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22.ちやほやされたいサプライズ

 [アリナーちょっと聞いてほしい事があるんだけど今いい?]

 メッセージを送る。友達とのやりとりなんて久しぶりだから少しワクワクしてる自分がいる。


 待つこと数分。


 [どしたの?大丈夫だけど。]

 早くも返信が来た。


 [ありがとう。どこ行けばいい?]

 すんごい友達っぽい!


 [じゃあこの前一緒に見た家のところ来てもらっていい?]

 家?別にいいけどなんでそこなんだろ?


 [わかった。5分くらいで行くから待ってて。]

 メッセージを送り錬金キットをインベントリにしまう。あまり待たせても悪いしね。


 家の前に着くとそこにはすでにアリナがいた。

「おまたせ。急に呼び出しちゃってごめん。」


「私も暇してたし大丈夫だよ。まぁ立ち話もなんだし中入ろっか?」

 え?中?


「いやいや、ここ前に見る為に中に入ったけど流石に内覧以外で入っちゃダメでしょ!」

 アリナのいきなりの非常識な発言に流石に焦る私。


「大丈夫!だって私が買っちゃったし!」

 …………はい?


「えっ!ここ買ったって聞こえたんですけどアリナさん?」

 いきなりだし昨日の今日なので頭の処理が追いつかない。


「説明もするから中入ろ?」

 そう言うとアリナは私の手を引いていった。


 家の中は当然だが昨日内覧した時のままだった。違うところがあるとすれば木のテーブルと椅子が置いてあるくらいだ。


「えと……愚痴聞いてほしくて来てもらったんだけど、それより先にこれがどういうことか聞いていい?」

 正直私の愚痴なんかより家についての方が優先だ。


「いやミィさこの家欲しがってたじゃん?私も自分の店持ちたかったからちょうどいいと思って買っちゃったの。」

 どういうこと?


「いや話が見えないんだけど……確かにこの家は欲しかったけど、それがアリナになんの関係があるの?」

 早い者勝ちなのはわかってるけど買いたいって言ってたのに横から掻っ攫われた気がして少し不機嫌になった。


「いやいや勘違いしないで。別にミィに嫌がらせした訳じゃなくて、私も自分のお店欲しかったからそれならミィと2人でやれば良いかなって思って買っちゃったの。」

 説明を聞き理解はする。しかし何も相談なくいきなりこんなことをされたので納得はできなかった。


「買おうかって聞かれたとき私そこまでしてもらうのは悪いって断ったよね?相談もされずにいきなり一緒にお店をやりましょうって言われてもそんなの申し訳なくて出来ないよ!」

 全部言い切ったあと少し後悔した。アリナは良かれと思ってやってくれた、しかし私の小さなプライドがそれを受け入れられずにいたのだ。


「えっと……迷惑だったかな?ミィが喜んでくれると思ったんだけど……。」

 今にも泣きそうな顔をするアリナ。


「いや……えっと迷惑とかそうじゃなくて。あの私たち友達なんだから何かしてもらうとかじゃなくて対等でいたいと思ってるの。だからこういう事をするなら相談してほしいというかなんというか……。」

 そう私は友達同士で貸し借りを作りたくない。いつだって対等に過ごせる相手でいてほしいのだ。


「ミィにも半分出してもらおうと思ったんだけど売れる前に先に私が買っちゃおうと思って先走っちゃった。ごめんなさい。」

 すごい勢いでアリナが頭を下げてきた。


「いや……あの別にそこまで強くいうつもりはなくて……わ、私のためにやってくれてるのもわかってるから。と、とにかく今すぐは無理だけど半分は出すからそれでこの話はおしまいにしようか!」

 落ち込んでるアリナの顔を見たら申し訳なくなってしまった。別に悪気があった訳ではないのだからこれ以上追求はできない。


「あの……でも嬉しいよ。ありがとねアリナ。」

 嬉しいのは事実なのでお礼を言う。


「ううん。ミィが喜ぶと思って勝手しちゃってごめんね。」

 アリナさんやなんか少し重い気がするぞ。


「で、この話に比べたらすごく小さいんだけど聞いてもらっていいかな?」

 サプライズが過ぎたため忘れかけていたが本来私は愚痴を聞いてほしくてアリナを呼んだのだ。


「うん、聞くよ。元々そのつもりで来たんだし。」

 爆弾を落とした女がしれっと言う。


 「えーっとね。なんか私さくらチャンネルとかいうのとコラボすることになっちゃったんだよね。というのも……。」

 コラボに至った経緯を説明する。拒否権などほぼ無くハメられたという愚痴をたっぷり込めて。


「なんというか横暴ね。さくらって子有名だしどんな子か聞いた事はあるけどそんなえげつない信者の使い方するのね。」

 やっぱり有名なプレイヤーらしい。


「決まっちゃったものは仕方ないからこうやって愚痴聞いてもらってるんだけどねー。本当今から嫌になる。」

 テーブルの上に体を伸ばしお手上げとポーズを取る。


「それならいっそ相手のチャンネルの視聴者に宣伝すればいいんじゃない?不本意かもしれないけどお店もあることだし、コラボまで時間がないわけじゃないから今から準備すれば開店できるはずよ。」

 逆に相手のリスナーの多さを利用してやれということか。…………いいかもしれない。


「そっか。いきなりの事でテンパってたけど相手は登録者が80万人もいる大手なんだから利用してやれば良いんだよね。」

 どうせ錬金鋼が欲しいとか言われるだろうからそれくらい利用させてもらおう。


「まだ相手から連絡は来てないんでしょ?それなら連絡来るまでお店の準備をして、日程が決まったらミィの配信でコラボを告知して、コラボ配信で開店告知すれば良いわ。」

 やけに手慣れてるような意見がアリナから出てきた。

 広告代理店とかに勤めてるのかな?……おっと、リアルの詮索はマナー違反だ。


「そうしてみる。えっと……それでこんな事頼むのも申し訳ないんだけど色々手伝ってくれる?」

 私だけじゃ間に合わないだろうからアリナに助けを求める。


「当然よ。だって私のお店でもあるんだから全力で協力するわよ!」

 アリナからは頼もしい返事が返って来た。


「ありがとう。頼っちゃう事多いと思うけどよろしくお願いします。」

 アリナの手を握りお礼を言う。


「うん!まぁでも今日は遅くなってきたからまた明日作戦会議しようか。」

 気付けば時刻は21時。ご飯も食べてないし流石にお腹も空いてきた。


「そうだね。それじゃまた明日ログインしたらメッセージ飛ばすから。」

 アリナの手を離し立ち上がる。


「アリナ、今日はありがとうね!」

 そう言うと私はログアウトした。

 明日から忙しそうだけど友達と一緒に何かをするというのはすごく楽しみだ!


 ――ログアウトしました。

夏バテ気味なので明日の更新があるか現時点では不明です。

明日更新されなかったら明後日には更新しますのでよろしくお願いします。


感想などいただけますと励みになりますのでよろしくお願いします。

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