13.ちやほやされたい新技術
from:《Freedom World Online》運営チーム
件名 支援システム登録案内
ミィ様
本日あなたの放送チャンネル登録者数が3万人を超えました。
今後該当チャンネルにおきまして支援システムの設定が可能になります。
詳細については下記リンクよりご確認ください。
――――――
お昼ご飯のスパゲティを食べているとスマホにそんなメッセージが届いた。
そういえば昨日スマホと通知の連動したっけ。
「支援システム?それって投げ銭みたいなものなのかな?」
もう3万人も登録者が居るのか……まぁプレイ人口800万人は居るらしいからそんなもんなのかな?
リンクを開いてみる。
「えっと……放送中の視聴者による金銭支援システム?…………あーやっぱり投げ銭だ。」
となると親に相談しないといけない。
基本放任主義だし多分ダメとは言われないだろうし大した額にならないだろうけど相談ば大事。
「なになに……。支援金額の3割が運営の手数料でそれが運営費になるのか。」
なるほど。目玉機能の配信システムで集金して基本無料にしてる感じなのか。
そういえば課金要素もプレイを有利にするものは無く全て配信に関わるものだったし相当この機能に力を入れてるんだろう。
「とりあえずお母さんが帰ってきたらお父さんに聞いてもらおっと。」
お小遣いが増えるなら私としてもありがたい。……あんま使う機会ないけど。
「さてと。ご飯も食べたしやるぞー。」
――ログインしました。
アリナと別れたところで視界が開ける。
「とりあえずこの後は採取を……。」
グリーンウルフに押し倒された光景が蘇る。
「やめておこ……。戦えるように武器になるものを作らないと。いつでもアリナが居るわけじゃないし。」
装備不可なのはわかっているから腕に装備できる武器を探さないといけない。
「今私が持ってるのも草と石とゴミだし。こんなんじゃ何も作れないよね。」
どうしたものか。
「とりあえず何か情報集めてみましょう。」
ひとまずマップを開く。
「図書館がある!ここなら錬金術に関わる本とかあるかな?」
街の中央から少し外れたところにスターティア記念図書館というのがあった。
歩く事数分。
「ずいぶん大きな図書館ね。」
目の前の建物は大きかった。3階建でそれなりの一軒家が3軒くらい収まりそうな広さ。
「こんなの目当ての本見つけられないでしょ。」
早くも心が折れそうだが堪えて扉を開く。
扉を入ると受付のようなものがありそこには初老の男性が座っていた。
「あの……すいません。初めて利用するんですけど何か気をつけたほうがいい事とかありますか?」
「異邦者の方ですか。そうですね。本を大事に扱っていただけるなら特にルールはありません。貸し出しをご希望でしたら1冊1日100Gとなっております。」
「ありがとうございます。あと錬金術に関する初心者向けの本を探してるんですけど、どこら辺にあるか教えてもらえますか?」
ついでに聞いてしまおう。
「それでしたらあそこの魔導石で検索ができますのでどうぞご利用ください。」
そんな便利なものまであるのか。
「ありがとうございます。」
魔導石とやらのところに行き、触れてみるとワード検索とかいうのが出てきた。
「えっと……錬金術 初心者で検索……で良いのかな?」
入力をすると本の一覧が表示されて、タイトルをタッチすると上部のミニマップに光って表示された。
「すご……。えっと[ボアでもわかる錬金術][入門初級錬金術]……いっぱいあるわね。」
ひとまず[入門初級錬金術]を選び本を取りに行く。
「うわ、文字びっしり。とりあえず読める所まで読んでみよっと。」
日本語で表示されてるけど文字がいっぱいでちょっと気が滅入る。
「――錬金術とは魔力操作の技術である。」
確かに全ての行動でMPを消費した気がする
「マナ無き物にマナを与え理を捻じ曲げる。」
心得みたいなのを読んでるだけで日が暮れそうなので鉱石に関してのページを開く。
「鉱石を用いた錬金術に必要な道具は魔力炉である。」
知らない道具が出てきた。
「魔力炉とは魔力を火力を換える炉である。火経由し魔力を媒体に流し込み変質させる錬金術師にとっての初歩の道具である。」
MP持つのかなこれ。
