表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

日本の昔話 「桃〇〇〇〇〇」

作者: ア煌

今回の主人公はついあにあの人ですっ。

ちゃららぁ~~~~んっ(BGM)


お婆さん

「ぢょっ!ぢょっぢょい!待ぢぃ~」


ナレーター

「もう~??、早すぎますって!?」


お婆さん

「今回は儂が主役っで本当がいっ?」


ナレーター

「あっ、はい、運営委員会での協議の結果、今回はお婆さんが主役に決まりましたわよ」


お婆さん

「よっじゃあぁぁぁぁ」


ナレーター

「しかも、今回は特番にするので時間は2時間分だそうです」


お婆さん

「よっ、ディレグターの太っ腹ぁ~」


ナレーター

「じゃあ、そういう事なので早く配置に付いてくださいませ」


お婆さん

「あいよっ」


ナレーター

「では昔話を始めまぁ~す」


昔々、あるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました、お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川へ洗濯をしに行きました。


お婆さん

「まだ、川で洗濯がい、っだぐ」


お婆さんは玄関を出てすぐに家の裏へと足を向けました。


お婆さん

「ひっひっひっひっ、ごれなら洗濯なんであっど言う間じゃい」


そう言ってお婆さんはドラム式洗濯機に洗濯物を入れてジェルボールを1個放り込みお任せスイッチを押しました。


(「日本の昔話」はグローバルな現代社会に合わせた設定となっているので電機がどうだとか水道がどうだとかは有っても無い物として下さいw)


お婆さん

「さでっ・・・ど、後は川で魚でも釣っでるがいっ」


お婆さんが川で洗濯・・・・いやっ、釣りをしていると川の上流からどんぶらこぉ~どんぶらこぉ~と大きな桃が流れてきました。


お婆さん

「おっ、設定通りに大っぎな桃が流れでぎだねぇ~、どう考えだっで儂1人で川がら引き揚げる事なんでぇ出来やしないだろおにぃ~」


そう言ってお婆さんは釣り竿を置いて投網を手に持ち桃を目がけて投網を放出しました。


お婆さん

「うおりゃっ」


投網は見事に桃を捕獲しました。


お婆さん

「よっしゃあ~」


お婆さんは捕獲した桃を川岸へと引き寄せます。


お婆さん

「さてっ、こごがらが問題だね」


お婆さんは考えます。


お婆さん

(上の権爺さんは山に入って行ったからいないし、下の意地悪爺さんには頼りたくないしなぁ~)


