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35.ちやほやされたい開店です!

「面白かったわよ!」

 翌日の朝ログインすると開口一番アリナが誉めてきた。気分がいい。


「そんなに良かったかなぁ。いやぁ照れちゃうなぁ。」

 我ながら気持ち悪い反応だと思うけど嬉しいものは仕方ない。


「さくらのあの焦った顔とか最高だったわ。」

 そんな顔してたっけ?全然覚えがないんだけど。


「よくわからないけど面白かったならよかったよ。」

 アリナは見るところが特殊なのかなって言葉は飲み込んだ。


「あと1時間くらいで開店の時間だから看板出しましょうか。」

 大々的な看板は出さずに立て看板だけにしようと2人で話していたので店の前に看板を出す。

 デザインはアリナがやってくれたよくわからないけどおしゃれな感じのものだ。


「じゃあ出してくるね。」

 そう言ってお店の扉を開けるとそこにはぱっと見100は超えるであろう人がいた。


「何人居るのこれ?」

 宣伝はしたのだからある程度人が来るとは思っていたけどこんなにいるのは予想外だ。


「アリナ!人がいっぱいいて大変なことになってる!」

 慌てて中へ戻りアリナに報告をする。


「そりゃあんだけ見てる人がいる中で宣伝したんだし想定内よ。」

 あ、アリナさんは冷静なんですね。


「いや無理だって。ただでさえ面と向かって会話なんて出来ないのにあんな人数とまともに話せるわけないよ!」

 慌てて会話にならない自分が安易に想像できる。


「NPCをバイトとして雇ってるから対応は大丈夫よ。」

 バイト?なんの話?


「日給で働いてくれるNPCってシステムがあってねこうなることわかってたから2人雇っておいたのよ。多分そろそろ来るはずよ。」

 どこまでも気が利く人なんだなと改めて感心した。


 コンコン

 裏口の方からノックが聞こえたので扉を開ける。


「すいません。本日からこちらで働かせていただくリリです。」

「ナナです!」

 16歳くらいの女の子2人がそこにはいた。名前を確認するとNPCのようだからこの子達がバイトの子なのだろう。


「待ってたよ。とりあえず入ってちょうだい。」

 アリナが対応してくれたので私も後をついていく。


「前に説明した通りだけど2人には接客と商品の補充をお願いしたいの。日給は500Gで勤務時間は12時から21時で休憩は1時間シフトに関しては2人で相談して水曜以外の週6日を空けないようにしてくれれば良いから自由にしてちょうだい。」

 事前に説明してくれてたみたいですんなりと話が決まっていく。私の出る幕は無いみたいだ。


「あとこっちの子がこの店のもう1人の店主のミィよ。薬関係の在庫がなくなりそうだったらこの子に言ってね。」

 急に紹介されたので一応自己紹介をする。


「えっと、一応店主のミィです。働きに来てくれてありがとうございます。基本的にお客さんの対応は任せると思うのでよろしくお願いします。」

 最初に自分のスタンスを伝えておかないといけないと思うのではっきりと接客は任せると伝える。


「よろしくお願いします。私はリリと申します。こちらは双子の妹のナナです。」

「ナナです!よろしくね!」

 リリちゃんはしっかりしてそうでナナちゃんは元気いっぱいな感じなのね。よくある双子設定でとても良いと思う。


「それでね。ミィにちょっとしたサプライズなんだけど。」

 そういうとアリナはストレージからディスプレイのようなものを取り出した。


「何それ?」

「これは遠隔ディスプレイっていうアイテムで配信モードをゲーム内だけで共有するアイテムなの。これをセットすれば画面越しで接客できるわよ。」

 神アイテムか?


「まともな接客できない方が支障大きそうだからね。仕方ないけど必要経費よ。」

「……そこは申し訳ありません。」

 自覚しかないから言い訳ができない。


「じゃあこれをカウンターの上の壁にセットしてっと。」

 50インチくらいのディスプレイが壁にかかると流石に圧巻だった。


「それと店側の声もコメント風に流れるようになってるから反応してあげてね。言わなくても大序だとは思うけど。」

 原理はわからないけど生の声が届かないのはナイスだ。


「じゃあ最後にルールの確認ね。まず薬関係は1人1日各5本まで錬金鋼は1人1日1個まで、買ったものの転売対策で1ヶ月の販売禁止設定で良いわよね?」

「錬金鋼に関しては加工した物の販売は良いんだよね?」

 流石に加工したものまで転売対策に引っかかるのは可哀想だと思う。


「そこは大丈夫買ったものそのままを規制してるから加工して名前が変わった物は対象になってないわ。」

 さすがアリナそこまで気が回っているとは。


「それじゃ確認も終わったしエプロン配るわね。」

 そういうとアリナは黄緑色のエプロンを配り始めた。胸の部分に《Secret Garden》のロゴが入ってるシンプルなデザインだ。


「綺麗な色……良いねこれ。」

「作りがしっかりしてて良いですね。」

「わぁー良い色!」

 3人がそれぞれの反応を見せる。


「じゃあそろそろ開店だしみんな頑張りましょう。じゃあミィからも一言みんなにお願いね。」


「えー、さっき外を見てきたらちょっと大変な事になってたし、私は接客だと役に立たないしみんなに助けてもらわないとなんもできないけど商品はいくらでも用意するから皆さんよろしくお願いします。」


「主力はミィの薬なんだしそこは気にしなくても良いよ。」

「大丈夫ですよ。ミィさんの分も私とナナが頑張りますから。」

「ミィちゃんはお薬いっぱい作れるんでしょ?そっちの方がすごいと思うよ!」


 みんな優しいなぁ……嬉しくてちょっと泣きそう。


「それじゃ開店時間だし頑張りましょう!」

お待たせして申し訳ありません。

次回更新はコミケがあるので15日予定です。


感想などいただけると励みになりますのでよろしくお願いします。

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