その後も本を読み進めていると日が傾き気付けば夕方になっていた。
「ヤバっ!もうこんな時間。えっと今日はもう放送はいいから魔力炉ってのを探してみようかな。」
本を片付け受付の司書さんに挨拶をして図書館を出る。
「多分鍛冶屋通りって所にあると思うんだけど、地味に遠い。」
マップで確認すると図書館とは中央を挟んで真逆だった。まぁいいけど。
――鍛冶屋通り
「ひとまずNPCから情報収集してみよう。」
店先で商品の手入れをしてるNPCに声をかける。
「あのすいません。ここら辺で魔力炉を扱ってる所ってありますか?」
「魔力炉?ここらで使ってる所はもう無いんじゃないかな。」
「えっ。えとそれじゃ何か知ってる方とかって分かりませんか?」
「知ってる人か……ちょっと親方に聞いてみてあげるよ。」
少し待つと店の奥から背の低い筋肉質なオジサンが出てきた。多分ドワーフってやつなんだろう。
「お嬢ちゃんが魔力炉を探してるってのかい?」
見た目を裏切らない野太い声だ。
「はい。でもここら辺だと使ってる所は無いって聞いたんですけど。」
「っていうとお嬢ちゃん錬金術師か。最後に会ったのはもう60年くらい前だったかな。まだ生き残りがいたとはな!」
60年⁉︎そりゃってなるとこの世界にはプレイヤーしか錬金術師って存在してないんじゃないの?
「そうなると魔力炉ってやっぱり厳しいんですかね?」
「いやそんなことはないぞ。5軒先の道具屋に行ってみな。そこでなら売れ残ってるからよ。在庫処分できるって喜ばれるんじゃないか?」
そりゃ60年も会ってないくらい珍しい職なら関連アイテムは売れ残るわな。
「ありがとうございます。行ってみますね。」
「良いってことよ。頑張れよ!錬金術師のお嬢ちゃん。」
なんというか気持ちのいい人だ。
親方さんに別れを告げ道具屋とやらに向かう。
「ドワーフの雑貨屋……この世界の雑貨屋って適当な名前しか付けちゃダメな決まりでもあるの?」
まぁどうでもいいっちゃどうでも良いんだけど。
「すいませーん。」
店の中にはドワーフの老人がいた。
「おや、人間の子かい珍しいね。何か探し物かな?」
「ここに魔力炉があるって聞いたんですけど、売ってもらえますか?」
「魔力炉。久しぶりにその名前を聞いたよ。ということはお嬢さんは錬金術師なんだね?」
「はい。まだ見習いですけど一応そうです。」
「それなら売らないわけにはいかないね。どれ、用意するから少し待ってなさい。」
難なく売ってもらえるみたいだ。鍛冶屋通りの人たちあったかいなぁ。
少し待っていると奥からガラスの半球を持った店主が現れた。
「これが魔力炉なんですか?」
どう見ても巨大スノードームとかその手の類のものにしか見えない。
「そうだよ。簡単に説明するとこれに触れて魔力を流すと炉内の温度が上がっていく。それにより状態の変化した触媒を魔力操作で混ぜたり、形を変えたりして素材を完成させる。というものだよ。」
「なるほど……なんとなくわかりました。」
「まぁ僕のこれも受け売りなんだけどね。」
なんか寂しそうな目をしている。
「あの。これ買います。いくらですか?」
「500Gで良いよ。誰も買い手が見つからなかったものだしね。そのかわりと言ってはなんだけど、この魔力炉がお嬢さんの錬金について来られなくなった時はもう一度ここにきて欲しい。」
ピロンッ
クエスト[亡き友の軌跡]が発生しました。
そういうことか。
「わかりました。約束します。」
ピロンッ
クエスト[亡き友の軌跡]を受注しました。
「そうか。ありがとう。」
そういうと老人は笑った。
その後鉄鉱石を追加で購入し店を後にした。
「ああいう感じでクエストが発生するのか。」
にしても本当にすごかった。ゲームってことを忘れるくらいに感情のこもった顔だった。
「ひとまず明日はこれで色々試してみよう。でも説明聞いてるとMP消費が凄そうだから準備はしておかないと。」
その後私はマナ促進剤を30本ほど錬成した。
そろそろ毎日投稿が怪しくなってきました。
そのうち2日に1回とかになりそうですがお付き合いいただけると幸いです。
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