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天界で育った少女の物語  作者: 斗瑚
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52.森の中

街へ戻る道すがら、お昼を食べてなかったことに気がついた私。


「そういえば、お昼食べてなかったね。」


バウムさんの家をでたのが12の6の時間だったから、とっくにお昼をすぎている。そうそう、この世界の時間は

24時間で地球と同じなんだけど、時間の数え方が午前1時10分なら1の2の時間、午後1時50分なら13の

10の時間っていうふうに、1~24の時間と1~11の分から成り立っているの。


「まだお金を稼げてないからね、街で買い物もできないし・・・。ダウル、アロ、寄り道して帰ろう!」


“どこイク?”


“リディ様と一緒でしたらどこへでも!”


私は検索をかけ、この辺の地図を見る。地図には色々な植物や動物の分布が載っていた。本当に検索って便利!なんでもっと早くに使わなかったんだろう。


「地図に動物と植物の絵が多いから、あっちに決まりね!」


私たちは、街への道から外れ、森の中へと入って行った。


“リディ、オレ前アルク。”


そう言うとダウルは、少し大きめな狼ぐらいの大きさになって、私の前に降り立った。・・・って、狼だけど(笑)私を守ろうとしてくれてるんだね。


「ありがとう。」


目にうつる植物を鑑定しながら、歩くこと20分ほど。袋がないので、アロにお鍋に変化してもらい(お鍋も武器と認識されたみたいで、変化できちゃった(笑))、食料になるものを少しずつ採っていたつもりなのに、お鍋いっぱいになってしまった。


「少し歩いただけなのに、こんなにいっぱい!お腹もすいたし、ここで休みましょう。」


布を敷いて、鍋の中身を布の上にだす。レプリ、ロベ、リンジ、ロアンなど、見た目は“これ食べれるの?”って感じだけど、どうもぶどう、いちご、みかん、メロンらしく、果物三昧だ。早速、剥いたり、洗ったりして食べる準備をする。もちろんここには水がないから水魔法で水をだし、綺麗に洗う。


「さぁ、食べましょう。いただきます。」


どれも、採れたてでみずみずしく、とても美味しかった。


「うーん!美味しいっ!」


「はい、美味しいです!」


「オレ、コレ好き。」


「ダウルとアロは地上で暮らしてたんでしょ?食べたことないの?」


「オレ、地上でクラシタのすこしダケ。あまりタベタことナイ。」


「そうなのね。アロは?」


「私は、常に発動状態ということがなかったですからね。食べるということをしたことがなかったんですよ。」


「そっか。お腹すかなかった?」


「はい。もともとは道具ですからね。お腹はすきませんが、発動状態の時は味覚を感じることができますから。リディ様に出会って、美味しいものと出会えて私は本当に幸せですよ!」


2人が美味しそうに食べてるのを見てると、私も嬉しくなる。そういえば、ナタラさんに食べさせてもらった食事は、ゴロッとした野菜の入ったシンプルな味付けのスープに、パンだったっけ。パンはスープに浸っていたので、柔らかくなっていたけど、あれももとは固いパンだったのかな。ものごごろついた時にはすでに、カヨさんを手伝って料理を作っていた私。まだそんなに食べたわけじゃないから、分からないけどこの世界の食事はどこもあんな感じなのかな?バウムさんも、私が作った食事に感動してたもんね。


「こんなに美味しいのに、タダで手にはいる…ここは食料の宝庫ね。お金がなくてもお腹が満たせるなんてありがたいわ。クスッ。精霊さんたちのおかげね。ありがとう。」


私たちの周りをふわふわ飛んでいる精霊さんに視線を向け、お礼を言う。食べれる分だけを食べ、あまりはナタラさんにお土産で持って帰るため、布を手提げ状にして包む。


「さぁ、行きましょう。」


布の包みはダウルが口で持ってくれた。ダウルったら紳士なんだから。


「ありがとう。」


休憩場所から、さらに20分ほど歩くと地図に動物の絵があった場所へと到着する。


「ここら辺でいいかな。」


天界では生きた動物を狩ることなんで出来なかったから、ジィジが造った、名付けて『リディちゃんこっちだよ。僕たちを狩ってごらん。動物鬼ごっこ』の道具動物(アニマル)が相手の狩りだった。だから、人生初めての生きた動物相手の狩りに若干緊張する私。アロに探知してもらい、動物がいる場所から少し離れた木の上で身を隠し、気配を消す。そして、弓に変身したアロを構え、動物が近づくのを待つ───。




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