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12.ちやほやされたい私と初フレ

 目の前に立っていたのはすごい美人だった。


 切れ長の目に長いまつ毛。モデルさんのような高い鼻に、ウェーブかかった綺麗な金髪を横で結んだ髪型。背も高く、スタイルもいい……絵に描いたようなお姉さんって感じだ。

 

 そんな思わず見惚れるようなお姉さんが手を伸ばしてきた。


「大丈夫?さっきは急に走って行っちゃったから見つけるの苦労したよー。でも危ないところだったみたいだからタイミング的にはバッチリだったかな?」

「ありがとうございます。……ほんと助かりました」

 手を取り立ち上がる。半べそで上擦った声が恥ずかしい。


 「街の周辺は大丈夫なんだけどちょっと離れるとモンスターが出てくるから気をつけたほうがいいわよ。」

 知らなかった。

「あの……ありがとうございます。あの、さっきも逃げたのに……た、助けてくれて。」

 緊張してまともに話せない自分が嫌になる。

 

 「気にしなくていいのよ。さっきは急に話しかけた私が悪かったし。」

 スマートな返し。私もこれくらいスッキリ話せるようになりたい。

「いや……でも私もすごく失礼な態度だったし……。」

「私が気にしなくていいって言ってるんだから、気にしないの!」

 やさしい……好きになっちゃいそう。

 私は甘やかしてくれる人にはとことん弱い。


「まぁ、お礼がしたいって言うなら今度は逃げずに仲良くしてちょうだいね。」

 良い人そうだし……向こうから誘ってくれるのはありがたい。

「あの……私でよければ、よろしくお願いします。」


「あはは!ありがとね。自己紹介遅れちゃったけど、私の名前はアリナ。種族はエルフです。よろしくね!」

 「私はミィ……。種族は人間で、あの、知ってると思うけど錬金術師やってます。」

「うん。知ってるよ〜。私ミィちゃんの配信見て会いたくなったんだもん。」

 配信から来てくれたんだ。…………ちょっとうれしい。

 

「配信からって事は薬師の人?」

「私は服飾師よ。配信でミィちゃんを見た時、こんなに可愛いのに初期装備の服なんてもったいない!って思ったからお近づきになりたくてね。」

 確かに黒のシャツに膝上スカートの初期装備は正直みすぼらしい。服飾師の人には見過ごせないものなのだろう。


 「というわけなのでミィちゃん!私にあなたの服をプロデュースさせて!」

 私も女の子だし可愛い服が着れるならこの申し出はすごくありがたい。

「あぅ……あの、こちらこそよろしくお願いします。……アリナさん。」

 「ありがとう!あと私のことはアリナって呼び捨てで大丈夫よ。」

「じゃあ私もミィで大丈夫です。…………アリナ。」

 今絶対顔真っ赤だ。

 

 その後素材採取をしながら服のデザインの話をし、お昼になったのでフレンド登録をして一旦ログアウトする運びとなった。


「じゃあ明日のお昼には完成させるから今度の配信でみんなにお披露目しましょ!」

「あの、ありがたいけどあんまり無理しないでね。」

 いくらなんでも早すぎるでしょ。

「大丈夫!こんな可愛い子に着せる服なんて手が止まらなくなるからすぐよ!すぐ!」

 テンションが高い。そんなにうれしいのかな。まぁ見た目に関しては我ながらとても可愛いと思うので褒められて悪い気はしない。


「あ、ありがとう。じゃあ私は一旦落ちますね。また今度遊んでね……。アリナ。」

 人を名前で呼ぶなんて何年ぶりだろう。嬉しくなってつい呼んでしまった。


 ――――――ログアウトしました。



「やっぱりあの子最高だわ。」

 私は今日撮影したスクショを開く。

 そこには泣きそうな顔で私の手を取るミィや赤面しながら私の名前を呼ぶミィ。

 そしてグリーンウルフに追い詰められて絶望顔で座り込んで泣いているミィが写っていた。


「助けないなんて意地悪するつもりじゃなかったけど、可愛すぎて思わずスクショしてしまったわ。……ほんとなんで可愛いの!」


 うっとりとした目で見つめる私。世間から見たらロリコンというレッテルを貼られるかもしれないけど、私はただ可愛い子が好きなだけで、その中でも特に生意気そうな子が特に好きってだけなのだ。


「服を作る約束もしたから私好みの服をどんどん着せてあげたいなぁ。もちろんバレないように少しずつ。」


 あぁ!ただでさえ楽しいゲームがもっと楽しくなってきた。

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― 新着の感想 ―
[一言] 許可なく他人からのスクショを取るには普通不可能はず。
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