そう思いながらもお婆さんはつい人差し指を桃に突き刺してしまいました。


お婆さん

「あっ!、刺さっぢゃっだ!」


そんなお婆さんは引き抜いた人差し指に付いた桃の果肉を口にしました、すると~?。


お婆さん

「うっ、・・・・・・・・・・ううおぉおぉぉおぉおおおおぉおぉっ」


お婆さんは全身が光り輝くスーパーお婆さんに変身しました!?。


お婆さん

「なっ、何だが知らないが力がみなぎるよっ、ごれなら儂一人で桃を持ち上げられそうだわ!」


お婆さんはそう言って桃に近寄りました。


お婆さん

「ぞいりゃっ」


スーパーお婆さんになったお婆さんは桃を抱きかかえて持ち上げようとしました。


お婆さん

「ふんっ・・・ん!?」


桃は見事に持ち上がりましたっ、しかしっ!。


お婆さん

「あっ・・・・・???」


10センチほど桃が持ち上がったところでお婆さんの身体が普通の状態に戻ってしまったのでした。


再び桃は川に着水。


お婆さん

「つっ、人差し指に付いだ桃でこれだけってんなら・・・」


そう言ってお婆さんは桃を一つまみ手にとり口にしました、するとっ!?。


お婆さん

「ふっ・・・・んんんんんんんんっ」


お婆さんは先ほどよりも光り輝くスーパーお婆さん2に変身しました。


お婆さん

「これだば、さっぎよりは動けるわなっ、しがも、肌艶も若返った気分だわいっ!?」


そして、お婆さんは再び桃を持ち上げようとしました。


お婆さん

「よっ」


軽々と桃を持ち上げたお婆さんは川から上がり1歩2歩・・・・。


するとっ?!。


お婆さん

「あぁ~・・・力がぁ~」


距離にして1メートルも進まない内に力尽きました。


お婆さん

「一つまみで1~2歩がっ、家まであど100メートルの上り坂、チャレンジあるのみだわっ」


そう言って、今度は桃に被り付くお婆さんでした。


お婆さん

「ふぅ~~~~~~~~~~うっ!」


今度は光り輝く筋肉質なスーパーお婆さん3に変身しました。


お婆さん

「それでは今度ごそぉ」


三度桃を持ち上げようとするお婆さんでした。


それからっそれからっ。


夕方近くになり鼻歌混じりのお爺さんが上機嫌で山から帰ってきました。


お爺さん

「はいっほぉー、はいっほぉー、爺さんがぁ~あっあぁ芝をかぁ~・・・・・ん!?」


お爺さんが家の前に到着すると、家の前に衣類にくるまれた赤ん坊とラグビーボールみたいなのが地面に置かれていました?。


お爺さん

「なんだ?捨て子か?!」


お爺さんは赤ん坊とラグビーボールみたいなのを拾い上げ両手で抱きかかえて家の扉を開けました。


お爺さん

「おぉ~いっ、婆さんやぁ、今帰ったぞ~」


しかし、家の中には誰もいませんでした?。


お爺さん

「おぉ~いっ、婆さんやぁ~」


平屋1ルーム一戸建ての家の中、凝視しても誰もいません。


お爺さん

「ばっ、婆さんやぁ~~」


そして。


お爺さんはお婆さんの捜索願をお役所には出しましたが、手がかりが残されたお婆さんの衣類だけでは何ともならないと言われました。


そして、赤ん坊と一緒にあったラグビーボールのような物体は桃の種と解りました。


赤ん坊はお婆さんの名前の花惠はなえの「花」に赤ん坊と一緒にあった「桃の種」の「桃」をくっ付けて桃花もかと名付けられ、お爺さんが1人で育てる事になり、大きな桃の種は家の裏にある畑に植えられま・・・。


お爺さん

「ちょっと、待ったあぁ~~~~~~~~」


ナレーター

「へっ、ここで待ったコールですか?」


お爺さん

「そうだっ」


ナレーター

「一体どうしたんですか?」


お爺さん

「どうも、ぎんも、きんも、無いわいっ」


ナレーター

「はあぁ~」


お爺さん

「今回の話で婆さんに名前が付いたようだが、それは今回の主役が婆さんだからなんだろうっ?」


ナレーター

「あっ、はい、そうなります」


お爺さん

「だったら、以前に主役をやった儂がいまだに「お爺さん」のままだってのはおかしいじゃねぇかっ?、んんっ」


ナレーター

「あっ・・・・・・・、そうです・・・ねぇ・・・」


お爺さん

「一体全体戦隊ドッスンジャーじゃわい」


ナレーター

「・・・・・・」


お爺さん

「無視すんなぁ~っ」


ナレーター

「じゃあ、今からでも名前を付けましょうか?」


お爺さん

「おうっ、当たり前田のクラッカーよぉ~」


ナレーター

「・・・・・・・・!」


お爺さん

「聞こえないふりをするんじゃないぃ~」


それでは話を本題へと戻します。


数日経ってもお婆さんの行方は解らず途方に暮れるお爺さんでした。


その後。


桃の種は家の裏の畑に植えられ3年後には大きく育ち桃を実らせ、それから2年後には敷地面積の広い桃畑にまで拡大しました。


育った木から採れる桃は普通の大きさですが食べた者の身体の不調が多少緩和される物で人々からは神秘の桃として噂を広めるほどでした。


そんな桃をお爺さんは神秘の桃「秘桃ひもも」と名付けて村や村以外の各地に出荷、お爺さんは新たな桃の開発生産者として財を成しお屋敷と蔵を4つも持つまでとなりました。


お爺さんが財を成した事で桃畑での労働環境を村人に与え村そのものも活性化が図られました。


そんなある日のこと、お爺さんは大地主様のお屋敷へと呼ばれました。


大地主

「お前の・・・村への貢献には大変に感謝をしておる、褒美としてお前には特別に・・・家名を名乗る事を藩主様からも許しを貰っておる、どの様な家名が良いかのう~?」


お爺さん

「では、・・・桃で財を成しえましたので桃の付く家名でお願いいたしますっ」


大地主

「そうかっ、ならばじゃ・・・桃畑・・・んんっ、桃旗でどうじゃ?、「はた」が「畑」では締まらんから「旗」で桃旗じゃ、どうじゃ良い家名じゃろ??」


お爺さん

「桃旗・・・桃旗耕太郎ももはた こうたろう・・・良き名となりました、ありがとうございます」


大地主

「うむ、これからも村の為に尽くしてくれよっ耕太郎さんっ」


お爺さん改め耕太郎

「ははっ~」


それから更に10年後。


15歳になった桃花は、実は大きな桃を食べて赤ん坊にまで若返ってしまったお婆さんの花惠だったのだが、桃による若返りの副反応によって若返る以前の記憶は完全に失っていました。


