24.ちやほやされたい素材採集
翌日学校から帰りログインをするとさくらからメッセージが届いていた。
[お久しぶりです。さくらです。先日誘わせていただいたコラボの件ですが一度打ち合わせがしたいので都合のよろしい日を教えていただいてもよろしいでしょうか?]
なんかすごく真面目な文章が届いた。ギャップで風邪引きそう。
[丁寧にありがとうございます。土曜日なら都合がいいのでそこでお願いします。時間は合わせます。]
返事をする。丁寧な文なんて打たないからどうすればいいのかわからない。
[返信ありがとうございます。それでしたら15時でお願いします。場所は私のお店で大丈夫でしょうか?]
[それで大丈夫です。よろしくお願いします。]
「とりあえず土曜に打ち合わせならそこからさらに時間は延ばせるよね。」
ならまだ時間はある。生産はあと2日も有ればできるから新商品開発に4日以上は使えるはず。
「さて……頑張りますか!」
アリナの期待に応えるため、そして私たちのお店の為にも凄いもの作ってやるぞ!
「と言ったものの新しい素材なんてそうそう見つからないよね。」
途中グリーンウルフに襲われたがレベルも上がったので相手にはならなかった。
「何か探査に引っかかる物ないかなぁ」
ミニマップに広がる点を見ていると水の中に動く点があった。
「水の中に何かある……のかな?」
水も素材なので青い点で表示されている為その中で動く点に気付けなかった。
近づいて確認すると魚が泳いでいたのでミニマップと照らし合わせてみる。どうやらこれが素材のようだ。
ツノウオ 骨がツノのように発達した魚。キモに滋養強壮効果がある。身は淡白。
わかりやすい説明で助かる。これのキモを使えば新しい薬ができるかもしれない。
捕獲しないといけないけど流石に手では捕まえられる気がしないので一旦雑貨屋に戻ることにする。
「準備も無しじゃ流石に無理だろうし……釣竿とか売ってないかな?」
――――――
「おばちゃん。釣竿ってある?」
「あるよ。何釣るんだい?」
流石雑貨屋当然のようにあるみたいだ。
「ツノウオっていうのを釣りたいんですけど、何か良い竿あります?」
わざわざ聞いてきたってことは釣る相手によって変わるのかもしれない。
「ツノウオかい。それなら餌にマッドワームを使うといいよ。20匹で300Gだよ。」
そう言って見せられたそれはミミズみたいな虫だった。
「それなら釣竿とマッドワームを60匹お願いします。」
「はいよ!1900Gだよ。」
お金を払い商品を受け取る。
「ひとまず捕獲の問題はこれで解決かな。」
問題は私はこれまでの人生で釣りをした事が無いということだけど……まぁどうにかなるでしょ。
――――――
「いやぁ釣れない。」
正直舐めてた。全然釣れないよコイツら。
「アリナ釣りが得意とかそんな都合のいい事ないよね?」
一応メッセージ送って確かめてみるか。
[釣り?できるよ。]
都合良すぎでしょ。というかアリナ多才だな。
ツノウオの存在とその素材が欲しい事と釣竿とかはある事をメッセージで送ると釣ってくれるという返事が来た。
「感謝しかないなぁ。足向けて眠れないよ。」
その後素材を集めているとアリナがやってきた。
「リアル志向の悪いところよね。釣り経験無いと難しいよねこういうのは。」
「私釣りなんてやった事ないからほんと無理。ほんと助かったよアリナ」
こんな話をしているうちにどんどんとツノウオを釣り上げるアリナ。
「なんでアリナはこんな釣りが上手いの?」
「一時期ハマっててね。忙しい時に心を無にしたくて休日はずっとやってたのよ。」
大人の人のストレスは半端ないって聞くし多分そういう事なのだろう。
「へー大人も大変なのね。こんなこと言ったら怒るかもだけどその時のアリナに感謝だなぁ。だってお陰で今すごく助かってるんだもん。」
「あはは。まぁミィの助けになってるならそんなに悪くはなかったのかな?」
少し照れたようにアリナは言った。
「おぉー結構釣れたね。」
アリナは持ってきた餌を全て使い切りツノウオを43匹釣り上げていた。
「ひとまずこれだけあれば足りる?」
「多分足りるかな。何度か試さなきゃいけないけどそれでも余裕はあると思う。」
多少は錬金の法則みたいなのもわかってきたから多分大丈夫だとは思う。
「また必要なら釣るから呼んでね。」
「うん。申し訳ないけどその時はまたお願いするね。」
「そういえばこの素材ってキモしか使わないんだけど身の方って使い道ないのかな?」
「公式のアナウンスでそのうち料理システムってのが追加されるってあったからその時に使えるようになるんじゃないかしら?まぁ私料理できないからあまり恩恵はなさそうだけど。」
アリナは料理ができないらしい。正直意外だ。
「私は料理好きだからちょっと楽しみかも。」
実際変な物も料理に使えそうだから楽しみだ。
「それならミィが何か作ったら食べさせてよ。」
「別にいいよ。私も毒……味見役が欲しいからね。」
ゲームの世界観なのだから食べられそうなものにも毒があるかもしれないから味見役は重要だと思う。
「ミィ……今毒味って言おうとした?」
気のせいですよ。
「そんなこと言ってない。アリナもひどいこと言うなぁ。」
知らぬ存ぜぬで通すしかないのでとぼける。
「まぁいいけど。食べても死ぬわけじゃないし。」
うん。誤魔化せたな!
「そうだ。明日はお店でツノウオ捌いて薬作りするからカウンター裏の部屋使うけど大丈夫かな?」
アリナにも開店準備があると思うので了承を取る。
「別に大丈夫よ。2階の1部屋を作業部屋にしてるから1階は平気よ。」
いつの間に2階をいじったのだろうか。昨日は一緒にログアウトしたからそんな時間なかったと思うんだけど。
「わかった。じゃあ明日は1階を使わせてもらうね。」
テーブルとかは無いはずだから用意しておかないといけないからまた帰りに雑貨屋に寄ろう。
釣りを終えた私たちは雑談をしながらスターティアへと戻った。
「じゃあ私買い物してログアウトするよ。アリナ今日もありがとうね。」
雑貨屋の前でそう告げる。
「わかったわ。じゃあまた明日ね。」
そういえば明日はお店で作業なのだから顔を合わせることになるのか。
「毎日遊んでるなぁ……この私が毎日友達と遊べるとか夢みたい。」
小学生以来の出来事なので地味にテンションが上がる。悲しきボッチの性だ。
「あんまり考えても悲しくなるからやめよう。」
雑貨屋で買い物を済ませて今日はログアウトだ。
――ログアウトしました。
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