表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
生命魔術と想い出(修正前)  作者: 紗厘
第一章 ~力と代償~
4/28

理解者

 それから日葉や鷹中、繊月の話を聞いて少しずつ理解をしていった。


 本当に魔術師はいるという事。

 魔術師にはブリガンテと言う相方がいる事。

 そのブリガンテとは夢の中で突然出会うという事。

 魔術には代償が必ずいるという事。

 魔術では何でも出来るが同等の代償を払わなければいけないと言う事。


「そうなると、俺はもう魔術師で魔術が使える」


「そういう事。代償を忘れたってのが不安だけど、もう学校に来ないで」


 なんでそうなる。

 魔術師でも鷹中や繊月は学校に行っているじゃないか、日葉だって……。


「魔術師ってね、魔術師同士で殺し合いをやってるの」


 繊月の言葉に警戒をした。

 警戒心がもろに出たのか、繊月は誤解を解こうと必死に説明する。


「別に雪君を殺そうなんて思ってはいないんだ。こっち側へついてほしい」


 確かにこれから殺す相手に説明は要らないだろうと思い、話を聞くことにした。


「代償を払えば何でもできるという事を利用して犯罪を犯すんだよ」


 力を持てば人は変わる、という事だろうか。


「それを止めるには殺すしかない。殺さなければ犠牲者が増えるだけなんだ」


「ちょっと待って、よくわからないんだけど」


 違う、分かりたくなかっただけだ。

 日葉や鷹中、繊月が人を殺している可能性がある事を思いたくはなかった。


 それに、話を聞く限りここに居る人は全員魔術師という事になる。


「日葉、お前は違うよな」


 冷や汗が流れ、目が泳いでしまう。


「私は魔術師ですよお兄ちゃん、その証拠にほら」


 そう言って胸に手を当てる。

 すると日葉の後ろに、浴衣姿の金髪少女が現れた。


「これが私のブリガンテです」


「どうもだ。(あるじ)のにぃよ」


 にぃ、とはおそらくお兄さん的な事だろう。

 だが、日葉は何も代償を支払っていないように見えた。


「代償はないのか」


 ブリガンテを呼ぶことに代償は要らないらしい。


「主のにぃ、主は代償を払った」


 代償は払わなければいけないらしい。

 だが何を代償にしたのだろうか。

 胸に手を当てていたので服などかと思ったが何も変化はない。

 繊月が説明をする。


「日葉の代償は『己の記憶』だよ」


 記憶を代償に魔術を使うという事か。


「そんなもの――」


 認めるわけがない。

 認めてはいけない。

 妹の記憶が消える事を、そのままにしてはおけない。


「認めるんだ主のにぃよ、我を呼ぶことに関しては朝食を食べたか否かぐらいの記憶だ。気にすることもないだろう」


 だとしても、はいと頷けるわけがない。

 

「織音、お前の心配は解る。だが大きな魔術を使わない限りは日葉の大きな記憶は消える事はない」


「なんでそんなことを言えるんだよ」


「砂と記憶だと天秤に乗せたらどっちが重いかなんて分かりきった事だろ。朝食を何食べたかを忘れるだけでそれなりの魔術も使えるんだ」

 

 どこの記憶が消えるなどが問題なんじゃない。

 記憶が消えること自体が問題なんだ。


「実質主は、かなり大きな魔術を一度使って苗字を忘れた」


 日葉のブリガンテの言葉に頭が真っ白になった。


「お兄ちゃん、でも今は皆さんのおかげで分かります。織音、ですよね。まだ違和感はありますが大丈夫ですよ」


 大丈夫なわけがない。

 日葉も、――織音雪も。


 感情的になってしまい日葉のブリガンテの胸倉をつかむ。

 周りにいた人が必死に止めるが、織音には届かなかった。


「なんのつもりじゃ」


 日葉のブリガンテは冷たい声で睨みつけた。

 そして右手で織音の首を刺すように狙った。

 あと少しで当たるというところで誰かが日葉のブリガンテの右腕を抑える。


「――雪音」


 覚えている。

 夢の中で合ったお姉さんだ。


「ごめんね、雪の寿命半月代償にしちゃった」


 半月を代償に実体化したという事だろう。


「ちょっと待って、半月ってどういう事よ」


 繊月が慌てて雪音に問う。


「雪はさっき言ってなかったけど雪が代償にするもの、それは『寿命』なんだよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