04.ちやほやされたい配信準備
「えーっと……これで良いのかな?」
慣れない作業に四苦八苦する私。これから初配信をしようというのに全く準備が進まない。
「まずは配信オプションをオンにして……。」
するとカメラみたいなオブジェクトが出てきた。なんか私の後ろをずっと漂ってるんだけどどうすればいいのかな?
「…………雑談モードってのに切り替えれば良いのかな?」
切り替えるとカメラが私の目の前に来た。
「なるほど……そしたらこのカメラ距離ってのとカメラ固定ってやつ弄れば一応配信準備できてるって事で良いのかな?」
撮影場所はスターティアの外れの方、ナンパされて逃げてきたところの近くにあったベンチとテーブルの所。
「一応最終確認しておこう。えっと……雑談配信中は撮影モード状態になって許可されたプレイヤー、オブジェクト以外は配信エリアに入れない。そして配信エリアは基本なにも無い白い空間で背景なんかはアイテムを使えば変えられる。」
戦闘配信だとまた変わってくるのだが今の所戦闘配信はする予定がないので気にしないようにしよう。
「うー……緊張してきた。やっぱり辞めよっかな……。いやダメだ!私は変わるんだ!そしてちやほやされるんだ!」
意を決して配信待機ボタンを押す。
瞬間、光に包まれて私は真っ白な空間に飛ばされた。
「ここが配信エリア……。ほんとになにも無いわね。」
殺風景すぎて寂しさを感じるけど背景アイテムは持ってないので今回はこれでやるしかない。
「えっと……オブジェクトは私が許可したものしか入らないんだよね?それなら座ってた椅子と目の前のテーブルを許可して。」
すると目の前にさっきまで近くにあった椅子とテーブルが現れた。
「錬金セットをテーブルに置いて……よし!」
撮影準備が終わりいざ配信開始ボタンを押そうとする。
「あ!配信タイトル入れてなかった。」
あぶないあぶない。このままだとせっかくの初配信がなんも情報のない動画になる所だった。
とりあえずわかりやすいタイトルでいいかな?
【初配信】はじめての錬金術【頑張ります!】
このくらいシンプルな方がわかりやすいと思う。うん!これしかない!
今度こそ配信開始ボタンを押す私。
さぁこれが私の最初の一歩だ!