そんなある日。


桃花

「ジジイっ、ジジイは何処だ?」


耕太郎

「儂はここじゃ、それよりもいい加減ジジイではなく父上と呼ばんかいっ」


男手1つで育てたので男勝りな性格に育った桃花。


桃花

「いいじゃんかジジイ、どう見たってジジイなんだし」


耕太郎

「ふぅ~、どうしようもないなあぁ~、で、なんか用事か?」


桃花

「あっ、そうだっ、あのなっ鬼の話を聞いたかっ?」


耕太郎

「ああっ、鬼が港町で暴れまわっているそうじゃないか?」


桃花

「それって、この話の流れから言って俺が成敗に行くんじゃね?」


耕太郎

「まぁ~、そうなるだろうなぁ」


桃花

「って事で俺が成敗に行くから支度金を用意してくんねぇかな?」


耕太郎

「支度金とはっ・・・で、いくらぐらいなんだ?」


桃花

「そうだなぁ~福沢諭吉が200人分かな」


耕太郎

「福沢諭吉?、誰だそいつ??」


福沢諭吉、まだ産まれてさえいませんって。


桃花

「まぁ~それは冗談として、そうだなぁ~16両ほど欲しいなぁ」


耕太郎

「少し高いな?、もう少し下げられないのかね?、10両とか?」


桃花

「んん~せめて14両は欲しいねぇ」


耕太郎

「んんん~、仕方がない可愛い娘の為だ11両やろう」


桃花

「あっ、ジジイけちりやがんのっ!?、13両くれ13両」


耕太郎

「解った13両にしよう」


桃花

「わぁ~い、パパぁ~ありがとう~」


13両を手にした桃花、まずは犬を調達してきました。


桃花

「よぉ~っし、犬はこのプロット・ハウンドでOKだな」


ナレーター

「ちょいちょいちょいちょい~っ、何で日本の昔話で外国犬なんですか?」


桃花

「えっ!、恰好良いからだよ」


ナレーター

「いくらグローバルだからって外国犬は無いでしょう、日本犬にしてください」


桃花

「解ったわよ、じゃあ・・・この犬でどうだっ?」


桃花が次に選んだ犬は白い紀州犬でした。


桃花

「犬の次はこれよねっ」


桃花がそう言って取り出したのはドローンでした。


ナレーター

「桃花さんっ、それもNGです」


桃花

「ええぇ~、だってさぁ~、台本通りに雉を仲間にしてもさぁ~、「雉も鳴かずば撃たれまい」ってあるじゃん」


ナレーター

「それ、まだまだ先のことわざです、とにかく生き物にしてください生き物に」


桃花

「ふわぁ~っい、じゃあぁ~・・・知り合いの鷹匠から貸してもらった鷹のピー子ちゃんで」


ナレーター

「ピー子ちゃんって!!」


次は猿です。


桃花

「師匠っ、どうぞっ」


師匠

「うっき~」


桃花の合図で出て来たのは上方芸人、猿の物真似を得意としていました。


ナレーター

「これ、人間ですよね」


桃花

「いいえっ、猿真似の出来る芸人さんです」


ナレーター

「それを人間と・言・う・ん・で・す」


桃花

「いいじゃん、猿が俺の言う事を聞くと思えないから猿真似の出来る師匠でさっ」


ナレーター

「んんんんんん?!?!」


桃花

「それに、いざとなったら刀を手に持って戦ってくれるし、猿だと今から調教しなきゃ使い物にならないでしょう?」


ナレーター

「わっ、解りました、・・・で・・・猿の方の名前は?」


桃花

「名前っ?、猿でいいじゃん猿で」


ナレーター

「んんん、解りました、では気を取り直して、桃花は犬と鷹と猿をお供に鬼ヶ島を目指すのでした」


桃花

「じゃあ、日めくりカレンダーを3枚ほどまとめて弾いてっ」


桃花一行は3日後に海岸へ辿り着きました・・・?!。


師匠改め猿

「早っ!」


桃花

「鬼ヶ島ってのは沖にあるあの島だなっ?」


「左様でございます」


桃花

「猿っ、スイッチを持てっ」


「はっ」


猿は背中の袋からスイッチを出しました。


「姉御っ、スイッチでございます」


桃花

「ふむ」


桃花は左手にスイッチを持ちました。


