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こんな勇者はいらないらしい  作者: 上叉来 仁志
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2話 アリア

「カイト!選別の儀に行くなら母親に挨拶くらいしなさいよ!」

外に出ようとしたおれに母が声をかけた。

「何を言う。勇者であるおれを逆に見送るのが礼儀だろ!」

「カイト…?どうしたの?」

「そうだ。使えるものを物色するか。」

タンスと壺の中を漁る。


ガサゴソ


息子の不可解な言動を目の当たりにして母親は言葉を失う。


50Gか。

しけてんなぁ。


「ちょっとカイト何してるの!」

母親が怒鳴りながら寄ってきた。

「何って世界に平和をもたらすために準備してるのさ。」

「何をわけのわからないことを言ってんの!」

母はおれの50Gを奪い、おれを抱え上げた。

「な、何をする!やめろ!」

「悪い子にはお仕置きです!」


ぺんっ ぺんっ


なんと母はおれの尻をひっぱたいてきたのだ。

今起きている現実が信じられない。

その驚きからされるがままに仕打ちを受けた。



尻をさすりながら村の中央にある祭壇へ向かう。

許せん。が、さすが勇者であるおれの母親なだけはある。

このおれに物怖じせず向かってきたのだからな。


村人の何人かに馴れ馴れしく話しかけられたが無視をした。

みんなおれの偉大さが分らないからだ。


祭壇に着いた。

祭壇の中央に剣が刺さっている。

あれを抜いたら選ばれたということだろう。

祭壇の周りでガヤガヤしていた村人どもが徐々に静かになり、おれに注目しだす。


「カイト。ついに選別の儀だね。」

後ろから小声で話しかけられる。

「アリアか。」

こいつは知っている。

毎回おれの前に現れる。

今までのどの世界にもいた。

腹が立つのはこいつは別の世界での記憶がないことだ。

おれは全部覚えているというのに。

「カイト?なんか雰囲気変わった?」

「別に。」

「あのねわたし、今日選別でカイトが選ばれる気がするの。なんか分からないけど、そんな気がするの。」

分からないなりに分かる様だ。

「気のせいよね!そんなことあるわけないよね。カイトが選ばれちゃったら…カイトはこの村を出て行かなくちゃいけなくて…。そしたらわたし…。」


アリアの話を聞き流しながら祭壇の中央に向かう。


「カイト…」


「まだ分からねえのかよ。」


「?」


「おれとお前は結ばれる運命だろうが。」


「…!」


階段を上り剣の前に来た。


ガッ


ズルルッ


勢いよく剣をつかみ、そして引き抜いた。

カクヨムで連載中のをこちらに流してます。

続きが早く見たい方がいたらぜひいらしてください。

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