33.ちやほやされたいコラボ配信2
「まずは精霊紋について説明するね♪さっきも言ったけど精霊さんの力を借りる為の物なんだけど正しく刻まれてないと効果が無いから注意してね♪」
説明聞いてると出来る気がしないんですけど。
「えっと……それって私には刻めるものなんですか?」
もしかしてさくらさん自分が基準になってない?
「刻むだけなら誰でも出来るよ♪仕上げに精霊術が必要だからさくらがいないとアクセサリーとしての効果は発揮しないけどそこはちゃんとやるから安心してね♪」
必要ステータスとかには言及してくれないのか……本当にできるの?
〈とりあえずやってみろって、いつもそうしてるだろ〉
〈1発で上手くいくことなんてお嬢の配信じゃ無いんだからいらない心配だろ〉
〈姫様に教えてもらえるとか羨ましい〉
〈男だったら許されない事だったわ〉
ちょっとトゲを感じるがうちのリスナーが言うことももっともだ、ひとまず挑戦しないと始まらない。
「わかりました!それじゃよろしくお願いします!」
気合を入れ直しさくらさんに進行を頼む。
「まぁやる事って言ってもこれの通りに彫るだけなんだけどね♪」
そう言うと文字のような模様が書かれた紙を出してきた。これが精霊紋とやらなのだろう。
「ミミズみたいな……文字?」
なんか古文書とかに記されてそうな文字列がそこにはあった。
「難しいと思うけどさくらもサポートするからがんばってね♪」
すごくいい笑顔で言ってるけどサポートでどうにかなる範疇なのこれ?
〈鬼畜すぎワロタ〉
〈姫様がサポートしてくれるのだから文句言いなさんな〉
〈あれを初見とか公開処刑だろ〉
流石に私のリスナーも同情してくれてるみたいだ。
「…………わかりました。やってみます!」
(これを初見でやるなんてできるわけないでしょ。少し恥かいて私を引き立てなさい。)
さくらさんの方から視線を感じる。こんなにしっかり見てもらえてるんだし頑張ろう。
「じゃあまずはさくらがお手本見せるね♪」
そう言うと万年筆のような道具を取り出し錬金鋼のブレスレットに精霊紋を彫み始めた。
描かれる軌跡が緑色に光り輝き錬金鋼を染めていく。
「錬金鋼の色が……変わってる?」
魔力に反応しているのか薄い緑色に変色していく錬金鋼。
〈錬金鋼ってすごいな〉
〈今までの姫様の枠であんな反応した金属見たことないから錬金鋼の特性なんだろうな〉
〈魔力で変質してるんだろうけど精霊紋が原因なのかあれ?〉
〈ミィのやらかし案件がまた増えた〉
「いや!あれは私のやらかしじゃないでしょ!」
制作に目を奪われていたが私への風評被害は見逃さなかった。
ツッコミを入れてる間に光はどんどん強くなっていった。
「これさくらさん大丈夫なの⁉︎」
光に飲み込まれていくさくらさんを見てちょっと焦る。
〈放送事故やろこれ〉
〈姫大丈夫?〉
〈あーあなんてもん渡してんだ〉
〈ミィちゃん謝罪の準備しとけ〉
「いや!これも私のせいじゃないでしょ!」
コメントでは私への責任追求が流れていた。言ってるのは私のリスナーだろうけど。
数分後、光が収まるとそこには座り込んでいるさくらさんがいた。
「さくらさん!大丈夫ですか?」
急いで駆け寄る。何かあって炎上なんてごめんだ。
「う、うん。大丈夫だよ。」
あれ?なんか語尾に元気がない本当に大丈夫なの?
「さくらさん?なんか元気ないですけど大丈夫ですか?」
ぼーっとしてるようにも見えるのでもう一度声をかける。
「あの……MPが全部持ってかれちゃったみたいで力が抜けちゃったの。」
あの光はMPが吸収されてる光だったのか。
「それならこれ飲んでください!」
インベントリからマナ促進剤を数本取り出しさくらさんへ渡す。
「ありがとう……貰うね。」
そう言うとさくらさんはマナ促進剤を3本飲み干した。
「ふぅ……さくらふっかーつ♪いやぁいきなりMPが無くなってびっくりしちゃったよ〜♪ほんとすごいねこの素材♪」
そう言うと出来上がったブレスレットを差し出してきたので詳細を確認してみる。
新風の腕輪 精霊に愛されし腕輪。 その腕輪は精霊を縛るものではなく友好の証。魔力に応じ友は力を貸すであろう。
【AGI】+15
【精霊の加護】魔法攻撃力+10% MP10/3m
配信の時は見えなかったが今度はしっかりとステータスが見える。許可してくれたのだろう。
「スキル持ちのアクセサリーだ!」
〈ゔぉーすげー〉
〈錬金鋼の特性だよなこれミィ嬢の武器もスキル持ちだし〉
〈姫様流石!〉
「ミィちゃんありがとー♪さくらこんな凄いの初めて作れたよ!ほんとうに……ほんとうにありがとう!」
そう言うとさくらさんが抱きついてきた。
ぺったんこな胸が顔に押しつけられて少し痛かったけど悪い気はしない。
〈ずるい!〉
〈キマシタワー〉
〈不敬ぞ〉
¥50,000〈〉ユーリ
数十秒するとさくらさんは落ち着いたのか私から離れていった。
「じゃあ次はミィちゃんの番だね♪ミィちゃんの道具だとさくらは手伝えそうにないから別の形でサポートしてあげるね♪」
そう言うと紙に小さく精霊紋を書いたものを私の指輪へと貼り付けた。
「これをなぞって頑張ってみてね♪細かいけどミィちゃんならできるよ♪」
正直ありがたいアシストだ。指輪サイズに書き直してくれたおかげでなんとか私でもできそうな気がしてきた。
「ありがとうございます!これならできる気がします!」
〈すげぇ下駄履かせてもらってるやん〉
〈これでできなかったら謝罪な〉
〈姫様優しい!〉
〈これなら楽勝やろ (フラグ)〉
「君ら私のことなんだと思ってるの?」
絶対後で説教配信してやる。
こうして私のはじめてのアクセサリー作りが始まった。
次回でコラボ編完結です。
次回更新は火曜日を予定しております。
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