桃花

「よしっ、スイッチ~オンっ!」


暫らくして桃花一行の後ろの山の遥か彼方から筒の様な物が飛んで来て鬼ヶ島に墜落、すると大爆発が起きて鬼ヶ島の鬼達は全滅しました。


桃花

「よっしゃぁ~、さすが****の****は命中率が格段に良いわなっ」


「左様でございます」


「わんっ」


「・・・・」


翌日、鎮火した鬼ヶ島に桃花一行が上陸。


桃花

「あっ・・・・・・」


桃花一行が鬼ヶ島で見たのは全てを焼き尽くした焼野原でした。


「姉御っ、鬼共が村人から奪い取った品々も焼失してしまったようですぜ」


「くうぅ~~ん」


「・・・・・・」


桃花

「しゃ、しゃあぁ~ない、鬼共が壊して投げた事にしておこう」


「その方が宜しいかと」


「わんっ」


「・・・・・」


桃花一行はとりあえず焼け残った刀身や鎧などをかき集めて村の人達に譲り家に帰る事にした。


桃花

「さあぁって村に戻りまた悠々自適な毎日に戻ろっかぁ」


「左様で」


そんな道中で足を滑らせて桃花は転んでしまいました!。


桃花

「てててでででで痛っでえぇ~、誰だぁ~ごんな所にバナナの皮なんざ捨てやがってぇ~」


この時代バナナはありませんって。


「姉御、大丈夫でございますか、牛の糞を踏んづけるとは・・・」


桃花

「ああ、大丈夫だ、早いどこお爺さんの所に帰っで・・・・・んっ!?」


桃花は何かに気が付いたようです。


桃花

「んっ?、あっ??、なんで???」


「姉御・・・」


桃花

「犬ど鳥ど猿ど・・・少々のお宝・・・!?、儂が鬼退治しおったんがい!?」


「姉御、言葉使いがおかしいですぜっ?」


桃花

「どうやら儂は記憶を無ぐしていだようだわい」


「わんっ」


「・・・・・」


「もしかして姉御って記憶を無くした誰かだったのですか?」


桃花

「んだっ、儂は耕太郎の嫁だっ」


「ええええええええええええええええ」


桃花

「そんなに驚ぐほどがい」


「と、とにかく御屋敷に戻りましょう」


桃花

「屋敷ぃ~・・・あっ、儂が儂だと解れば・・・まだお爺さんの世話ば・・・?」


「ではこのまま桃旗耕太郎の娘として生きていきますか?」


桃花

「うむ、その方が良がろう・・・いや、までよ・・・」


「何か?」


桃花

「最近、お爺さんに言い寄る若いオナゴ共の誰かがお爺さんど一緒になって、お爺さんが亡ぐなったらそいつが未亡人どして財産を奪っでしまうがもしれんし・・・」


「そこは我々にお任せくださいませ、言い寄る女子達は密かに消しますゆえ」


桃花

「猿よ、お主も悪よのぉ~、ふっふっふっふっ」


「いいえぇ~お代官様っほどでもぉ~、はっはっはっはっ」


桃花

「お代官ん~、んんん~~、それを目指すのも悪ぐはないがぁ~、ほっほっほっほっ」


「さすれば私めも甘い汁を・・・ふぇっふぇっふぇっふぇっ」


「くぅ~~ん」


「・・・・・」


そして3日後。


桃花

「お爺さんやっ、只今ぁ帰っだぞいっ」


耕太郎

「桃花っ、なんか話し方が変だぞ?」


桃花

「そっ、そうがえっ?」


この後、まるで人が変わったかのような「娘」の桃花に落胆した耕太郎は屋敷を抜け出し旅に出たのでした。


耕太郎

「優しい娘でいて欲しかったが・・・もはや限界っ、達者で暮らせよ桃花っ」


それから3年後、町にある代官屋敷にて。


耕太郎

「ひとぉ~つ、人世の生き血を・・・・・・・・・・あれっ!?」


耕太郎がそこで見た者は!?。


桃花

「あれっ?、お爺さんっ?」


少し太った桃花でした。


耕太郎

「太ったな!桃花」


お爺さんは成敗する側としてお婆さんは成敗される側として再会するのでした。


「クエェッー(俺の出番が無いぞぉ~)」


終わり


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