなってきたぞ。
「あうあうあう。」
アリナはアリナで顔を真っ赤にしているし余計恥ずかしくなってきた。
「あー……それじゃ在庫補充も終わったし、プレゼントも渡せたから私今日はもう落ちるね。おやすみアリナ!」
気まずい雰囲気を感じたので逃げるようにログアウトする。こういうところがコミュ障たる所以なのだろうと実感する。
――ログアウトしました。
次回は日曜か月曜に更新します。
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